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【ポケモンバイオレット】パルデア留学記録

※エンドロール、学園最強のアレまでのネタバレがゴリゴリあります。

学校に良い思い出が少ない人間だったから「今度は学校で宝探し!」って言われて尻込みしてたんだけど、ボチが可愛くて……

少しでも人にかまわれると喜び、いつまでも後をついてくる温厚で人懐っこい性格です。パルデア地方に生息するポケモンの中でも、パートナーにしやすいことで知られています。ただし、ボチ自身も無自覚なまま、人の生気を少しずつ吸い取っているので、遊び過ぎは禁物です。

ポケットモンスター スカーレット・バイオレット 公式サイトより

このような生き物が大好きなので、絶対ボチと冒険するぞと思い……パルデアに短期留学のつもりで遊びに行きました。

で、やってみたら本編のストーリーがとてもよかったので、その話をしたい。

チャンピオンロード

ネモちゃんの圧と戦いながら一番スタンダードなポケモンやってた感じ。パルデアはポケモンバトルが作中世界で重く見られていなくて、そこで飛び抜けてしまった女の子に追いつく話として楽しみました。ネモちゃん、「好きなことだけど好きだけじゃやってけねえんだよ」っていう感覚がなさそう。それはある種才能なんだよ。

ジムリーダーのみなさんが、だいたい自営業かフリーランスでジムリーダーが副業なのを見て、あらためてポケモンバトルが国民的スポーツになってるガラルの独自性を噛み締めるなどしました。その中で唯一、一番やりたい事ができないのがグルーシャくんで、彼が一番強いのも、ポケモンバトルしかできなくなった、っていう雰囲気があるの皮肉だなあと思います。

自分はハイダイさんとアオキさん、カエデさんの食にまつわる人たちが好きです。宝食堂のギミック大喜びしたし、ハイダイ倶楽部も高級中華料理店って感じで好き。ムクロジに入れないのおかしいと思う。

レジェンドルート

いぬと暮らしている人間だったので、レジェンドルートで最後のヌシ倒した後は、家にいたいぬのこと思い出して泣いてしまった。うちのいぬも人間の不手際で事故に遭って手術して元気になったいぬだったので、先輩の気持ちがめちゃくちゃ分かる。

家族の話に大変弱いので、先輩が料理上手になった理由が薄ぼんやり分かってきたり、灯台の中にあるものを見るにつけ「うおー昔は仲良かったけど愛情がうまく伝わっていない父と子! 好きです!」の気持ちになっていました。

先輩はドンに当たりがキツいのに、ドンの方は多分先輩のサンドウィッチ「くれ」って言ってくるのすごい好き。出会った時にうちのドンがサンドウィッチにかじりついたのも、昔先輩と一緒に過ごした時間の中で、あの絵本みたいなサンドウィッチ食べた思い出があったりしないか……? みたいな、行間の情報を無限に膨らませることができる。

先輩が食にまつわるポケモンを沢山連れてるのも良かったな。一匹だけ食べるの専門いるけど……

スターダスト☆ストリート

あんまり楽しくなかった学校の記憶とか、動線の範囲が世界の全部だった高校生ぐらいまでの必死さのこととかを思い出して勝手にダメージを負う場面があったりもしたんだけど、それも込みでとても良かったです。

スター団のボスたちが、それぞれティーンの群れとかいう猛獣どもに馴染めない人間たちだったんだけど、「そういうところが煙たがられたんだろうな」っていう部分もあって、ただただ可哀想な集団にしていないところ好きです。

ボスたちも、過去のことに対しての態度が様々なのも、色々な人間がいるね、っていう見方ができて自分は良いところだなあと感じました。ピーちゃんが行き過ぎた部分を反省してて、それをシュウメイ殿がイジってるとこ見て「あ、イジられる程度の話に落ち着いたんだなあ」って嬉しかった。オルちゃんは、どうかそのままでいてください。

カシオペア真実で急に推しの住んでる地方が出てきたので「推しとの接点ができたが?!」っていう気持ちになってしまった。二次創作捗るな……

ホームウェイ

主人公と深く関わる少年少女、どいつもこいつも居場所を追われた人間で、その子たちが集まって冒険するホームウェイとても良かったんだけど、まさかおまえも「そう」だとは思わなかったよミライドン……引っ込んじゃったドンに向かって無邪気に「家族と会えるかも!」って大喜びしていた少年少女たち、家族に愛されていたい、または愛されているから出てくる台詞だなと思って、そのピュアさが眩しかった。家族だからって無条件に良いものだと信じられる人間たち、羨ましい。

それぞれ傷ついた子どもたちがぶつかりながら目的地を目指すっていう、スタンド・バイ・ミーをド直球でオマージュした展開を見ながら大穴でレベル上げして大穴の最深部まで辿り着いて、なんか妙だなと思っていた博士真実にも辿り着き、そこからの展開めっちゃ良かった。博士もなかなかヤベー大人で。子どもの頃からの夢を追いかけて、そのまま駆け抜けて行ってしまった。その場にとどまれないのを明るく誤魔化したのか、本当にやりたくなったからやったのか分からない塩梅が最高。自分は後者であってほしいなと願っている者です。

この子たちはまだバラバラにならずにいてほしいね……

学校生活

これまでなら町の人とか各地のミニイベントみたいなところで出される土地の歴史的な話とか、ゲームシステムのチュートリアルだとか、対人戦のイロハだのを纏めて突っ込んで話をしてくれるのが学校です。

その中でも、一番ゲームに関係ない話をするセイジ先生の言語学が一番好きでした。美術のハッサク先生だって「テラスタイプは頭のジュエルの形を見ろ」って言うのに、前期のセイジ先生はずっと他人と楽しくコミュニケーションを取る話をする。後期に至ってはポケモンの鳴き声で「どういう気持ちか当ててみよう」をする。ゲームやってく上で全然関係ないんだけど、そういうところでポケモンと生活することの話をしてくれるから……

他の先生たちも「こういう良い指導者、どの学校にも何人かいたな……」っていう先生が多くて、多分プレイヤーの恩師の誰かにヒットする造形している。自分は、ハッサク先生の紆余曲折あって美術に落ち着いた感じが高校の恩師に重なった格好です。ただし、レホール先生は教員やってるから犯罪者になってないだけの人だなって思いました。

ゲームシステムの話

アルセウスと剣盾のいいとこ取ってオープンワールドにしたら、アルセウスと剣盾にあった楽しみがなくなっちゃったなあというところもあり、この辺はどこに軸を置いてポケモン遊ぶかの違いで評価割れるのだろうなあという感じ。

わたしはポケモンがいる生活を見たがるタチで、各御家庭に入って間取りチェックしたり、色んな職業の人が連れ歩くポケモンを見たりが好きなので、多少の寂しさがありました。ご飯美味しそうなのは土地柄かなあ。

どういう道筋をつけて遊ぶか自分が決められるので、自分は全ルート最初だけ見たあと、ジム全部回って、スパイス全部集めて、スター団にカチコミかけてました。シナリオ分散して遊ぶと「前何してたっけ?」ってなっちゃうから、ダッシュできるだけのミライドンと一緒にベイクジムにもナッペ山にも行きました。ダッシュジャンプで飛距離稼いで川渡ったり、不便でもなんとかなるので冒険のしがいがありました。

後はUI関係をどうにかしてもらえたら最高です。図鑑のフォーマットを電子書籍みたいにしてくれるの演出としては面白いけど、kindleより使いづらいってどういうこったジニア先生。もしかしてジニア先生UI周りのこと良く分かんなかったか? そうか……

おわりに

「欲しかった物を失った状態から始まって、それは全部元に戻りはしないけど別の宝物を得て、また日々は続くのだ……」っていうフォーマット大好きなので、むちゃくちゃよかったです。

他にも端々で「最初の夢が叶わなかった人」「新しい目標のためにキャリアの良い時期なのに転職した人」「氏族の期待を裏切って自分の人生を選んだ人」っていう、「色々あっても人生続くし、新しい宝物は見つかるよ」っていうメッセージが随所に光っていて、前向きな気持ちになれる。ガラルの時はまっすぐ頂点に駆けあがれ! っていうホビー系バトル漫画のストレートさが良かったけど、その裏の挫折にあんまり光当たってなくてホップくん……ってシオシオになっていたので、プレイヤーに対するそういうストレスは少なかった。

システム周りに言いたいことが沢山あるけど、それ以外がとても良かったゲームなので、DLCやアプデでなんとかなると信じています。いい留学だったので、もうちょっとパルデアにいると思います。