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爪王を読んだ。


東北の大自然と鷹匠と鷹のお話。
矢口高雄の迫力のある絵が映画を見てるような気分になる

野生伝説 爪王(つめおう)
作:戸川幸生
画:矢口高雄

動物文学作家戸口幸生氏の小説『爪王』の漫画化。
山形県真室川の鷹匠、沓沢朝治氏をモデルに昭和30年代に書かれたもの。

漫画を担当した矢口高雄氏は秋田県増田町の出身。
『爪王』の舞台となった真室川とは地理的に近く、
イメージがしやすかったんじゃないだろうか。
(私も矢口高雄氏の出身地とほぼ同じ地域の出身です。いらんかこの情報は)

飼いならした鷹(オオタカやハヤブサ)を用いて鳥獣を狩る『鷹狩り』ではなく、
東北地方の片隅(秋田県、山形県)には戦国時代から角鷹(クマタカ)を使った狩りがあった。
角鷹は日本の鷹の中で最も大型の鷹で『爪王』に出てくる鷹の吹雪も角鷹だ。

この吹雪、とーーーっても美人な鷹に描かれている。
(吹雪はメスです。)
そして強い。強いという表現は当てはまらないかもしれない。
狩りが抜群に上手く、気が強く誇り高い。
人間でイメージすると、BLACK LAGOONのロベルタのイメージだ。
カッコいい…。

その吹雪は東北の自然の中で野生の鷹として生まれ育つ。
親鳥に大切に育てられ、狩りの手ほどきを受ける。
そして巣立ち、老鷹匠と出会うのだ。

吹雪をひと目見た老鷹匠は吹雪に惚れ込み、
なんとかして自分のものにしようとする。

吹雪は捕らえられ、人の手から餌を食べるように仕向けられるが、
誇り高い角鷹の吹雪は衰弱しても一向に餌を食べようとしない。
吹雪と老鷹匠の命がけの駆け引きが始まる。

吹雪と老鷹匠との絆。
野生動物を使役して共に生きる難しさと恵。
命と命のシビアなやりとり。

ページ数が多い漫画だけど、一気に読めました。

老赤キツネとの命がけの戦いは、実際に自分も老鷹匠と共にその場で見ているような気持ちになるほどの迫力でした。

Kindle アンリミテッドでプライム会員さんでしたら無料で見れます。

自然や狩りの話が好きな人にはおすすめの漫画です。



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