ゴースカ8下位曲を『ロビンソン』を褒めるように褒めようじゃないか vol.1

はじめに

 大前提、この世に出回っている曲は一定の完成度がある、はずである。スピッツともなればなおさらそうで、発表までに本人たち以外にも様々な大人のチェックとか、思わくとか、政治とか…を潜り抜けて、Goサインを押され発表されている曲である。
 だからランキングの最下位の曲が劣っているわけではない。ただ、色んな人の上位三曲に入らなかっただけだ。もしかしたら全員の四番目のお気に入りの曲だったかもしれない。なにせ275曲もあるのだから…。

主旨

 スピッツのファンクラブイベントライブ、通称『ゴースカ』において、一人三曲を選んで投票をするという企画があった。そのランキング上位曲を中心としてライブのセットリストが組まれる。
 ところで後日、ファンクラブ会報にて全ランキングが発表されたので、今回はワースト55曲(下位曲25%)について語りたいと思う。

本編

221位 scat
 
スピッツにしては珍しいインスト曲の一つであり、インスト曲の中では一番順位が高い。インスト曲と言っても「エイー」などのまさにスキャットもあり、聴きごたえはそれなりにあるのが他のインスト曲より高順位となった所以だろうか。演奏も結構激しいし。インスト曲はオープニングとかで使われることはあっても演奏はあまりされないので、ライブで聴いてみたいですね。

222位 シロの冒険
 聴いたことありません。
音源化されていないインディーズ時代の曲だからです。ゴースカは数少ないそのような曲が聴けるチャンスでもあるので、投票する人は一定の割合いる印象があります。CD未収録曲『あかりちゃん』が全体六位で、実際披露されてます。
 一応ネットで調べると歌詞を文字起こししてくれている人が居て、それだけは見ることができます。確かに初期っぽい。

223位(同率) 桃の小道
 
これも聴いたことありません。

223位(同率) オーバードライブ
 
わりとかっこいいギターから気の抜けたボーカルが入り、間奏ではサンバが始まるとかいうよく分からないサイケ曲。現在の草野さんがこの曲をどのように歌うかが気になりますので、歌って欲しいですね。ギターソロもトリッキーなのでやりづらいかも。

225位(同率) ミーコとギター
 これはめちゃめちゃ好きな曲ですけどね。まあ『見っけ』ツアーでもやってたり、ライブ登場頻度もそんなに低くないのでこの順位なのかな。
 歌詞も、気になる子が他の人(しかも「パパ」と?)と関係を持つとかいう想像もしたくない風景を歌っていて、実に刺激的。
 演奏もかっこよくてしかも短くまとまっているので、良いですよね。

225位(同率) ラジオデイズ
 
このイベント当時は最新アルバムであった『見っけ』からのナンバー。これも良い曲ですよね。間奏にラジオのサンプリングみたいなやつもあって、新たな試みも見られる。でも『甘い手』とか『ナナへの気持ち』でもあったか。
 冒頭の「選ばれたのは 僕じゃなくどこかの貴族」というのが実に良い歌詞。ラジオで自分のお便りが呼ばれない苦しみや、好きな子が自分を選ばなかった苦しみ(しかも相手はこじゃれた貴族!)をうまく表現してる。

227位 ニノウデの世界
 
ニノウデの世界めっちゃ良いじゃん、好きなんですけど。記念すべきファーストアルバム『スピッツ』の一曲目であり、初期スピッツの世界観を少々不思議な感じで醸し出している曲。ミドルエイドが結構キーが高く、歌いづらそうだなあって感じ。同アルバム二曲目の『海とピンク』はライブでもたまに演奏されるので、こっちも演奏してほしいなぁ、という気持ち。シューゲイザーとサイケの影響を感じさせ、まだポップに振り切っていないツインギターが聴ける楽曲。『惑星のかけら』とかにも通ずる部分がある。

228位 迷子の兵隊
 
前の『ニノウデの世界』でもそうですけど、サイケっぽい曲はウケが悪いんですかね?ベースが動き回っていて、面白い曲ですよね。歌詞は当時のスピッツを歌っているらしいとか、単なる応援歌とか色々言われている。でもアルバム『空の飛び方』に沿えてあると結構輝くんですよ。他の曲が結構キャッチ―なので、こういう曲があるとグッとアルバムの深さが増します。なので単体だとこの順位というのも、まあ頷ける。

229位 僕はジェット
 
私めちゃめちゃ『僕はジェット』好きなんですよ。ベースのブリブリ具合最高ですし、何より今では散見されにくい初期スピッツ特有の長いギターソロが最高ですよね。インディーズ曲枠ということで、今では考えられないような草野さんの歌唱も聴けるし。歌詞も良いですよ。「ボロボロになる前に死にたい」という歌い出しから衝撃的ですし。エロくなさそうよく聞くとこれあれのこと歌ってねえか、ってなるような初期スピッツ特有のむっつり文学ですし。サビ前の譜割りも面白い。スペシャルアルバムにしか収録されていないので、知名度低めなのがこの順位の原因か。歌ってくれー。

230位(同着) 死神の岬へ
 希少な三輪テツヤ作曲枠。これも心中かなーというテーマ。初期スピッツは心中かHか自慰が多い。疲れた二人が死神の岬へ向かう途中で色々見るというストーリーの歌詞で、暗い世界観をどこか間抜けなメロディーに乗せて歌うのが本当に上手だなあと感心させられる。でも投票で一番になるタイプでもないというのも分かる。こういう曲が日なたにあたっても困りますもんね。

230位(同着) ただ春を待つ
 
けっこう人気があるアルバム『フェイクファー』の中からこの曲がランクイン。トレモロがかかった揺らぐギターサウンドが特徴で、まあこういうのめちゃめちゃ好き!っていう人があんまりいないのも分かる。草野さんもあんまり人気無いって言ってたけど、そのあと弾き語りで歌ってたこの曲死ぬほど上手で超好きです。草野さん一回弾き語りライブしませんか?

総括

 アルバムの影の立役者が多いかなーという感じ。あとやっぱ初期が多いですかね。続きはまたいつか。それでは。


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