特定小型原動機付自転車の選び方

気になっている人も多い2023年7月より公道使用が可能となった特定小型原付の選び方を紹介しよう。

形状のタイプ


・電動自転車タイプ(違法である)
・電動キックボードタイプ
・電動バイクタイプ
の3種類におおまかに分けられるだろう。
読んで字の如く、
電動自転車タイプは小型の自転車にモーターが取り付けられており、バイクのようなスロットル操作で進む形状だ。バッテリーの容量の問題から、ペダルを漕ぐことで走行距離を延ばすことができるが、違法なので注意したい
電動キックボードタイプはサドルに座らずに立って運転するタイプである。立って乗る分、重心が高くなり、運転には他の2タイプに比べ不安定になる。ただし、サドルが無い分、折りたたんだ時の携行性がよく取り回しが便利である。
電動バイクタイプは、原付バイクが特定小型仕様になったもので、足を置くステップが取り付けられており、両足が左右同じ配置にできるため運転時の安定度が3タイプの中で1番あり、走行時の操作が手だけで完結するのがメリットだろう。

モーター出力


よく使われるモーターの出力は250wから600wくらいまでで、ブラシレスのDCハブモーターが使われている。
モーターの出力が上がれば、トルクが増えるが消費電力も増えるため、航続距離は短くなる。これはエンジンの排気量と似た関係だと言える。
日本においては公道を敷設する際、最高傾斜は12度までと決められており、山の中の駆け上がったり、停止状態から初速で一気に最高速を出すといった使いかたをしないのであれば350wくらいで十分だろう。
この制度で利用が想定される利用方法として、街中である程度の距離を快適に移動できることが筆者の考える使い方である。

バッテリー容量


バッテリー容量はガソリン車でいうところのガソリンタンクの容量にあたる。
例えば36v10Ahのバッテリーを搭載しているという記述があれば、容量は10Ahの部分だ。36vの電圧をどのくらいの時間流せるかという記述である。
特定小型に搭載されているバッテリーの容量は5Ahから10Ahくらいまでで、この数字が大きければ大きいほど航続距離は長くなる。
選び方として、1日ごとに充電すると考えて、近所のスーパーまで往復5kmくらいだと5Ahあれば充分で、往復20kmを超えて走行する場合は10Ahあれば安心だろう。
バッテリーは高価なので、製品原価の約半分がバッテリーにかかる原価である。そのため、バッテリー容量によって販売価格が跳ね上がる。
購入するにあたっては、利用シーンを考えてバッテリー容量を選べば良いだろう。

バッテリーの着脱


本体からバッテリーを外せるかどうかも購入の際には重要な商品選定の指標になる。
特定小型モビリティは、確かに小さくて軽い移動ツールではあるがそれでも、重量は20kgを超え、車体サイズもマンションのエレベーターに乗せるのもなかなか大変なサイズである。仮に、折りたたみモデルを選んだとしても、折りたたみ時は、タイヤを使っての持ち運びは考えられておらず、車体を持ち上げて移動させなければならない。
そのため、集合住宅の多い日本においては、バッテリーを取り外せて、バッテリーのみ自宅に持って帰り充電できる製品の方が良いのではないでしょうか。自宅にシャッターとコンセント付きの駐輪場があれば別だが。

バッテリー容量の偽装について


電動モビリティに搭載されているバッテリーは、リチウムバッテリーといわれる種類のバッテリーで、電圧と残容量が比例せず、残容量が少なくなると急に電圧が下がるという特性をもっている。
そのため、電圧からバッテリー容量を計算したり、残容量を計算で求めたりすることが難しい。
海外のバッテリーを個人で購入する場合、最大容量の小さいバッテリーを正規のバッテリー容量とうたって販売していたりするので注意が必要だ。
なお、すこし詳細に説明すると、電動モビリティのバッテリーはセルといわれるリチウム電池を束ねて使用している。18650という型番のセル(幅18mm高さ65mm丸型という意味)を直列に繋ぎ電圧を増やし、それを並列にすることでバッテリー容量を増やすといった形だ。
そして、1セルあたり3.7v3500mAhくらいが最大なので、36vバッテリーの場合、3.7vセルを10個直列にして37vにしたものを3列並列に繋ぐ。(このタイプを10s3pという)3500mAhかける3セットなので10500mAhで10.5Ahとなる。これ以上のバッテリー容量のものも出品されているが、並列に4列(10s4p)以上繋いでいるか、容量詐欺である。特定小型のサイズ上、並列3列以上にするとバッテリーのサイズが大きくなりすぎ、本体に搭載が難しくなるため、10Ah以上は疑った方がよい。

折りたたみ機能

特定小型原動機付自転車には、折りたたみ機能を兼ね備えた製品が数多く販売されている。
これは、もともと折りたたみ電動自転車として発売していたモデルを特定小型用にカスタマイズしているためだ。
そのため、人力で使用するには充分な強度をもった設計であっても、モーターを使った駆動を考慮していない車体も存在する。
特に、折りたたみ部分には強い力がかかり、折りたたみ部分の根元から破損する可能性もあるため注意が必要である。

修理・保証について


ほぼ、海外製品を輸入販売している事業者がほとんどであるため、販売元に修理を頼んでも対応して貰えないことが多い。販売者が日本の会社であれば保証期間内であれば交換対応して貰うことも可能ではあるが、海外の販売者の場合、問い合わせを英語でしないといけない、そもそも交換を受け付けていないなどハードルが高い。
決して安い買い物ではないため、きちんと日本国内に拠点を構え、電動モビリティのメンテナンスまで出来る販売者を選ぶ必要があるだろう。

さいごに


筆者の見解・経験を記述させていただいたが参考になれば幸いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?