見出し画像

携帯(AQUOS Xx3 mini)が壊れた

携帯(AQUOS Xx3 mini)が壊れた。

念のために言っておくが、私は携帯を落としたわけでも、炎天下/氷点下に置いていたわけでも、水没どころかサッと湯通ししたこともない。

ことの流れを話すとこうだ。

いつものごとくYouTubeでラーメンズのコントを流しながら作業していた私は、充電が残り40%ほどであるのに気付いた。

そこで充電器に繋げるも、いつものように充電中を示す赤い光が点灯しない。今日の朝は充電できていたのだから、本体ではなくケーブルの不具合かと思い、別のケーブルで充電を試みるも、やはりつかない。

しかし別段、私はここで慌てなかった。というのも、以前同じ状態になってしまった際、充電を使い切った後に接続すると、再び充電が始まることがあったためである。

その時は「精魂尽きるまで援助(充電)を受けないとは、なかなか愛い(うい)やつよ」とその根性を買ったものだ。思えばあれが、不具合を訴える最初にして最後の一声だったのかもしれない。

しかし、そんな疑いを微塵も持たない私は今回も同じ作戦に出た。画面の明るさをMAXにし、YouTubeを再生し続けた。ぐんぐん減る充電。ラーメンズの動画もほぼ見終わり、次のおススメ動画であるサンドイッチマンのコントに差し掛かった頃、AQUOSの液晶は淡い光を控えめに映したっきり、徐々に暗くなっていった。

それ来た!と充電ケーブルを携帯につなぐ。前はこのタイミングで充電を知らせる光がついたのだが、今回はぴくりともしない。30分放置してもう一度手に取って見る。電源を長押し等、思い当たることを色々と試すも、変化がない。

ここで初めて「携帯が壊れたかもしれない」という危機感を持ち始めた。修理に出さなきゃ、と慌てるも、その日は夜遅かったので、ソフトバンクショップはとっくに閉まっていた。ただの板と化したAQUOSだが、私はそれをいつものように枕元に置き、眠りについた。

次の日の朝一番にソフトバンクショップへ。いいホテルのフロントか、というくらいピシッとした格好の男性店員に、うんともすんとも言わなくなったAQUOSを渡して状況を説明する。「こちらでも電源が入らないか、確認いたします」とのこと。

Twitterでも見て時間を潰そうと思うが、そうだ携帯がない。仕方なく、対応カウンターの上に取り付けられた液晶テレビに流れる新作携帯のCMをぼーっと眺めた。

しばらくして先ほどの店員が戻って来、ソファに座った私の前に屈みこんで、携帯を仰々しく差し出しながら「確かに電源が入りません」と告げた。

「卓上ホルダー?でしたっけ。置いて充電するやつ。あれもできませんか」
「申し訳ございませんが、この機種にはその機能が備わっていませんで」

今まで一度も使ったことはなかったが、AQUOS Xx3 miniにはおサイフケータイがついているのを知っていたので、もしかしたら、と思ったのだが、これはそこまで進化したものではなかったようだ。

「この場合、機種変更という形になりまして、保証に入っていらっしゃる場合は…」

ひとしきり説明を受けた後、次の予定があったため、いったん店を出た。少し先の交差点で赤信号につかまり手持ち無沙汰になったので、AQUOSを出してみる。

店員さんに「確かに電源が入りません」と宣告された携帯。本当に壊れてしまったのだな。人は死んだ時でなく、医師が診断をして死亡宣告した瞬間が死亡時刻となるが、携帯も同じようなものなのかしら、と意味もなく大げさに物事を考えてみた。

持ちなれたはずの携帯は、ソフトバンクショップへ入る前と比べて、少しだけ冷たく、硬くなってしまったように感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?