見出し画像

日記:歳末

年はもう既に開けてしまいましたが、本日の日記を残します。

12月31日
世の中は大晦日。
何処へ行くにも帰省する人々、休みを家族と過ごす人々で溢れかえっており、それぞれが気温通りではない暖かな笑顔を浮かべている。
こういった行事ごとは須らく青春コンプレックスを刺激してくるものだが、夏祭りやクリスマスに比べると青春の解像度が低く、街模様もさして普段と変わらないため青春ゾンビ達にも優しい。

私が街へと繰り出していたのは、買い物のためだ。急ぎでもない買い物を思い出し、休みの日のうちにと思い至って出不精の体を持ち上げた。

私服で外に出るのは随分久しぶりで、予想よりも寒さを凌げない服を着てきた事に後悔しながら手早に買い物を済ませる。

暖かい笑顔を浮かべる相手も、浮かべてくれる相手もいなかった私は気温通りの寒さに体を震わせ、帰宅した。

暖かい年越し蕎麦 というのはきっと、私のような人間でも穏やかに年を越すためにあるんだな、と思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?