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愛知教育大学2002年:空間図形・球面上の点の射影

問題

座標空間内において,原点を中心とする半径1の球面上に定点N(0 , 0, 1 )がある。$${\left( \dfrac{1}{2}, \ 0, \ 0 \right)}$$ を通り $${yz}$$平面に平行な平面とこの球の交線上に点Pがある。Pがこの交線上を動くとき,直線NPと$${xy}$$平面との交点Qの軌跡を求めよ。

愛知教育大学2002年の問題です。表現は多少異なります。この状況を見ることのできるWeb上のアプリケーションを作りました。

はじめは次のような画面です。左にある2つの円は円形スライダで,緑の点をドラッグすると座標軸回りに回転します。
右上の赤いスライダは点Pの位置を動かすものです。点Pは,球面上の赤い円周上の点です。
ボタンは3つ。「動かす」「止める」はアニメーションの開始と停止。「軌跡表示」は点Qの軌跡の表示ON/OFFです。
これらのボタンが表示されていない場合は再読み込みをしてください。

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赤いスライダで点Pの位置が変わります。表示されている数字は,赤い円周上でのPの位置を表す角です。

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しかし,このままで点Pを動かしても全体の動き・点Qの軌跡を想像するのは難しいでしょう。P,Qの位置関係がつかみにくいのです。球面の半分は$${xy}$$平面の下側にあるのですが,そのあたりがわかりにくいのです。
右側の円形スライダで座標軸の回りに回転します。視点が変わります。$${y}$$軸方向から見ると,赤の交線が,$${\left( \dfrac{1}{2},\ 0, \ 0 \right)}$$ を通り $${yz}$$平面に平行な平面とこの球の交線であることがわかります。

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「軌跡表示」ボタンを押すと軌跡が表示されます。これを描くと前後関係がわかりやすくなります。

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さらに,円形スライダで$${z}$$ 軸の上方から見るようにしてみましょう。軌跡が円であることがわかります。

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球面を地球に見立てると,点Nは北極です。緑の軌跡は,北極から光線を発したときの,球面上の円の影になります。これを「射影」といいます。この射影の問題は形を変えていろいろ出題されています。
 なお,計算するには空間ベクトルを使います。

*Cinderella(CindyJS)で作りました。