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「イベント業界のSalesforceを目指す」-EventHub創業者・山本が語る会社のこれまでとこれから

(この記事は、2020/10/20に公開した記事の転載です)

イベント効果を最大化させるイベントマーケティングツール「EventHub」を運営する株式会社EventHubでは、現在一緒に働くメンバーを募集しています。そこでEventHubで働くメンバーのことをお伝えするため、社内ブログをスタートすることにしました。第一弾となる今回は、EventHubの創業者であり代表の山本理恵に、創業の背景や組織の今、EventHubの未来について聞きました。

<プロフィール>イギリス生まれ、アメリカ・日本育ち。米ブラウン大学経済学部&国際関係学部卒業後、新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニー サンフランシスコ支社に入社。医療、金融、パブリックセクターの戦略立案・コーポレート・ファイナンスプロジェクトに従事。在籍中に出向制度でTeach For Japanで出向することを機に日本へ。マッキンゼー退職後はゲームベンチャーの新規事業立ち上げや宇宙ベンチャーの海外マーケティング をフリーランスとして担当。2016年に株式会社EventHubを設立し、「EventHub」を2018年から提供開始。


起業が当たり前のカルチャーで過ごしたので、起業することに何の違和感もなかった


ーEventHubを起業したきっかけを教えてください。もとから起業に興味があったんですか?
まずは私のバックグラウンドからお話させてください。イギリスで生まれアメリカで育った私は、新卒でコンサルテイング会社のサンフランシスコ支社に就職しました。今から10年ほど前ですが、当時からサンフランシスコは起業家やベンチャー企業で溢れていました。それこそ友人に誘われてホームパーティーに行くとlyftの創業者がいるなど起業はリスクではなく賞賛される文化の中で社会人生活をスタートさせました。数年後日本にきてしばらく時間が出来たときも、フリーランスとしていくつかのベンチャー企業のお手伝いをするなど、自然とベンチャー業界に吸い寄せられました。ベンチャー特有のオープンマインドや意思決定の早さが自分に合っていたんだと思います。
こういった背景もあり、自分にとって起業することは特別なことではなく自然発生的なことでした。事業のアイディアを少しずつ考えることと同時並行で、フリーランスとして日本企業の海外進出や米国企業の日本進出を手伝う仕事をしていました。その時よくカンファレンスや展示会に参加したのですが、日本と海外でのカンファレンスでは成果が全く異なることに気づいたんです。海外のイベントでは、テクノロジーの力を用いてマッチングが有効に行われているので会ったときには名刺交換以上の有意義な話し合いやパイプが出来ることが多かった。実際に協業や次のミーティングに繋がることが多いんです。でも日本だとようやくその場で話す人と出会い、名刺交換で終了。そこから話が進むことのほうがレアでした。こういった経験をしたことで、徐々に「イベントマーケティングツールを日本でもっと発展させたい」と思うようになり、この分野でのビジネスを考えはじめました。

ー共同創業者である井関さんとの出会いを教えてください。

井関は友人の紹介です。自分が起業するときには、まずはプロトタイプ作って少しずつ改善出来るような仕組みにしたかったので、実際にプロダクトを作れるメンバーを探していました。2人で「作っては壊し、作っては壊し」のPDCAを回していた期間が長かったですが、いま振り返るとあの時期があったからこそ強い関係性が築けたと思います。たくさんケンカもしましたけど(笑)。でも1人だと絶対続かなかったなとも思うので、共同創業という道を選んで間違いなかったと思います。

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コロナで契約社数が0に。オンライン化に即座に対応したことで、事業が急成長


ー2018年からサービス提供を開始したEventHubというサービスについて、詳しく教えてください。
サービスリリース後、少しずつ利用社数も増え成長を実感していました。ところがコロナ流行の影響でオフラインイベントが続々と中止。今年2月下旬の時点で新規受注が0、既存アカウントも全て解約という状態に陥りました。今思い出してもゾッとしますが、本当に良かったのは2月中旬の時点でオンラインイベント管理に舵をきったこと。2月中旬というとまだ国内はそんなに逼迫した状況ではなく、横浜港に停泊したクルーズ船がニュースになるくらいでした。この段階で、「1年以上コロナの影響が続く」という仮説を立て、どこよりも早くオンラインイベントに対応するサービスを開発し、顧客拡大を狙いました。2月にはβ版をリリースし、4月に正式版のリリースというスケジュールです。

ー早い段階から「最悪のシナリオ」を想定することによって開発スピードを高め、他社より先駆けてサービスをリリースすることが出来たんですね。
そうですね。この決断は功を奏し、結果としてコロナ前の時期と比べ、事業が大きく成長しました。最近ではチケッティングサービスやオンライン名刺交換機能など、オンラインイベントをよりスムーズに行うための機能を順次リリースしています。

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この半年で働く人数も倍以上に成長。全体目線を持った、立ち上げ好きなメンバーが集まっている。


ー会社のメンバーについて教えてください。
現在業務委託とアルバイトも含めると、メンバーは23人です。オフィスも今年9月に馬喰横山に引っ越しました。オンライン対応をしたことで急激にサービスが伸び、4月時点では10名強しかいなかったため、この半年でメンバーも2倍に増えました。

ーEventHubで働くメンバーの特徴を教えてください。
全体目線を持った事業を俯瞰して見ることができる、立ち上げが得意なメンバーが多いと思います。理由としては、前職でもスタートアップの立ち上げを経験していたり、大手企業で活躍していた人たちが裁量権を求めて入社しているケースが多いからだと思います。みんな自分で考えて行動できる人が多いので、私が指示出しする場面は多くありません。また、営業マネージャーがマーケティング経験がある、カスタマーサクセスメンバーに開発経験がある、など多様な部署を経験したことがあるメンバーが多いので、自分の領域以外でも意見があったら言うし、事業全体を俯瞰して見てクロスオーバーで業務にあたるメンバーが多いです。

ー創業から今までを振り返ってターニングポイントはありますか?
やはり大きなポイントは、今年2月に新規受注が0になりサービス方針を大きくオンラインに舵を切ったことです。でも同じくらい「Salesforceの浅田さんからメッセージをもらったとき」だと思います。

ーそれはなぜですか?
サービスや会社のステップが1段上がったと実感出来たからです。浅田さんとの出会いをきっかけに昨年Salesforce Venturesから資金調達を実施させて頂きました。実は私は資金調達は比較的慎重な考えで、それまでは自己資本や融資で事業を回していました。そんな中浅田さんからご連絡をいただき、自分たちの領域に対する課題に共感いただきました。サービスとの親和性を鑑みてもこれ以上ない出会いだったと思います。

将来は海外展開も視野に。ダイバーシティを担保しながらプロダクトドリブンな会社を創る


ーこれからEventHubをどんな会社にしていきたいですか?
大きく3つあります。1つ目はプロダクトドリブンな会社。イベント業界は良くも悪くもアナログで、テクノロジーの活用よりも人のオペレーションでカバーすることが多い業界ですが、弊社はプロダクトやテックタッチで課題解決できるところは解決する、テクノロジードリブンな経営をしたいと思っています。そして2つ目は、日本のおもてなしの素晴らしさを自分たち流にアレンジしたサービスを創ること。先ほどの話とも繋がるのですが、日本のサービスっておもてなしやホスピタリティはすばらしいのですが、ともすると提供側は疲弊している場合もあると思うんです。SaaSプロダクトは海外の事例をみるとライトサポートな場合もあるんですが、日本だと相対的に手取り足取りサポートすることがスタンダードになることも多い。このあたりは日本のいいところを残しながらも、世界基準で考えていける会社になりたいです。3つ目は、ダイバーシティを担保した会社にすること。最近面接をさせて頂く機会も増えてより思うのですが、(もちろん、男性もですが)本当に優秀な女性が多い。こういった方が活躍できる会社にしたいですし、将来の海外展開を考えると外国籍社員も徐々に増やしていきたいです。

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ーサービスとしてのEventHubは、今度どうしていきたいですか?
今でき始めていることとして、「セミナーやイベントをスムーズに開催できる」「サービス利用者に良い体験を提供できる」ということがありますが、これはまだ点であると思います。今後はこの点と点をつなげて、より中長期的に付加価値の高いサービスを提供したいと思っています。特にイベントがオンラインに切り替わったことによって、行動データが格段と可視化しやすくなりました。弊社のサービスを利用してくださっている企業様は、単発ではなく定期的にイベントを開催するケースも多くあります。こういったお客さまに、よりCRM的に「こういった施策を行うと参加者の満足度は向上しますよ」といったアドバイスなんかも出来るといいなと思っています。目指すはイベント運営におけるSalesforceのようなCRMです。
またサービスの提供範囲として、今はまだ日本に留まっていますが、ゆくゆくはアジア展開も見据えています。特に東南アジアは日本と似ている部分も多く、われわれのサービスが提供できるメリットも大きいと思っています。そのためには、我々の思いに共感して頂き一緒に働くメンバーを増やしたいなと思っているところです。

ーどんな方と一緒に働きたいか、教えてください。
まだ立ち上げ期のフェーズなので、今いるメンバーも含め自分で考えて動ける人と一緒に働きたいです。すごく良いスピード感をもって動けていると思うので、人数が拡大して大きな組織になってもこのスピード感は残していきたいです。もう一つ重要なことは、フラットに自分の意見が言える人。良くも悪くも私はトップダウンのタイプのリーダーではないです。ディベート文化に囲まれて教育を受けてきたということもあって、自分の意見を押し通すよりも話し合うことでより良い結論を導き出したいと思っています。実際今も、沢山議論した後にはみんなで笑って飲みに行ったりしているので、その関係性を築いていきたいです。

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ーEventHubに入社するとどういった成長環境がありますか?
私が以前教育業界の仕事に携わっていたということもあり、「生涯教育」に高い興味があり、今後社員の成長やスキルアップの機会づくりに力を入れたいと思っています。例えば営業職で入社してもProduct Managementについて学べる機会があったり、英語学習プログラムに参加できるようにしたいなと考えています。そして何よりサービスが伸びている会社で、裁量が大きく自分で考えて働けることは社員の成長にも繋がると考えています。

ー最後に、この記事を読んでくださった方に一言お願いします。
弊社が提供しているサービスは非常に多面的であり、今後海外展開も視野に入れているので、とても面白いチャレンジができる場所だと感じています。サービス提供機会はオンラインもあるしオフラインもある。そしてお客さまも、利用者は企業(BtoBのSaaS)ですが、イベントの参加者というエンドユーザーもいるため、BtoCのプロダクト作りらしい側面もある。オンラインからオフラインに関わる、BtoB・BtoC両方の側面を持つプロダクト作りは非常にチャレンジングですし、やりがいがあります。
この1年で世界は大きく変わりました。この環境の変化にいち早く適応し続けることがこれから必須になってくると思いますが、弊社ではこうした環境の変化をいち早く捉えながら、サービス・会社・そして個人を成長させる環境が揃っていると思います。もし少しでも興味を持って頂ける方がいらっしゃればお気軽にご連絡ください。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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