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【Z/X】2023年環境1年史 後編

どうも、EveGokurakuです。
TCGやりたい、音ゲーしたい、ロボアクションやりたい、文章書きたい、作曲したい、PC買いたい、布物買いたい、生活習慣改善したい、いい仕事に就きたい、当然全てを手中に収める事など余程の事が無ければ不可能なのに…生物種ホモ・サピエンスを最も"人間"たらしめる物は欲望なのかもしれない、頭に湧いてくる数多の欲求に思いを巡らせながらそんな事を思う年の暮れです。

さて、ゼクスの2023年振り返り後編。
2023年7月~執筆現在(2023年12月)まで。怒濤の新デッキ誕生ラッシュが待っています。

前編はこちらから↓

(※注意※)
以下の内容には執筆者の知識・思想の偏りによる記述の偏り・実態からの乖離を含む場合があります。特にデッキリストについては筆者が各所の情報を基に再構成している物のため、十分に理解した上で閲覧ください。


2023年7月:どの口が"虚栄"などと言う

トピック

〇『降魔<プロフェシーリンク>』発売
〇『キャラクターデッキ 剣淵相馬』到着

この頃登場した注目カード

2023年7月はゼクス凱旋の記念月。
深い理由も無く丸1年半近く沈黙を続けてしまった剣淵相馬&フィーユが遂にアークゼクス・ユナイトアーク・リンク・レイドのオールインワンを引っ提げてデッキ商品として出回ったのです。
正道のフィーユとして組んでも強い、怪しいカードを入れたおもちゃに仕立て上げても強いと、長きに亘るブランクを跳ね返す魅惑的なカードパワーを備えての鮮烈な帰還は、多くのプレイヤーを活気づけました。

(メタ的観点からすれば仕方のない事情があったとはいえ、)ここまで長かった…

そして来たるワールドリンク期第2の通常弾は引き続き、低レアからハイレアまで様々な種類のカードが充実。
見知った面々の強化に加え、神門と大和に続き飛鳥・紗那もパック復帰。こちらは登場時期の関係で今まで存在していなかったユナイトアークも獲得しています。代わりに一人行方不明になったけど
他方では新カテゴリ「SSD」の参入・カテゴリの名称を持つライフリカバリーが多数登場したのと、第3の約束として絆ぐ約束サイクルGen3単色パニッシャー、更には招来シフト3色降臨メガサイクルの内の3種と今までに「ありそうでなかった」カード群が目新しさとFUNを提供してくれました。

まずプロフェシーリンクを語る上で外せないのがグロリア
リンクシステムにフィーチャーした新プレイヤーで、登場当初からデッキの本筋の強さたる1c13500絶界の画竜点睛による戦況の把握で一定の存在感を放っていましたが、使用プレイヤーの増加・それに伴うデッキ研究の醸成が深化。
折しもそこにプロフェシーリンクでの新規ライフリカバリーの獲得と相性の良い汎用カードの参入により、各所で目覚ましい結果を出す事に成功。虚栄(gloria)とは名ばかりの華々しい環境トップレベルへの光臨を果たします。

お目覚め

グロリアの栄華の裏で別軸の隆盛を迎えたのは各種のデッキ。
新顔のSSDを筆頭に、イグニッションに紐づいた青のカードが急激な充実を迎え、それらのカードを効果的に利用できるデッキの注目度が上昇
到着は月を跨ぐのですが、青約束・青パニッシャー系統の大々的な再録情報が出回ったタイミングと重なり、人気度が上昇しました。

ゼクス使いの諸々を狂わせる女である

ピックアップデッキ

グロリア(2023/07)

覇道を突き進むグロリアの雄姿。
明確に不利の付く対面が極めて少なく、常に堅実なゲーム進行が可能なデッキとして大人気を博します。

これまでは粉骨砕身からの踏み倒し先や追加の初動が仕込まれていた自由枠に、白絆(アドナキエル)約束がフル投入されているのがプロフェシーリンク以降の構築の特徴。
ライフリカバリーが白青2色になる事によるリソースタップインのリスクを抑えつつ画竜点睛のプレイを妨げないために白のカードの増量が必要で、そこにぴったりと収まった形。
強固な多面展開への回答となった上で更なる盤面強化orカード探索に繋げる事が可能であり、グロリアに留まらず全ての白系デッキが採用を検討に値する実力を証明しました。

フィーユ(2023/07)

存在ごと抹消されかけた1年半の雌伏を経て、堂々帰還のフィーユ。
t緑によるリソブアークこそ斜陽な一方、メイン緑らしく自前のリソブ手段を抱えるデッキは3ターン目発進のリソブアークの遂行力は衰えません。

IGOB期以前の喝采を連打して攻撃回数を増やす動きがデッキ新規のシャッターチャンスによって大幅に尖鋭化されており、AB・ULOB期と比較して攻撃的なデッキになっているのが特徴。
その一方で、リソースリンク・スタートカードを交えたトリッキーな迎撃に、高い横展開性能から繰り出される多彩なデュナミスの選択肢と搦め手も多く、カードへの理解度と練度が試されるハイレベルさで使えば使うほどに自身の上達を感じられるデッキとなっています。

SSD(2023/07)

2色複合種族デッキの新顔SSD。
過去1年間程度かなりやせ気味だったトーチャーズに待望の新規デッキが登場とあって、今までの複合種族デッキと比較しても研究の熱量が多かったようです。

移動で面を固めながら攻撃を繰り返すトーチャーズという事で、このリストは舞い踊る人形ラヴを採用。相手の顔面をボコボコにしながらラヴラヴオディウムで手札6枚を引っこ抜く外道ムーブで環境初陣戦を華やかにデビュー、以降もプレイヤーカード・残りのアイコン枠等に何を取るかで盛んに研究が行われ、断続的に高い成績を残し続けます。

サイクロトロン(2023/07)

青系デッキの俊英、サイクロトロン。
2022年10月のユナイトアーク期から使用者が増加し、以降熱狂的なファンを抱える人気を誇るデッキが遂に進化のピークを迎えました。
ワールドリンクで獲得したリンク・レイド+青の最強憑依ことルナに加え、プロフェシーリンクからの新戦力はSSDのライフリカバリーであるプリスティオフォリと、IGアイコンを持つ青絆(Type)約束とTypeXIII。それ以外にも2023年からの新規カードをカチ盛することで完全武装しています。

手札を集めるギミックを大量に抱えているのが構築の特徴であり、スタカ・みっつの心をひとつに等の上質なドローソースと双醒真輝の大量セルフバウンスにより13枚以上の手札を抱えた状態で最高火力の青未来を放つ事が可能です。
そして連パンの後から繰り出されるは膨れ上がった手札を贅沢に食って顕れるエンリルエンリルエンリル…と、行動スケールの大きさで他を圧倒するパワー感でプレイヤーを魅了・多くのシェアを獲得し、それに伴ってみっつの心をひとつにの市場価格も暴騰しました。

刮目せよ!これが覚醒した最強0cカードの御姿である!!

2023年8月:NU STYLE

トピック

〇『アイドル♪ファンタジーフェスタ』発売
〇『キャラクターデッキ 七尾&怜亜&超』到着

この頃登場した注目カード

ワールドリンク期第1弾のアイドル強化。お馴染みの8人が登場し、特殊な事情があった一人を除いて全員のリンク・レイドが揃い踏み。それ以外にも6月のドラゴン弾から続くGen3パニッシャーの残りの色の組み合わせ5種類+無色7月のプロフェシーリンクから続く3色降臨メガサイクル第2弾といった汎用カードも登場。しかしトップトピックは何と言ってもグロリアのアイドル衣装を引っ提げての高レア強化2種。表紙のアイドルたちを差し置いてのトップレア簒奪というライン超えの珍事となりました。

このパックではアイドルの新規カード獲得がもたらした躍進よりも、既存のデッキにフィットする追加カードによりデッキリストが洗練されたという傾向が強く、激変が起きたという印象は薄目でした。
しかして同時期に、ゼクスト2023Summerの物販商品よりiDOL SPECiAL SiTUATiON CD「MiRAGE」 同梱特典カードで新規が登場した事で、アイドルからはニューが新たに浮上。
カードプールの持つ特性上、元からアークゼクスの採用枚数を絞りがちなデッキだったのですが、遂にアークゼクス0枚も視野に入れる構築論も登場。次世代デッキの到来を予測させました。

ピックアップデッキ

ニュー(2023/08)

現代即応型のニュー。
アークに加えて元のニューでは展開の要である淑女も廃した構築で、極限まで早期からの円滑なアクションに重きを置いています。

新戦力であるミラクルデイは2体で憑依すればかなりの確率で手札枚数+4に貢献する高水準なエンジン性能の高さを誇り、軽量の展開やIGに回せるチャージの多さからニューとは圧倒的な相性の良さを持っています。
強力な0~1c行動をエンジンカードと共に連打する事で、大量展開が可能なアークゼクスやカテゴリ系デッキにも引けを取らない強靭な遂行力を発揮する事が可能です。
勿論、対緑+色基盤としてアーク+ユナイトスペル・増える手札を活かしての青未来+7由仁+淑女セットなど既存の構築にもフィットするカードを採用する事も可能であり、拡張性の高いデッキとなっています。

2023年9月:死亡遊戯だ!

トピック

〇『ゼクス伝説 -Gaming Edition II-』発売
〇『ストーリーデッキ 神々の黄昏れ』到着

〇2023/9/28封神指定・エラッタ適用

この頃登場した注目カード

8月頭に発表された封神指定の執行。
ループコンボに使用されるカードの是正の横で、言わば「4月の取り逃がし」とも言えるリソースリブートカード・(お世辞にもパワーがあるとは言い難い)リソースブーストカードたちの一斉摘発が敢行。
遂に新テキストが世に商品として出回る前に存在ごと消滅させられた仲良しショッピング、封神指定リストを一面に埋め尽くす緑色の旧枠、そして始まる半ば大喜利にしか見えない「第3世代」代替カードの捜索…もはやギャグ漫画の1シーンそのもののような叫喚の絵図が広がる事に。

このリスト全部緑だし新枠初出が2枚しか無いのマジで草

少なからぬプレイヤーが「アークゼクスそのものが遅い」という思考の下でデッキの選択・構築に乗り出し、「TTとグロリアの2強環境になるのでは?」という下馬評が飛び交った事は今でも記憶に新しい事と思われます。

しかも上玉の取り逃がしがいる始末

そんなワールドリンク上半期の締めくくりは、大再録弾として1年ぶりのゼクス伝説ゲーミングエディションが2度目の来訪。
プレイヤー陣待望の大々的な約束イベント・RRカードの再録が為され、多くのプレイヤーが手に取ったパックとなりました。
そんなゲーミングエディションは「様々なデッキに組み込むことができるデッキパーツを収録!」という触れ込みで一定のコンセプトに沿った新規カード群が3つ登場するのですが、今回はそのどれもが凄味を感じさせるラインナップ。昨年の初代ゲーミングエディションからは考えられないようなハイスペックさで環境に華を添えました。

他方では、ディンギルのデッキ商品が登場し、新たに赤のカードにフィーチャー。
環境トップ級のデッキが安価にスタートできるという事で、ワールドリンク期初期以降やや停滞気味であったデッキ研究が再び活発化しました。

幾星霜を経ようとも、彼の者はやはり最強であった

ピックアップデッキ

獄・異海村(2023/09)

ゲーミングエディションの刺客その1。
公式からは「多色デッキの構築を助ける3種のデッキパーツが登場!」という触れ込みで登場した新規カード群でしたが、異海村はほぼ単色が主流です。

前例のない0cアクションの豊富さと単色デッキ特有の安定感で抜群の始動速度、それでいてアークゼクス級のパワーラインとレンジ・リブートによる打点の多さも兼ね備えるというハイスタンダードさが魅力のアグロです。
弱点であるトラッシュメタを持つデッキの立場が悪化気味というメタゲーム(最も致命的であるフウを使えるデッキは強力なチャージ除去を持つTTに対面不利を取りがち)も手伝い、一瞬でトップメタの一角に食い込む活躍を見せました。

World Creator(ワールド クリエイター)(2023/09)

ゲーミングエディションの刺客その2。
クラフトは「何をする(何ができる)デッキなんだ?」という惨憺たる事前評価を覆しての好成績が散発。5以下の緑を展開できるアークフィーユとの組み合わせが主流です。

緑のデッキとしては珍しく、デッキを触る能力と自壊の手段がかなり豊富である事から高い展開力と攻撃性能をコンスタントに出せる力を備えており、同速帯対面での安定感から想定ゲームレンジの異なる対面でのショット打点による壊し性能まで、多くの優位点を持っています。

2023年10月:The tyrants have awoken.

トピック

〇『業風<テンペストリンク>』発売
〇『キャラクターデッキ 各務原あづみ+』到着

この頃登場した注目カード

ワールドリンク期後期の到来は新弾のテンペストリンクと共に、リンクに紐づいた新システム「アウェイクンパニッシャー(AP)」が新登場。P指定を持つパニッシャーで、リンク展開済みの場合に通常の約束イベントとは別に対応するIGアイコン持ち(アウェイクゼクス)をデッキ下に送る事で1c登場が出来ます。
レイド並びにアウェイクゼクスの効果にはリソース枚数制限(≒ターン制限)が存在しないため、1~2ターン目の早期ターンに相手にダメージを与えてレイドを登場させる行動が強く肯定され、それを念頭に入れた行動に重きを置くデッキが増加しました。
そしてそのAPが性質こそプレイヤーごとに違えど、大小様々なインパクトを与えるテキストを持っているカードが勢揃い。
中にはAPありきでデッキを構築するに値するレベルのアッパーがかかった物も存在し、結果として環境初陣戦から様々なプレイヤーが急浮上。数多のデッキの華々しい環境デビューと共に、ゼクスの歴史上稀に見る大当たりシステムとして広く受け入れられる事になります。

もう、お前しか見えない

他方では、まれびとの宴以降連綿と続くカテゴリ強化が方針を新たに再プッシュ。WR2枠・RR4枠という破格のハイレアリティ収録で堂々デビューの新カテゴリ「紙機」に加え、既存のカテゴリにもLRに加えて新たにRRでデュナミスカードが登場し、非公式大会でも目覚ましい結果を残す程に強化の質も飛躍的に向上。
P系のデッキに積極的に触れないプレイヤーでも多くのFUNを享受できる栄光のシーズンに突入しました。

まれびとのMGNR連中より強くね?(禁句)

ピックアップデッキ

シンクロトロン(2023/10)

超克のアウェイクン・デッキその1。
1年半前にG・ヴェイバトロンにマージされ互いに肩身の狭い思いをしていた三神器が袂を分かち分離され、俺達が愛した獅子島七尾&シンクロトロンが帰ってきました。

デッキの目玉は何と言ってもAP七尾。リソースリブートとドローにより打点と次のアクションの確保を1枚で担い、登場させればさせる程に勝手に勝利へと近づくという凄味で最強APの名声を欲しいままとしています
これを早期から円滑に登場できるようにバックアップし、種々の約束とリンク早期設置からのアウェイクゼクスの2軸の登場によってAP七尾を連打するアグロ型の戦闘教義がシンクロトロン構築論の一端を担っています。
見切り発車が肯定されるドローパワーと無制限リソースリブートが生み出す常識外れの手数の多さにより、早期ターンでの決着+取り逃がしたとしても強力な盤面圧による絶対的な有利の定着が可能です。

クレプス(2023/10)

超克のアウェイクン・デッキその2。
ポイント交換キャンペーン組は低レアリティながらも通常弾で新システムに紐づいた新規カードを獲得できるぐらいの待遇改善を達成し、天王寺大和&クレプスも最前線での戦いに名乗りを上げられるように。

9月施行の封神指定に伴うマイペースなリンデン喪失のダメージが大きく、3ターン目の確定行動の少なさから酷く鳴りを潜めていたデッキですが、元々デッキ定義級のアクションとされていた破滅+新規獲得のAP大和でこの問題とは無縁に。そのAP大和は自壊しつつ1ボレー2ハンデスという直接的な脅威となるテキストを保有しており、今までの破壊的な攻撃性能はそのままに相手の行動に制限をかけるという新たなアプローチが可能になりました
同時期に獲得した狂気のリアニメイトカードことベルフェゴールの存在も大きく、本来アークやセレアノからしか出てこないであろうフィニッシャー級の大型ゼクスの展開難易度が大幅に減少。リソブアークに失敗したら最後、しょぼくれの3ターン目を過ごすハメになったあの頃からは考えられないような超大スケールでのアクションを行えるようになっています。

オリハルコンティラノ(2023/10)

超克のアウェイクン・デッキその3。
テンペストリンクではプレイヤーサポートパックと題し、リンク・レイド・ユナイトアイコンの再録が為されたのですが、倉敷世羅&オリハルコンティラノのリンク・レイドが出たのはつい3ヶ月前のプロフェシーリンクの頃。衝撃のマッハスピード再録でお求めやすさもブーストされていました。

新規獲得のAP世羅はこれまたデッキ定義級のカードであり、自身をスリープするだけで手札からオリハルコンティラノをフリーで踏み倒せるという最上位の展開効果を持ちます。
踏み倒したオリハルコンティラノはターン終了時に破壊され盤面には定着しませんが、今まで新生晶牙のリソ6が遠いと言い続けていた所に最速後攻2ターン目から可能な踏み倒しが登場とあってゲームプランの大幅な前倒しが可能に。
有用なオリハルコンティラノ名称のカードや赤・青絡みの強力な汎用カードも一時期よりかなり充実している事から、欠けていた遂行力も補充して気合十分となっています。

紙機(2023/10)

注目の新カテゴリ「紙機」。
上記の通りのハイレアリティさ、ポラリス様0コスト、そして構築に必須となるイベントが何故か1枚だけゼクスタ2023年11~12月の景品に送られるといった出来事により、しばし界隈をざわつかせたデッキです。このリストも実際には11月以降になって初めて構築できるものです。

なんでや!

カテゴリに属するカードは全て青単色ながら、リムーブコストを払い後にそれを逆利用するという珍しい挙動をするのが特徴。これにより構築はP神門のパーツを間借りしたt赤が主流となっています。
手札とリムーブを十分量整理した後はPSのポラリスを起点に多量の1cアクションでデュナミスの紙機神をスクエアにばら撒き、高密度な盤面で相手を圧殺します。特に複数体展開された貴人は12c11000絶界により多くの対面に容易な突破を許可しない、デッキのセールスポイントとなっています。

フラッグス(2023/10)

テンペストリンクが生んだ伏兵よりピックアップ。
元からデッキ単位のアクションにリソース枚数制限が薄く上振れによる早期アクションの強力さが認知されていたデッキでしたが、種々の展開要員の追加によりそれがコンスタントに実現しやすくなった事で浮上した形になります。

強力なメタルフォートレスや、デッキ上操作によるIG等のシナジー要素が多く追及できる拡張性の高さが魅力で、サンプルリストはそれを起動効果によるIGを行えるAP超と併せた物。
他にもトラッシュからの疑似蘇生を行えるAP怜亜・アークゼクス回りと動きの共有や手数の伸長を狙いやすいAP千歳と組み合わせるパターンがあります。
いずれの構築も早ければ2ターン目からナムを起点とする暴力的な攻撃が可能となっている事に加え、早期のレイド登場+リンク設置→AP登場という流れはセッション達成の観点からもデッキと強くマッチしています。

紅姫(2023/10)

テンペストリンクが生んだ伏兵よりピックアップ。
2021年の初代ゼクス伝説以降新枠の新規カード0枚というクソ待遇を物ともせず、周辺の強化を取り入れ、時には敵味方問わずデッキの命運にかかわるカードの封神指定・エラッタを幾度となく見届け続けるという壮絶な経歴を経たデッキです。
テンペストリンクの強化と共に再びお目覚めの時を迎えました。

龍膽のリンク・レイド及びAP千歳・更にはエンジョイフレームの新規であるハピネスタイムに至るまで、それらは全て序盤からのリソースブーストと行動安定性を担う上質な強化となっています。
加えて、環境柄アークゼクスに依存したドクトリンを組むデッキが減少傾向にある事から自分本位のリソースブーストを咎められる心配が減り、デッキの動きを強く押し通せる点も追い風です。

ベルゼブブループ(2023/10)

テンペストリンクが生んだ数多の伏兵、その中でもとびきりの危険物と名高いループデッキです。
大難ベルゼブブと異海村のアームズであるマルチプルダガーを用いた無限トラッシュ回収+フォース吸収コンボが9月の段階で既に開発されており、ベルフェゴールというベルゼブブの展開手段として一切の代替が効かないマスターピースを獲得した事でデッキとして大成した物になります。

ループコンボの詳細は以下の記事を参照↓

大会実績のある構築での最終的な勝ち筋には
〇トラッシュ15枚でアンタッチャブルを獲得した魔眼フレイシュを魔眼カプティのトラッシュ効果を用いて無限リブート
〇デッキをアウェイクシンクロのみの状態にし、AP七尾の無限登場+無限リソースリブート+ベルゼブブで無限自壊

の2つがあり、このサンプルリストは後者を採用しています。

よほど迂遠な対抗手段以外は通用しない高い耐カウンター性能に加え、ベルフェゴールのリアニメイトがお互いのトラッシュを参照する事によってアグロプランへの耐性も兼ね備えており、特に愛好家が存在する環境下においては覇道一直線とでも言うべき大活躍を見せました。

2023年11月:その眼に映るモノは

トピック

〇『ドラゴン†はろうぃんパニック†』発売
〇『キャラクターデッキ 上柚木綾瀬』到着

この頃登場した注目カード

ワールドリンク期から忽然と消えていた彼女と彼、上柚木綾瀬&ズィーガーがキャラクターデッキと共に復活。同時期にまた一組姿をくらましたけど
リンク・レイドに加えてアウェイクゼクス・APも完備。過去多数登場したデッキ商品の中でも指折りの高完成度で流通し、待望していたプレイヤーたちを活気づけました。

さして間をおかずに世に出回ったワールドリンク期のドラゴン弾第2弾ではニグ&テオゴが表立った強化を退き、リルフィを含めた8種所帯でのドラゴン強化。
テンペストリンクから続くカテゴリ強化も健在で、この弾では所謂「ジェネレーションX組」の5種にフィーチャー。ドラゴン組とジェネレーションX組を跨ぐカードとしてカテゴリ名称を持つ3種族サイクルの投入と共に、これまで散発的に登場していた新規カードを纏め上げる大幅な強化を獲得しました。

”本気”を出す時

それ以外にも、数多登場したパニッシャーたちを纏め上げる汎用カードとして2色約束サイクル+廻る約束、更には市場価格へのテコ入れとしてまれびとの宴のMGNRがレアリティ低下で再録されたりと、大小様々な点でゼクスに変化を感じさせるトピックが盛り沢山でした。

…?

ピックアップデッキ

魔眼(2023/11)

はろうぃんパニックのフィーチャーデッキ中で、群を抜いてトップクラスの話題性で一世を風靡した魔眼
カラットのテキストを見たプレイヤー陣が挙って「俺も10枚捲ってその中の〇〇全部××したい」と譫言のように発言し出したのも記憶に新しいです。

宇宙の 法則が 乱れる!

これまで魔眼の主たる展開はどれだけ早くとも後攻3ターン目が最速であり、先攻を取った際の3ターン目の過ごし方・相手の先3マウンティングへのカウンターに課題を抱えていました。
しかし、魔眼のタイトな名称縛りのリターンとして最速2ターン目から機能する展開能力を獲得し、早期からハイパワーで堅固な盤面+相応の攻撃回数で相手に圧をかけられるようになりました。特にミーティアの全体デバフとインウィディアの自動破壊の組み合わせはTT・ディンギル等の強力な展開デッキを完全に沈黙させるレベルの制圧力を誇ります。
異なる条件下で作用する常在型・起動型・自動型の様々な迎撃が入り混じっているのが特徴で、デッキサーチ能力と併せて相手に一番効果的なカードを取り出してゲームを進行するシルバーバレット戦略も可能です。

ノーブルグローヴ(2023/11)

クライシスアーク期から一定の存在感のある緑デッキの古老クシュル&ノーブルグローヴは、はろうぃんパニックドラゴン組の出世頭筆頭。
多重迎撃とアドバンテージ獲得により真綿で首を締めるような厭らしいゲーム進行に更に磨きがかかっています。

新規獲得のAPクシュルはノーブルグローヴ念願となるフリーのヴァインドラゴン踏み倒しを持っており、どうしても外部カードに頼りがちであった展開力を自前で強力に補強しています。
他方、アウェイクゼクス側もIGアイコンで2ターン目のリソースブーストを可能とするブレイクスルーをもたらしており、行動再現性もあります。
最終的には、広範囲に凶悪な耐性をばら撒くマジカルクシュルにローリエ・beyond等の致命的な置物を居並べて詰みの局面に持って行く事が可能です。

2023年12月以降:NEXT…?

トピック

〇『ゼクスターズ・プリンシパル』発売

Awakening Divaたちの麗姿、目に焼き付けな!!

2023年の締め括りパックはゼクスターズ系統の最新版。
2色約束サイクルの残り5種類アイドルのアウェイクゼクス+APが登場。
加えて、約束・未来イベント+六星竜の箱庭までの全パニッシャー+イージスの大再録が為されました。

総評

クライシスアーク期の終わり~ワールドリンク期の始まりにかけて凝り固まった環境は解され、新時代の幕開けを感じさせる事に。
ワールドリンク期以降を象徴するデッキとしては、新顔プレイヤーエースグロリア・新顔カテゴリエースTTの栄光はある程度盤石であると言って良い物と思われます。しかし、今となってはその直下に大量のデッキがずらりと並んでいるような構図が形成されており、ほんの僅かな噛み違いにより一瞬でひっくり返る状態にあります。
少なくとも8月頭の封神指定・エラッタ発表時に漂った2強環境の暗澹たる雰囲気は全く無きものと考えても良いでしょう。

全体的には、新システムであるリンク・レイドを中心に周回し、ゲームスピードが1段階高速化・それに反抗するようにゲームレンジを操作する多様なアプローチが誕生したシーズンとなりました。
アウェイクンパニッシャー・強力カテゴリ強化が登場したテンペストリンク以降はその傾向がより顕著になり、思い描くゲームプランにデッキ構築1本で強く近づく事が可能となっています。

先攻1ターン目に致命的になり得る脅威を投げ込む事だって勿論可能

また、単に高速化と言ってもデッキごとに取れる選択の幅は多く、最序盤からの点詰め・盤面による有利の固定・相手のカードリソースの刈り取りと、様々なデッキが独自の強みを見出せるようになったと感じます。
少なくともクライシスアーク期に環境を支配した「強いカードを強く使う」理論に基づく、何でもリソブアーク・何でも市場・何でも約束の「勝利に近づくカードを順に叩き付けていくだけ」の歪な環境とは縁遠くなっているという印象でした。

破格のパワーを持つカードでも、「入れなきゃ損」とまで言い切れる札はそう多くなかった

ゼクスの商品展開における商業的な変化もあって、来年以降もまた多くのデッキが研究され、環境を賑わす事になると思われます。
果たして来年はどんなデッキが隆盛するでしょうか。

残された後半組のアウェイクゼクス+アウェイクンパニッシャーは?
URでグロリア・リルフィに訪れる変化はどんなもの?
3色降臨メガサイクルのトリを務めるカードはどんなナリをしている?
キャラクターデッキと化した蝶ヶ崎ほのめ+迦陵頻伽のやる気は?
リユニオン・オーバーブーストの実力たるや如何ほどか?
2024年に新システムは登場するのか?あるとしたらどんなシステム?

スポイラー公開、既に始まっているぞ!!

深夜n時の麗しきクソデッキと共に、見守っていきましょう。
それでは。

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