ペットロスの話。

※ペットロスと、文章ですが蛇が出てきます。
※乗り越えたんだか乗り越えてないんだからわからなくなりました。



飼っていた蛇が死んだ。
私が殺したようなものだった。
2020年2月22日の深夜。結婚式の前日の深夜だった。
モノクロにの体に少しピンクをさした、とても可愛い子蛇だった。

当時、結婚式の準備と、仕事と、家事と、忙しさに殺されかけていた。
蛇は病気だったのに、しっかり向き合ってやれてたかと言われると自信がない。
病院には連れて行った。
薬も、口元に垂らして飲める分は飲んでもらった。
強制的に飲ませればよかった。ストレス死が怖くてできなかった。

いつものように様子を伺っていたら痙攣して、そのままくたりと動かなくなった。
蛇とは全身筋肉だというのをどこかで聞いたが、なるほど、だらりと重力に負ける尻尾が、どうしようもなく死なのだと思い知らせていた。

泣いて泣いて泣いて、それでも現実は待ってくれないので、泣きながらペット火葬の電話をした。
泣き切った後に目を冷やして、翌日に結婚式の為のネイルをしに行った。
結婚式は、乗り切れたと思う。少なくとも私は楽しかった。

きっちり蓋をした、ガチガチに固めた。
その蓋をちょっとずつ緩めてきた。
やっと2年経った。思い出すとまだ少し泣きたくなる。
今の子達も可愛いけれど、やっぱりあの子ヘビちゃんが一番可愛い。

結局のところ、「もっと踏み込んだ世話ができていれば。」という悔しさは次に生かすしかなくて、今飼っている子達のための学びにするしかないのだ。

入れ替わるように友人から貰った蛇は、貰った時からあの子より大きくて、灰色のようなオレンジのようなストライプに飾り点線があって、お腹にも模様がある。あの子には全く似てない。
それでも負けず劣らず愛嬌があって、私が心配性を拗らせて病院に連れて行ったが余程元気だ。

あの子ではない。性格も違う。
今の子は触られると押し返して嫌だと伝えてくるし、配置が気に入らないと水入れやシェルターを勝手に動かすし、お腹が空いた時だけ愛想を撒く。
とても面白くて可愛らしい。
割り切って育てているつもりだ。
でも今飼っている子を精一杯飼って、天寿をまっとうさせられたら、ちょっとは自分を赦せると信じている自分が居て、やはり今の子に申し訳なくなり、自己嫌悪している。

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