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「分ける」(分解)ことは「分かる」こと【純顧客価値と総顧客コスト】


インターネット戦略を実行する上でLTVは、
欠かせないということは前回お伝えしました。

そんな中、1:5の法則についての
問い合わせがあったので少し深堀を
してお答えます。

一番のサマリーは、
お客様(顧客)=価値
です。

この1:5の法則は、フィリップ・コトラー先生の
純顧客価値という考え方を共有すると理解しやすいです。

純顧客価値とは、
本来は、総顧客価値から総顧客コストを引いた計算式になります。

総顧客価値
・製品価値:製品そのものの価値(信頼性・性能・デザイン・希少性など)
・サービス価値:製品に付随したサービスの価値(保守、メンテナンス、問合せ対応など)
・従業員価値:従業員のパーソナリティによる価値
・イメージ価値:企業イメージ、ブランドイメージの価値

つまり、製品・サービス・従業員・イメージ
が価値になります。

よって、せっせと製品のみ磨いてもあまり意味がありません。

総顧客コスト
・金銭的コスト:製品価格・ランニングコスト・配送費など
・時間的コスト:納品までのリードタイム・交渉にかかる時間・使い方のマスター時間
・エネルギーコスト:購入時の手続き・探索労力など
・心理的コスト:初回購入時の不安・購入時のストレスなど

つまり、金銭・時間・労力・心理面がコストです。
この考え方によると、
2つの比較対象となる製品があった場合、
顧客は純顧客価値が大きいと
感じられるほうの製品を購入することになります。

また、購入後、純顧客価値が
マイナスだと感じた場合は、
顧客は二度とその製品を購入しません。

これを踏まえると、なぜ既存顧客の維持より、
新規顧客の獲得にコストが
かかるのかが分かります。

なぜなら、金銭的コストは変わらなくても、
心理的なコストやエネルギーコストなどの面で、
新規顧客の方がマイナス幅が大きいからです。

1:5の法則の裏にあるのは、
顧客のこのようなお金以外のコスト、特に
心理面があるからです。

同じ数の売り上げが必要なら、
新規顧客の獲得を目指すより
既存顧客の維持にコストを

かけるほうが安くて良いので、
結果的には、既存顧客の離反率の改善は
利益の改善につながるわけです。

モノ余りの時代とコロナ時代における
この純顧客価値という考え方を重視すると、

顧客が何を基準に
購入しているかということだけでなく、

本質的に顧客は何を購入している
かということについて、
理解が深まります。

製品の差別化はいっそう困難になり、
価格競争はより熾烈になっています。

差別化のポイントは、
・サービス
・従業員
・企業イメージ
・ブランドイメージ

であり、ホスピタリティの精神で
できるだけ顧客の時間・エネルギー・

心理面でのコストを軽減する姿勢をアピールするのが
重要であることが理解できると思います。

ホスピタリティ精神による顧客とのつながり
がビジネスの成否を

決定付けるというとネットでモノを売る
業種の関係者は私ではないと思うのですが、
実はそうとも言えなくなりました。

CRMも生涯顧客価値という発想も、
顧客の気持ちになって

自社を見る視点で用いなければ、
単に社内プロセスを増やした面倒な計算報告に
終わってしまします。

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