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自分のお家のことを調べてみよう~謄本(とうほん)にかかれていること~

 日本には不動産の「登記制度」というものがあって、「法務局」に行けば、誰でも簡単に知りたい不動産の情報を知ることができるという話をしましたが、具体的には、どんなことがわかるんでしょうか。

 「法務局」に行って、ある不動産についての情報を知りたいと言うと、「法務局」の人がコンピューターで管理されている日本中の不動産の膨大なデータからその不動産の情報をピックアップして、専用の紙でプリントアウトしてくれます。

 ちなみに、このプリントアウトされた紙のことを謄本(とうほん)(*1)といいます。

 謄本には、大まかに3つのことが書いてあります。

1つめは、その不動産がある場所や広さについて(*2)
2つめは、その不動産は誰のモノか(*3)
3つめは、その不動産に持ち主の他にどんな人がかかわっているか(*4)

 ちょっと例えば、下の謄本を見てみましょう。

謄本_IMG_1489

1.一番上の黄色い四角で囲われた部分(*2)をみると、鎌倉市〇〇にあって、土地の広さは、165.84㎡だということがわかります。けっこう広いお家ですね。

2.次に、真ん中のピンク色の四角で囲われた部分(*3)の下段のピンク色のところを見ると、平成24年5月9日売買、共有者 長〇〇〇(持分33/46)、長〇〇〇(持分13/46)と書いてあります。

 これは、平成24年5月9日に、長〇〇〇さん達がこの地面を買って自分達のものになったということです。

 なお、共有者ということで2人の名前が書いてあるので、1人ではなく2人で買ったということです。

 ちなみに、今の持主の前の段落をさかのぼってみていけば、その前は誰のモノだったのか、その前の前は誰のモノだったのか、持主の歴史もわかるようになっているんです。おもしろいですね。
ですから、謄本は、不動産の履歴書と言われたりもします。

3.最後に、一番下の緑色の四角で囲われた部分(*4)の下段の緑色のところを見ると、平成24年5月9日に金銭消費貸借同日設定、債権額3000万円、抵当権者〇〇信用金庫と書いてあります。

 これは、つまり、長〇〇〇さんが、〇〇信用金庫から3000万円を借りて、この地面を買ったということなんです。

 どうですか、不動産を買うために、誰がどこからいくらお金を借りたかまでわかっちゃうなんて、ちょっとびっくりですね。

 そうです、だから、例えば、自分のお家のことだって、お友達の家のことだって、誰のモノで、どこからいくらお金を借りているかもわかっちゃいます。

 でも、こうしたことを誰でもわかるようにすることは、みんなが自分の不動産を守るうえで、また、不動産の取引を安全に行ううえでとても大切なことなんです。

 その他にも、謄本を注意してよーく見てみると、もっともっといろんなことがわかります。

 でも、それはまた今度。

*1 全部事項証明書
*2 表題部
*3 権利部(甲区)
*4 権利部(乙区)

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