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5月の惚気

今、二人はとても仲良しなので、今の状態が少しでも崩れたら、仲良くしてくれなくなるんじゃないかと不安になる時がある。“今”はすべての秩序が保たれている完全体なのだ。

”今”を変えてしまう可能性があるものは大きく分けて3つ。彼自身、お互いの環境、私自身。その中で私がコントロールできるのは、私自身だ。なので、私は「もしも私が~になっても、仲良くしてくれる?」と、彼の許容範囲を定期的に確かめてしまう。

今まで聞いたことがあるのは
・イグアナになっていても
・ゾンビになっても
・身長が170cmになっても・・・などなど

彼はその都度、新鮮に「~になったら仲良くしない、という選択や発想がなかったよ」と返してくれる。

特に印象深いのは、イグアナとゾンビになってしまった時の対応だ。一つ目を聞いた時、私は「イグアナになってしまったら、あなたの元に助けを求めに行くから、いきなりイグアナが訪ねて来ても、びっくりしないでね」と話した。

すると彼は「分かった。近日、見知らぬイグアナが来たら、まなだと思っていつくしむよ」と返したのだ!

この返答に、私は喜びで卒倒するかと思った。彼は、私の魂そのものを愛おしいと思ってくれていると感じたからだ。どんな見た目でも、コミュニケーションが取れなくても、私という魂を持っていれば、彼は無条件で愛してしまうのだ。

ゾンビになってしまったら?の問いには、「ちょいペンで肩を貫かせて?とかの事ができる。腕を取って、接着剤でつけてみたりとかする!そういう扱いを楽しむ」とのこと。

この返答自体の良い悪いはさておき、同じようにいつくしみ続けるのではなく、その時その時だからこその相手を受け入れる姿勢に、私は「ひどいや!笑」と嘆きながらもこっそり安心した。

小さくてかわいいと言われれば、小さくなくなったら気に入られなくなるのだろうか、話が早くて助かるよと言われれば、馬鹿になってしまったら話してくれなくなるのだろうか、と今でも時々、裏返しの不安に襲われることのある私だが、その度に、イグアナに手でちぎったバナナを与える姿や、ゾンビの私の腕を付けたり外して楽しむ彼を想像して、心を落ち着かせるのだった。

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