運動と脳機能との出会い~100kmマラソン挑戦編⑤~

50kmマラソン完走で勘違いの自信を得る

出場した50kmマラソンは、ゴールデンウィークあたりの5月初旬に開催された。天気は快晴だった。川沿いをひたすら走るというコース。川沿いには野球などの様々なスポーツを楽しんでいる人たちであふれていた。

周りの景色を楽しみつつ、10km、20kmと距離を重ねていく。ペースも順調。30kmくらい走り終えた時に、身体の疲れが一気に飛んで幸福感で満たされた感じを覚えた。ランナーズハイを体感していた。

(辛さのちょっと先に待っているランナーズハイを覚えてしまったら、それが欲しくて走り出してしまう。自分はそうだった。)

40kmくらいになるとさすがに疲れきたが、快調に走り続け、何人中かは忘れたけど、5位くらいの上位に食い込むまでになった。しかも思った以上に疲れていない。これなら100kmは余裕だと確信した。

(この確信がとんでもない間違いだったことは、100km走った時に気づかされる)

5月とはいえ炎天下の中走り続けた結果、肌は真っ赤に焼けた。痛みで夜寝れなかったくらいだ。それでも50km走り切ったという達成感で何度もにやけていた。思い描いていたスーパーマンに近づいていっている思うと嬉しくてたまらなかった。

ランニングの練習を積み重ね約1年が経ち、次はいよいよ100kmに挑戦する機会を得た。いよいよ機が熟した。精神的にも体力的にも十分成長したことを実感していた。この時には、初めての100kmマラソンがとんでもなく辛くなるなんてことは知らずに笑顔でゴールする夢を見ていた。