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なが~いスピーカーケーブルを使うとこんな波形になりました
ホームオーディオで使用するスピーカーケーブルの長さは2~3mくらいではないかと思いますが、ちょっとしたホールでは20m以上の長いケーブルが使われることがあります。
そこで長いスピーカーケーブルを使うとアンプの出力波形はどのようになるものかを試してみました。
試したスピーカーケーブルはカナレの4S6で、長さは60mになります。観測する波形はアンプの出力とスピーカーの入力、つまり、スピーカーケーブルの両端の波形です。 今回はスピーカーの代わりに8Ωの抵抗を負荷としていて、信号は約10kHzの矩形波になります。
比較のための2mのケーブルでは、
![](https://assets.st-note.com/img/1708353902293-0GDA2m1GY1.jpg?width=800)
8μs/div.のレンジだと遅延は感じられず、波形はほぼ同じでロスなく信号が伝送されています。
続いてメインの60mのケーブルですが、
![](https://assets.st-note.com/img/1708354090353-XxiIzg7EMh.jpg?width=800)
さすがにケーブル長が60mもあると振幅の低下と波形のなまりが大きく目立ちます。 ケーブルの抵抗は往復で2.2Ωほどありますので、振幅はこうなりますね。
ざっくり、LCRメーターで60mケーブルの値をみましたが、R=2.2Ω、L=17μH、C=7400pFでした。
せっかくなので、テストアンプに近いPA02を使って模擬実験をしてみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1708354705916-5854jYJpYY.jpg?width=800)
ICのオフセットを無視すれば大体、結果は一致しました。
ついでに、2mのケーブルを使って大きな容量負荷を追加してみましょう。
2mケーブル+抵抗負荷だけの立下り時の0.8μS/div.では
![](https://assets.st-note.com/img/1708354628356-g2bPHsWqVN.jpg?width=800)
アンプ側レンジは半分にしています。大したロスはな無いです。
これを模擬実験すると
![](https://assets.st-note.com/img/1708407791214-AizCEEs6mh.jpg?width=800)
立下りが早いですが、信号差としては似た感じです。
次に、アンプ出力(ケーブル入力側)に0.1μFのフィルムコンデンサーをつないでみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1708354645125-yJJQCDD2di.jpg?width=800)
立下りの肩の部分が丸められており、底側にリンギングの出始めのような気配ですが、早めに落ちて高速化されたような波形です。 ただ、2mのケーブルとその先の負荷抵抗でしっかりと終端されているためか、思ったよりも落ち着いています。
これを模擬実験すると
![](https://assets.st-note.com/img/1708407802859-PvRuJViQe8.jpg?width=800)
やはり結果はあっていました。
次にケーブル端(負荷抵抗側)に0.1μFのコンデンサをつけ替えてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708354657585-FHtTXU2OyR.jpg?width=800)
アンプ側の波形変化はコンデンサ追加無しとあまり変わっていませんが、負荷抵抗側の波形はかなり変化しています。
これを模擬実験すると
![](https://assets.st-note.com/img/1708407814388-0B7hHqhitr.jpg?width=800)
これも、結果はあっていそうです。
フルレンジスピーカーなどでは、高い周波数ではインピーダンスが上昇していくことが多いと思います。 そのような場合にコンデンサーを並列に追加してしまうと、リンギングは収まらずにお祭り騒ぎになる可能性もありますね。
私の場合、フルレンジスピーカーは使用しないことと、スピーカーのインピーダンス特性を気にしているので、事故として上記のような容量負荷が付いてしまっても、アンプの故障は大丈夫かなと思っています。
メーカー製のアンプであればアイソレータ回路、ゾベル回路、過電流などの保護がされているので壊れることは少ないと思いますが、古いものとか、尖った設計の物は危ないかもですね。
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