手術説明
入院前最後の受診。
主治医による手術説明がありました。
家族の同席は任意(ただし密回避のため同席できるのは1名のみ)。
1人で聞いても問題はなかったけれど、夫には治療について正確に理解していてほしいと思い、ダメもとで同席を打診。
年明け以降は比較的仕事が落ち着いているらしい我が家の官僚さん。
打診直後は「なるべく行けるよう努力してみる」という回答でしたが、開けてみたら、その日は在宅勤務できるよう調整し、仕事を抜けて一緒に病院へ行ってくれました。
乳がん発覚以降、あからさまに寄り添って優しい言葉をかけてくれるわけではないものの、私が話を聴いてほしいと言えばちゃんと聴き、病院選びも治療方針も基本的には私の希望を最優先するという姿勢で一貫している夫氏。
激務なのに平然と仕事を調整し、休日にスーパーへ行くのと遜色ないテンションで一緒に病院へ行ってくれるのは、実は優しさだよなと思ったり。
夫と2人で出かけるなんて、実は息子が産まれてから初めてで、一体何を話すんだろう私達…と思ったけれど、私が入院中の息子対応の相談で話すこといっぱいありました爆
病院に到着し、夫は主治医と初対面。
手術説明に先立ち、主治医が夫に向けて改めて私の乳がんについて説明してくれました。
それを経て手術説明。
今回受ける手術は以下の通り。
・乳房全切除+センチネルリンパ節生検術
・同時再建術
手術の目的は、乳癌で生命を失うリスクを最小限にすること、だそうです。
改めてそう言われると、なんか身の引き締まる思い。死んでたまるか。
現時点でついている診断は、非浸潤性乳管癌(ステージ0)。
ですが、手術後の病理検査で1ヶ所でも浸潤が見つかれば、診断は浸潤癌(ステージ1)に変わります。
浸潤癌は術前の生検で確定診断可能だけれど、非浸潤癌の確定診断は手術後でないとできないのだそうです。
私の場合、癌の範囲が右胸の内側上4分の1程度とかなり広いため、どこか1ヶ所わずかに浸潤していてもおかしくないとのこと。
非浸潤癌は理論上転移を起こさないので、リンパ節への転移チェックは省いても問題ありません。
ですが私は上述の通り癌の範囲が広いので、万一の可能性も考慮し、センチネルリンパ節生検も実施することになりました。
また、私の癌は乳頭の真下にも存在が確認されているため、乳頭・乳輪も温存することはできません。
じゃぁ実際、全切除とは具体的(ビジュアル的)にどういうことなのか、主治医が丁寧に教えてくれました。
※以下、ほぼ主治医の説明まんま
胸を肉まんに見立てると、1番外側の薄皮が皮膚、中の白いフワフワと餡が乳腺組織。
今回の手術では、薄皮のみを残し、中のフワフワと餡を全て取り除く。
ただし、てっぺん周辺は薄皮も取り除く。
で、再建のためのエキスパンダーを挿入して、薄皮を縫い合わせて終了。
私と夫「・・・・・」
ちょっと混乱。
いや、でも、わりとよくわかったかも?(やはり混乱)
また、乳がんの摘出手術をする際は通常、腕の付け根あたりからお腹の方へ向かう形で斜めに切るのだそうですが、私の場合はその切り方だと位置的に癌を取り残す恐れがあるらしく。
両胸の間あたりから右腰の方へ向かう、通常とは逆の切り方にさせてほしいとのこと。
「通常の切り方なら傷がほぼ全て下着で隠れるんですが、この切り方だと胸元の開きが深い服を着た時に傷が見えてしまう可能性があるんです。なんとか通常の切り方でいけないか検討したんですが、やはり癌を確実に取り切ることを最優先に、より安全なやり方にしたい。どうか、この切り方にすることをお許しいただきたいです。」
と、主治医に言われました。
…先生は、手術後に服を着る時のことまで考えてくれているのかと、ビックリしました。
もっと若かったら気になったかもしれないけれど…もうそこまで露出度の高い服を着る予定もないし、結婚もしてるし、ちょっと傷が見えやすいくらいどうってことない。
「全く問題ありません。先生におまかせします。最善の方法でお願いします。」と答えました。
ただその傷は、再建の過程で形成外科の先生が綺麗にしてくれるとのことでした。
摘出手術と同時に再建手術も実施します。
私は一次二期再建なので、今回は再建準備としてエキスパンダー(皮膚拡張器)を挿入するのみ。
大胸筋を剥がして持ち上げ、身体の結構奥の方に入れるのだそう…聞いてるだけで痛い。
乳がん手術は身体の表層に近い場所の手術なので、比較的容易で安全なのだそうです。
ただ、30代の私の乳腺は血流が豊富なので、1番のリスクは出血とのこと。。。
以上のような説明を受けた後、手術同意書と、万一の場合の輸血同意書に署名。
大学病院なので、教育・学術研究への協力同意書にも署名しました。
私の症例などいくらでも使ってもらって構わないから、より一層研究が進んで、いつか乳がんによって乳房を失わなくても済む時代が来ることを切に願います。
手術説明もこれにて終了。
あとは入院するのみです。
帰り道も、夫とあーだこーだと入院中の打ち合わせをしながら移動。
どうせなので、そのまま保育園に息子を迎えに行きました。
いつもより早く、しかも両親揃って迎えにきたことに喜ぶ息子なのでした。
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