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【-間-】芸術における哲学

こんにちは、月曜日担当の福山です。

自己紹介以後は各々の考えや活動、その元となった思想などについて紹介をしていますが、芸術について語る時や作品展示などで哲学で語られる概念を紹介される事が多々ある様に思います。ではそれは何故なのでしょうか。僕の完全な私見から考えていきたいと思います。

芸術とは

そもそもアート・芸術とは何なのかという定義から考えましょう。
単純に美しければ良いのか、技巧に優れていれば良いのか。様々考えられると思いますが、個人的に集合知の権化の一つだと思っているWikipediaでは以下の様に書かれています。

芸術(げいじゅつ)またはアート: (η) τέχνηtéchni: ars: art: art: Kunst)とは、表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動を表す。
(Wikipediaより抜粋)

これを見た時に芸術系の先生がアートとは何かについて触れていた事を思い出しました。先生は「鑑賞前と鑑賞後で感情や考え方に何かしらの影響や変容を与えるもの」とおっしゃっていました。まさしく上記の定義と言えます。では以降はこれを芸術と考えて話を進めます。

芸術で哲学が用いられる理由

あくまで一般的な捉えられ方ではありますが、哲学は万物の原理原則について追及する学問、またはその知的営みの事です。つまり、学問としての側面を考慮せず、知的営みという点に注目した場合、最低限の思考能力さえ兼ね備えていれば誰にでも行う事が出来るのです。

誰にでも、道具を必要とせずという点が非常に大きな理由なのではないかと考えています。他の学問を引用しようとした場合、その分野における専門知識を必要とします。例えば佃先輩の「Calmbots」だとバイオミメティクスがその専門分野に当たるでしょう。

専門知識を得るには教科書や大学など学ぶ環境が必要になりますが、思考を深めるという事に関しては身一つで行うことが出来ます。この手軽さが良いのでしょう。更に他の学問などと異なり万物を対象に取るという点も大きな理由な様に思います。万物を対象に取れるという事は、他の学問などでは扱いづらい、芸術の定義に含まれる精神や感覚といった事も対象になります。加えて哲学という言葉が学問であること(名詞)と行い(動詞)である事の両方の意味を持っている事も影響しているでしょう。

  • 哲学する事は非常にハードルが低い

  • 学問としての体裁が整っている

  • 学問であるが故の体系化されたものを頼れる

  • 対象が全てのもの(物質に限らない)

これらから結局何が良いのかというと、非常に悪い言い方をすると、非常に都合が良いのです。

コンセプト

近年の芸術作品においてはアーティストステートメントや作者によるコンセプトの説明などがあったりしますよね。そもそも何かを作る時に完全に0から作る人はほとんどいないと思います。何かしらから刺激を受けたり、何かをモチーフにしたりなどがあるでしょう。

昔から作品のコンセプトやモチーフになったものはありますが、近代芸術ではコンセプトを重視する風潮があり、作品の応募などで説明を要求され、それを選考の対象にする事もあるそうです。

そうした理由で自分が考えていた事を鑑賞者たちに伝わるように言語化する必要性が出てきたのです。では自分が考えてきた事を「分かりやすく」伝えられ、軽く見られない方法とは何でしょう。そこで哲学の出番です。

これまで学問として積み上げられてきた哲学の中には自分の考えに通じる点が必ず存在するはずです。それに適合する内容を書けば、書き手のイメージも伝わりますし、解釈の余地を狭めることが出来ます。哲学の本筋からすれば怒られてしまいそうな使い方な気がしますけどね。

今回の締め

こういった理由から芸術の説明で哲学が用いられているのではないでしょうか。僕は芸術系の学生ではないので、そういった方からすればこういう理由なんですよという話があるのかもしれません。ただ、僕はこう考えていますという事なので。

しかし、哲学を説明に用いる場合、鑑賞者側にも哲学の知識を要求してしまうので、難しく見えてしまう理由の一つにもなってしまうかもしれません。鑑賞を楽しみたいという場合、少し哲学の知識を仕入れてから鑑賞してみると面白いかも知れませんね。


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