【雑記】日食なつこの鋭い声が突き刺すもの
とりあえずまずはこれを見てくれ。ピアノとドラムと歌だけでロックンロールをやっている。
この歌っているほうが日食なつこです。
今年の二月に知ってspotifyで即行フォローをキメた人だ。たぶんnote掘るとそん時の話が出てくるし、10月に参加させてもらった企画でも紹介しているんだけど、あらためて。
この人はそぎ落とし切った一撃で致命傷を出してくるタイプの人なので、人に紹介するなら「水流のロック」からかな、と思う。楽曲や歌詞のスタイルが分かりやすいし、かっこいい。
わたしが日食なつこのどこを推しているかっていうと、声が固くて尖ってるところと、歌詞が声質とめちゃくちゃマッチしてて聞いてて「やるか」って思えることです。
色々支度が整ってないとか、ゲームしたいとか、ちゃんと面白いか分からなくなってきたとか、そういうあれこれを日食なつこの声は端から刺してまわって萎ませてくれる。言葉に乗せた感情で突き刺してくるパワーがあり、それに引っ張られて「やるか」と立ち上がれるような曲が好き。やる気が湧くというより、靴紐を直すとか、踏み出す一歩がちょっとだけ力強くなるかんじ。
情熱だけで生き残れたらどいつもこいつもヒーローだよ
守りたいのならそれなりに飛べ 背伸び程度で届くような空ではない
/日食なつこ「エピゴウネ」より引用
強い。ケツをシバきまわされる強さがある。シャイア・ラブーフが「DO IT!」する動画みたいな問答無用の「やれ」っていう感じ。鋭く前に突き出してくるような声なので、こういう戦闘態勢を取ったような言葉がちゃんと鋭い。すごいことだ。
日食なつこ、歌詞を見ていくと、挑む人の強い眼差しがある。「エピゴウネ」以外にも、「ログマロープ」「ギャングギャング」などが強い。初めて聞いたアルバムで「あっ好き」したのが、挑む人間が発する鋭いパワーをピアノと声とフィドルだけで全部やっちゃった「モア」。タイトルはニュージーランドにいて、絶滅した鳥の名前。
この命にふさわしきは 足跡や光を超えていく
衝動で燃えて消えるための最期 それだけだ
/日食なつこ「モア」より引用
引用した歌詞は曲の終わりの方なんだけど、Cメロで「自分が腑抜けになったら息の根を止めてくれ」っていう主旨の、宣誓めいた言葉が入る。デビュー10年目にも「日和らずやっていくのでよろしくね」ができる人だから「うわっ好き」したんだと思います。
歌詞でいくと少年少女の不遜さと繊細さの書き方が自分好みで……。「大停電」「致死量の自由」の、いけないことしているのが暴かれた少年少女の姿や「少年少女ではなくなった」の青さが残ったまま色々な葛藤を得たの感じも好き。「大停電」は生楽器でEDMやるってコンセプトで、聞いていると、やりたかったことは分かるので楽しいです。
今回紹介した曲は全部spotifyが公式でプレイリストにしてくれているので、導入している人は簡単にアクセスができます。そうでない方も、公式YOUTUBEチャンネルが最新アルバム曲を大盤振る舞いしています。
聴いていると内面に潜航していくタイプの好きなので個人的にそっと大事にしていようと思ったんですけどそれでは音源の制作費が入らないのでかっこいいピアノとかっこいいお姉さんの声が欲しいときに試しに聴いてみてね。