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Be Place いつでも返せるオフィス

主客転倒でもいいじゃないか

●レンタルオフィス
 会社を退職した居場所探しのシニア世代にとって最初に抱える課題のひとつに、定期的に出かけられる場所は必要なのかということがあります。しばらくは家でゆっくりしようと目論んでいたのに思いのほか早く家庭内で居心地の悪さを実感しはじめたり、そうでなくても自分が思っていた以上にやることのない日常を持て余し始めたりしますね。とにかく外に出ればなんとかなるものではなさそうですし、もともと目的がなければどこに行けばよいのか見当もつきません。
 本来なら目指すことがはっきりしている人たちが活用する場所、レンタルオフィスや共有スペースを借りてしまうというのも逆転の発想で面白いかもしれません。カタチから入るというのが何かのきっかけになることもありますし、生活にリズムを作るという意味でもメリットがあります。
こういった場所提供のビジネスは比較的若い人たちのスタートアップやセカンドビジネス需要をターゲットに始まりましたが、今では中年サラリーマンの副業支援や子育てが落ち着いた女性向けセカンドキャリアをイメージしたものなどかなり幅広く展開されています。当然、利用方法によって費用システムもさまざまなタイプがあるのでいろいろ探してみるとそれほど高額な負担にならずに済む方法も増えてきました。

●モラトリアムに投資?
 借りたところでいったいそこで何をする、と考えがちですがそもそもこういった思考回路でじっとしているほうが自分のみならず同居者にとっても精神衛生上良くないのは明白なので、あえて周りの人たちのためのアクションぐらいに割り切ってしまいましょう。
 そうはいっても無料というわけにはいかないのである程度の費用負担が発生します、いわゆる投資ですね。事業や資産活用ではなく未知なる自分への自己投資になりますが、費用捻出を考えて日常生活における個人的な支出を振り返るのも意外と無駄にはなりません。長年に渡りそのままにしてきた会費関係のなかには付き合いではじめたもののまったく利用していないものがあったりして整理すると意外と結構な金額になることも。
 住んでいるエリアにもよりますが、それほど気取ったスペースでなければ平日利用など条件を絞ってゆけば月額一万円以下で十分な共有オフィスが借りられるのではないでしょうか。

●それもいってみればフリーランス
 具体的な目的がなくても毎日でなくてもとりあえずそこに行く、行ける場所があるというだけでも気持ちがちょっと違います。それが毎月のレンタル費用に見合うかどうかはひとそれぞれですが、多くのプランは初期投資もかからず無駄だと思えばすぐに解約できるケースがほとんどなので気軽にアプローチして判断しましょう。
 さて、持っていく物もノートパソコン、タブレットがあれば充分ですがスマホでもまったく問題なし。わざわざ図書館で借りた本を持っていって読んだってかまわないしそれなりの風情を持ちたいならシニアっぽくノートと筆記用具を持参して物思いにふけるのもいいでしょう。まわりはそれぞれ自分の目標に向かってデスクにすわっているのでいちいち干渉してくることもないですし気にすることもありません。考えようによっては自分自身も何かテーマを持ったフリーランスのようですね。もしかしたら、本当にアイデアがうかぶかもしれません。

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