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夏は来ぬ 初夏の情景

次の詩を、英語の詩に意訳できますか?

卯の花の 匂う垣根に  ホトトギス 早も来鳴きて  忍び音もらす  夏は来ぬ
五月雨(さみだれ)の そそぐ山田に 早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして 玉苗(たまなえ)植うる  夏は来ぬ
橘(タチバナ)の  薫る軒端(のきば)の 窓近く 蛍飛びかい おこたり諌(いさ)むる  夏は来ぬ
楝(おうち)ちる  川べの宿の 門(かど)遠く  水鶏(クイナ)声して 夕月すずしき  夏は来ぬ
五月(さつき)やみ 蛍飛びかい 水鶏(クイナ)鳴き 卯の花咲きて 早苗(さなえ)植えわたす  夏は来ぬ

Certainly! Here is an interpretive translation of the poem into English:


By the fragrant hedgerows of deutzia,
The cuckoo’s early call is heard,
With its secretive song,
Summer is here.

In the mountain fields, drenched by May rains,
Young maidens, their skirts soaked,
Planting jewel-like seedlings,
Summer is here.

By the scented orange blossoms,
Near the eaves and windows,
Fireflies dance and remind us to pause,
Summer is here.

In the riverside inns, where chinaberry petals fall,
From afar, the crake’s call,
The evening moon cool and serene,
Summer is here.

In the twilight of May, fireflies dance,
The crake calls, and deutzia blooms,
Planting seedlings in the fields,
Summer is here.


リバーストランスレーションしてください。

もちろん、リバーストランスレーションを試みます。


デウツィアの香る垣根のそばで、
カッコウの早い鳴き声が聞こえる、
そのひそやかな歌とともに、
夏が来た。

五月雨に濡れた山田で、
若い乙女たちが、裾を濡らしながら、
宝石のような苗を植えている、
夏が来た。

橘の香る軒端の近くで、
蛍が舞い、私たちに休むことを思い出させる、
夏が来た。

川べりの宿で、楝の花が散る、
遠くから、水鶏の声が聞こえ、
夕方の月は涼やかに、
夏が来た。

五月の夕暮れに、蛍が舞い、
水鶏が鳴き、卯の花が咲き、
苗を田んぼに植え付ける、
夏が来た。


卯の花に該当するのは、デウツィアなんですか?

はい、卯の花は英語では「Deutzia」と呼ばれます。デウツィア(Deutzia)はアジサイ科に属する植物で、特に春から初夏にかけて白い花を咲かせます。卯の花は、日本の詩や文学でよく登場する植物です。

ホトトギスとカッコウは、かなり違うように思いますが?

おっしゃる通りです。ホトトギスとカッコウは違う鳥です。ホトトギス(学名:Cuculus poliocephalus)は、日本の夏を象徴する鳥で、特に詩や文学に多く登場します。一方、カッコウ(学名:Cuculus canorus)はヨーロッパで広く知られている鳥です。

英語での詩の意訳において、ホトトギスの特徴を保ちながら、適切な翻訳を考慮する必要があります。再度意訳してみます。


By the fragrant hedgerows of deutzia,
The lesser cuckoo calls early,
With its secretive song,
Summer is here.

In the mountain fields, drenched by May rains,
Young maidens, their skirts soaked,
Planting jewel-like seedlings,
Summer is here.

By the scented orange blossoms,
Near the eaves and windows,
Fireflies dance and remind us to pause,
Summer is here.

In the riverside inns, where chinaberry petals fall,
From afar, the crake’s call,
The evening moon cool and serene,
Summer is here.

In the twilight of May, fireflies dance,
The crake calls, and deutzia blooms,
Planting seedlings in the fields,
Summer is here.


このように、ホトトギスを lesser cuckoo(小さなカッコウ)として表現することで、より日本的なニュアンスを保つことができます。

楝(おうち)ちる  とは、どういう意味でしょうか?

「楝(おうち)ちる」とは、「楝(おうち)の花が散る」という意味です。楝(おうち)は、センダン(Melia azedarach)のことで、日本では「栴檀(せんだん)」とも呼ばれます。センダンの花は春から初夏にかけて咲き、薄紫色の美しい花をつけます。「ちる」は「散る」という意味で、花が風に吹かれて散る様子を表現しています。

したがって、「楝ちる」は「センダンの花が散る」という情景を描写しているフレーズです。この表現は、夏の訪れを感じさせる自然の一コマを詩的に描いています。

水鶏とは、どんな鳥でしょうか?

水鶏(くいな)は、クイナ科に属する鳥の一種で、日本では「クイナ」と呼ばれます。クイナは湿地や水辺に生息し、主に昆虫や小さな無脊椎動物を食べます。クイナは比較的小型の鳥で、体長は約23~28センチメートル程度です。

クイナは特徴的な鳴き声を持っており、その声は「クイッ、クイッ」というような音に聞こえることから、この名前が付けられました。特に夕方や夜間に鳴くことが多く、その声が静かな夏の夜に響くことで、日本の詩や文学で季節感を表現するためにしばしば用いられます。

この詩は、美しい日本の初夏を描いていますが、英訳してもらった詩を、更に英語の詩のように韻を踏んだらどうなりますか?

もちろん、韻を踏んで英語の詩のように再構成してみます。


By deutzia's fragrant hedgerows fair,
The lesser cuckoo calls, a secret air,
With whispers soft and melodies clear,
Proclaiming that summer is here.

In mountain fields, where May rains fall,
Young maidens work, their skirts enthrall,
Planting seedlings, gems so dear,
Rejoicing that summer is here.

By orange blossoms’ scented lane,
Near eaves and windows, fireflies wane,
They dance and flicker, soft and near,
Reminding us that summer is here.

In riverside inns, where petals lie,
From far away, the crake's soft cry,
The evening moon, serene and clear,
Declares that summer is here.

In twilight's hush, where fireflies play,
The crake calls out, as deutzia sway,
With seedlings planted far and near,
Revealing that summer is here.


日本語ではどうなります?

もちろん、韻を踏んだ英語詩を日本語に戻してみます。


卯の花の 香る垣根に
ホトトギス 囁くように
柔らかな調べ 響かせて
夏の到来を告げている

山田に降る 五月雨の中
若い乙女たち 裳裾揺らし
宝石のような苗 植えている
夏の訪れを喜びつつ

橘の香る 小径のそば
軒先近く 蛍が舞い
柔らかな光 揺らめきながら
夏の訪れを思い出させる

川辺の宿で 花びらが散り
遠くから 水鶏の声が
夕月の光 清らかに
夏の到来を告げている

薄暮の中で 蛍が舞い
水鶏が鳴き 卯の花が揺れ
苗を植え付け 広がる野に
夏の到来を示している


英語の韻を踏んだ詩を日本語に戻すと、元の日本語の詩のリズムや韻律とは異なるものになりますが、内容や雰囲気を保つように意訳しました。

なかなか美しいですね。

ありがとうございます!詩の美しさを保ちながら翻訳するのは挑戦的ですが、とてもやりがいがあります。日本語の詩の繊細な感情と風景描写を英語に訳し、また日本語に戻すことで、新たな味わいが生まれますね。詩の美しさを楽しんでいただけて嬉しいです。

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