スクリーンショット_2016-02-25_17.46.23

1月22日(金) フィリピン滞在7日目

BagioからBaukoへの移動、の前に10時よりCGN反町眞理子さんが運営しているゲストハウスTALAで、今回のモニタリングメンバーの紹介と打ち合わせ。みんな若い、20代前半がほとんど。眞理子さんを起点にスムースにミーティングは進む。

「先生を含め子どもたちも、それぞれ住んでいる土地の芸能くらいしか見たことがなく、そこから創作するため、きちんと外にみせられる作品にしてほしい」というのがミッション。前回の取り組みではふんどし姿で踊ったりしたらしい。美術や音楽や体育といった教科も学校教育には組み込まれていないようだが、その創作の俎上が日本より劣るかといえば、そんなことない。自身の住まう土地の芸能ですら見たことのない日本人はごまんといる。そもそも芸能が残っていない土地も多い。西洋的な、演劇っぽい作品に差し向けないよう、彼らの(きっと)山のものとも海のものともつかないなにかからなにかを引き出せるようにしたい。なにかのままでいい。作品になんてしなくても。

MT後の12時、眞理子さん所有のジプニーでBaukoへ向けて出発する。山を登り、下り、さらに登って5時間だ。ジプニーの揺れは体験しないとわからないのかもしれない。自分が荷物になる感覚。窓が小さいから景色も断片的にしか見ることができない。そして排気ガスがひどい。一方で助手席の乗り心地はまあ良い。そして視界も広い。「こんな山奥によく住まうわね」と思わせる、すごいところに人は住まう。その通り過ぎていく集落ひとつひとつに生活はあり、それらをぼんやり眺めているだけで楽しい。

日が傾いて景色が色合いを変える頃、ようやく滞在先に到着。速攻で水を浴びる。水が柔らかい。そして不思議と温かい。山から引いている水らしい。加えて飯が格別にうまい。前回のフィリピン滞在後、日本で「フィリピン料理ってどんなの?」とよく聞かれ、たびたび言葉を濁していた。そういえば前回5月の滞在ではwifiの使えるSeattle's Best Coffeeで作業に追われる日々だった。今回、ようやく「滞在」できているのかもしれない。お客様からお客さんに、そして客へ、さらに別人となって異人になる。意味わからんと思うけれど、半年間の滞在のイメージはそんなかんじ。どうせ同化なんてできないし、する気もない。ようやくお客様からお客さんくらいにはなれてきたのかも、と思ったりする。

その後、モニタリングチームの皆と宿舎で飲むが、早めに休む。おもむろに鼻をほじる。真っ黒な鼻くそが出てきた。そうそうこれこれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?