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好きなことを続けるための「お金の話」〜ゼロからの資産運用・株式投資〜 イベントレポート

人気の個人投資家・森口亮(まこと)さんを招いて、資産運用と株式投資について学ぶイベントを開催しました。元美容師の森口さんは、20代のころ「貯蓄もお金の知識もほとんどゼロ」。でもいまは、株式投資スクールの講師を務めたり、個人投資家としてnoteやYouTubeで活躍したりするまでに。きっかけは、ある本との出合いだったと言います。

お金について学ぶようになった理由をお伺いしながら、知識ゼロの初心者が資産運用・株式投資をはじめるにあたってまず身につけるべき考え方や、具体的な取り組み方法について教えていただきました。

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絶望のどん底からお金の勉強に目覚めるまで

「18歳で美容師になって8年ほど働きました。でも、給料が少なかったり、長時間労働だったり。挫折して、辞めてしまいました」と森口さん。

お金の話1_森口さんプロフィール写真

「26歳から30歳手前ぐらいまでは飲食店の調理担当や引越し作業員など、職を転々として。貯蓄はほとんどないし、絶望のどん底にいたんです。そのころ出合ったのが『お金の大事な話〜「稼ぐX貯まるX増える」のヒミツ〜』という本でした」

それは、森口さんと同じく元美容師の泉正人さんが書いた著書。お金をつくり出す「考え方」や「発想」が載っていました。「自分もとにかく動き出そう!」と、同氏が設立した株式投資スクールの日本ファイナンシャルアカデミーに入学。本格的に投資や資産運用について学びはじめ、自身の家計を見直すことで人生が好転していったそうです。

世の中のすべては投資でできている

投資の未経験者や初心者は、投資は「ギャンブルみたいで怖いもの」と考えているひともいるかもしれません。でも、森口さんは言います。「世の中にあるものはすべて投資でできています。

例えば、企業が大金をかけて(投資)工場を建てて車をつくり、誰かがそれを買う。車の代金には利益が含まれていますから、企業はお金を増やすことができます。そのお金で工場を拡充(再投資)し、さらに多くの車を生産する。商品やサービスはほとんどすべて、このサイクルを回すことでできています」

投資を知るということは、自分をとりまく社会がどのように動いているのか、その仕組みを学ぶこと。生きていく上で非常に大切だということがわかります。

お金の話2_社会は投資でできている

はじめての投資はリスクコントロールがしやすいものを

では実際、何から投資をはじめればいいか。森口さんは「投資にはいろいろな種類がありますが、1番大切なのはそれぞれのリスクをしっかりと理解すること」だと力説します。「リスクとは『不確実性』のこと。リスクをとればそれだけ収益をあげられる可能性が高まりますが、損をする確率も同じだけ上がります。このことをわかった上で、リスクコントロールすることが必要です。まずは自分が理解できるもの、かつ金額が大きくないものを選びましょう」

お金の話3_はじめての資産運用のおすすめ

そうした観点から、一般的には上記リストの①、②が初心者にはおすすめだそう。

インデックス投資とは、日経平均やダウ平均といった株価指数に連動する投資信託を購入すること。この積立型なら「投資先を分散して長期にわたって積み立てるので、リスクは比較的低いと言えます。年利平均3〜5%で20年積み立てられれば資産は着実に増えるはずです。この資産がベースにあると考えられれば、残りをインデックス投資よりリスクの高い個別株式投資などに当てることも可能です」

「②の日本の個別株は『わかりやすい』ことが特徴。国内企業の商品やサービスは体験しやすいですし、1株1000円以下の安い株もあり、10万円以下から投資が可能です(※基本は100株単位で購入)。使う金額をコントロールしやすく安心感もあります」と森口さん。

「いまはアメリカ株も安い手数料で買えるようになりました。ただ、決算やその企業と業界の動向を知るためのニュースなどを英語で読むのは大変。ですから、英語が得意なひと以外には、やはり日本株からはじめることをおすめめします」とのことでした。

家計の見える化で無駄を省き、資産運用の資金を増やす

ブレないようにしたいのは、投資をする目的。森口さんは「短期的なもうけを考えるのではなく、長期的な視点で生活を上手に少しずつ豊かにしていくことを考えた方がいい」と言います。

そのためには、支出を見直すことがなにより大事なんだとか。「高い通信費、入ったのに利用していないサブスクなど、ぜんぶ見える化して何が本当に必要なのか判断するんです。とくに月々支払う固定費は、よく見極めて断捨離しましょう。

そうやって減らした支出は運用資金に回します。ちょっとの金額でもコツコツ貯めておけば、急に株式市場が好転したときにもタイミングを逃すことなく投資することができますから」

お金の話4_ビジネスを知れば人生がひらける

お金だけじゃない、投資をはじめるメリット

森口さんが投資をおすすめするのはお金だけが理由ではないと言います。その真意をおうかがいすると「僕は株をはじめたことで、世の中に対する興味がすごく広がりました。たとえば半導体株が良いと聞けば、半導体そのものについてや業界の動向、個別企業の業績、関連業界までとことん調べ上げる。そうやって一つずつ詳しい分野が増えていくことで、大きな視野で社会を見られるようになりました」

そして、株をはじめた1番のメリットは「ビジネスを学べたこと」だったと森口さん。「株式投資とはまさに『ビジネスに投資する』こと。売上、利益、財務、会計という定量的なものから、ひとの教育など定性的な要素まで学ぶことになります。それらを理解できたことで株式投資の成績が上がるだけでなく、自分が個人投資家としてYouTubeやnoteマガジンなどに事業展開していくさいにも非常に役に立ちました」

株を通じてビジネスを学び、人生が広がる。「株でもうけたお金は、株の暴落で失ってしまう場合もある。でも、得た知識や経験は一生モノ」という森口さんの言葉が印象的でした。

まだ注目されていない成長株を見つけるコツ

一晩で『四季報』を読破する「四季報ナイト」を実施している森口さん。その意義は「全上場企業を網羅できるので、相場感をつかむことができる」ことと「3ヶ月ごとの発売日に読破することで経済全体の変化を感じ取れる」ことにあるそう。そのうえで、まださほど注目されていない、今後業績が上がりそうな企業を探すと言います。「株には、市場の期待値を表すPERという指標と、企業の業績を表すEPSという指標があります。このどちらも上がったとき、もしくはどちらかが飛躍的に上がったときに株価が上がります。指標の推移を見ながらよいタイミングをつかむのが大切」と教えてくれました。

ただしこれは森口さんいわく「宝探しのようなもの」。大きなリスクをとるのはあくまでも全資産の一部にとどめ、確実性の高いインデックス積立投資のようなベースがあったうえで行った方が良いとのことでした。

最後に、視聴者からの質問にお答えいただきました。

視聴者からの質問①
投資のために習慣にしていることは?

「早起きです(笑)。4時台に起きてアメリカ株の動向を確認し、テレビ東京の「Newsモーニングサテライト」を観ます。それから、Voicyで「ながら日経」 を聴く。

この習慣でいちばん価値が高いと考えているのは、アウトプットを前提にインプットできていることです。僕はYouTube『毎日チャート分析ちゃんねる』の配信と、月額1000円のnoteマガジンの発行をしているんですが、質のいいアウトプットのためには本気でインプットしないとなりません。

視聴者の方々は、自分には『アウトプットなんてハードルが高すぎてできない』と思うかもしれませんが、やってみたらいいんですよ。別にそれでもうけようと考えなくてもいいのです。でも、もし少しでもお金がもらえるようになったら、気持ちの余裕ができますよね。メンタルの状態は投資の成績に直結するので、みなさんもチャレンジしてみたらいいんじゃないかなと思います。

視聴者からの質問②
 株を売るタイミングを教えてください

「買った理由が崩れたら売ればいいんです。例えば『業績がいい』という理由で買ったなら、3ヶ月ごとの決算で数字が思ったほど伸びていないと感じたときには売ればいい。

売り時がわからないというひとは、買った理由があいまいなことが多いですよね。買う前にそこを明確にして、メモで残しておくことをおすすめします。

一方で、長期で保有しておくつもりの株は、売り時を考えなくてもいいと思います。ただ株は売ってすぐ買い戻すということが可能ですので、ちょっと不安になったら1度売ってみるのもありですね。少しの間距離をおいてみると、その株の良し悪しが前よりもよく見えてくることがあります」

お金の話5_笑顔の森口さん、エンディング

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具体的な銘柄の選び方や分析方法については、森口さんのnoteや定期購読マガジン「個別株をとことん分析するマガジン」に実例つきで詳しく掲載。週に1銘柄以上をピックアップし、詳細な銘柄分析を行っています。初月は無料となっていますので、ぜひご覧ください!

今回はまだ投資をしたことがないひとや初心者の方々に向けて、投資の魅力について教えていただきました。でも、森口さんも言っていたように、投資にはリスクがつきもの。きちんとリスクを理解したうえで、自己責任で行うようお願いいたします!

text by いとうめぐみ

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