♯仕事日記 かろやかに
6-7年前。
業界でも割と名の通る上司と、一緒に仕事をしたことがある。
彼は執筆も講演も多くしていたこともあり、諸々有名だったから、なぜか逆に検索避けをしたかったらしく、本名をすこし変えた名前で働いていた。
気性がすごく、すごく荒い人で、気に入らないことがあると椅子を蹴ったり、舌打ちをしたり悪態をつきまくる。
しかも、客前でもそれは同じ。
客前で、初めて見た部下の作った資料が気に食わなくて、キレて中座したこともある。(彼が辞めるまでに一緒に働いた3年の中で、何度かあったらしい。)
でも機嫌がいいと、鼻歌をうたったり、めちゃめちゃ雑談をしてきたり。
まだまだ人数の少ない組織で、当時20代半ば、最若手だった私は、通常のコンサルタントとしての業務をしながら、事務周り一連もすべてこなしていて、イベントの企画や、その人の海外出張のチケット手配まで、なんでもやった。(しかも個人立替)
また、古き(良き?)コンサルタントによくありがちな、コンサルタントたるからには、スペシャルな部分を持て、と部下に常々言うような人だった。
当時の解釈としては、仕事能力もそうなんだけど、自分というキャラクターの魅せ方を知っておけ、という意味だったと思う。キャラ立ち、みたいなね。
多分どこかで、形はすこし違うんだけど、芸能人みたいなイメージを、コンサルタントに付与したかったんだろうな、と思う。
そんで時折、その上司は、シニアクラスの上司たちをボコボコに個室で詰め、結果、泣きながら部屋から出てくる女性上司を見たこともある。
もちろん例に漏れず私も、
お前は普通すぎ。まじで特徴がない、全部がBの人間。一つでもAがないやつは、コンサルタントとして生き残れない、なんてズバッと言われたりもした。(だから私はパワハラ耐性めちゃ強いのかな笑)
一方で、
お前はいっつも困った時に、困り顔で、
相談があります、、と言ってくるけど、
困り顔なんて絶対見せるな、常に、余裕綽々を演じろ、と怒られたりもした。
(実は若かりし頃、クライアントにも同様のことを言われたことがある。深刻そうな顔はすんな、本当に深刻な時以外は、と。このクライアントは、コンサルタント教育もしたいんだ、と名言してるような人だった。)
まぁ、最悪な思い出と、時々ハッとするような思い出があるけど、その人がたまに言っていたことで印象に残っていることがある。
さっきもすこし話題に出した、個室から泣きながら出てきた女性上司のこと。
散々彼女を激詰めしたあと、何日か経って。みんながいる前で、急に、
〇〇さん(女性上司)はキャラクターがとっても明るくて、かつ女性らしいしなやかさがあるから、難局もかろやかに乗り切ってくれると思うし、それを期待してる
と、言った。
組織自体の雰囲気が(主にその人のせいで笑)めちゃくちゃ悪かったけど、それでも、
軽やかに
とその女性上司を評したのは、
当時の私にはとても新鮮かつ、とても腑に落ちる表現だった。
その女性上司は、たしかに、とっても軽やかだったから。
いや、本当は、めちゃくちゃ生真面目な人。
だけど、軽やかに見せるのも、ものすごく上手な人。
さて、そんな彼が急に、
辞める!!!
と言い放ち、古巣の外資系のファームに戻ってしまった後、組織は、良くも悪くも、普通になった。
なんなら最近は、
そんなに気持ちを込めないで、コンサルタントだって、普通のサラリーマンなんだから、
と、10年前のファームでは絶対に言われないようなことを、上司から言われるようにもなった。(結構びっくりする)
まぁ、そんなこんなで、クライアントのビジネス変化に応じてコンサルタントも変遷して行くけど、
軽やかさ
余裕さ
みたいのは、演じていきたいんだよなあ
できれば。
と、急に思ったのでした。
ちゃんちゃん
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