ポルカドットスティングレイ「JET」新曲をリリース
Comprehensive Evaluation
ポルカドットスティングレイが、新譜「JET」をリリースした。同曲はジェットスター・ジャパンとのタイアップ曲とのことで、スタイリッシュに「気軽に旅に出たくなる」と言うイメージを体現した楽曲に仕上がっている。
本作では、ゲスの極み乙女。のちゃんMARIががキーボードで制作に参加していると言うこともあり、楽曲のアレンジやリズムの刻み方が今までのポルカドットスティングレイとは異なる様相を示している点は面白いポイントだ。今回のリリースの音楽評価の中では1番の注目すべき箇所となっている。また、ボーカルの零は、本作のMusic Videoで初のダンスを披露するなど、総合的な演出面でも新たな拘りを見せており、一つの作品としての完成度は高くなっているように感じる。楽曲のジャケットにも起用されているオレンジ色のブランドカラーも目を引くデザインである。
一方、スポンサータイアップ曲という条件もあってか、歌詞に込められたメッセージ性については心に響く内容が込められているとまでは言えないと評価した。どこか「造られた」感じが否めないスポンサー感を多分に含んだ表現やMusic Videoでの演出が見られた点は、良くも悪くもだが、視聴者を心情的に惹き付けて離さない様なレベルではない様に感じた。
Good Points
ポルカドットスティングレイの新曲「JET」で最も評価できるポイントは、今までにはない軽快かつキーボードも起用したアレンジ(編曲)だろう。
恐らくスポンサー側からの楽曲制作に関する要望を汲んでのアレンジ構成なのかと思うが、今までのポルカドットスティングレイの楽曲の方向性に沿っている様で新しい印象を本作からは感じることができ、1度の視聴でも狙い通りの爽快感や軽快感といった印象を抱かざるを得ない程のアレンジの完成度と言えるだろう。
また、本作のブランドカラーとなっているオレンジ色も上手く楽曲のイメージを構成するポイントとなっており、インパクト勝負という側面も強いシングル曲においても、その存在感を放つ新譜と言える。これはマーケティング的な戦略かも知れないが、ポルカドットスティングレイは、毎楽曲で方向性を振り切った演出やジャケットデザインを取り入れてくるので、見ていて純粋に楽しめる点も視聴者の支持を得る要素なのだろう。
Bad Points
反面、歌詞からはユニークさは感じられない様だ。スポンサー楽曲という条件においての制作という事も多分に影響しているとは思うが、及第点を狙いにいったリリックと言えるだろう。悪くもないが、良くもない。路線としては間違っていないが、数日後にふとした時にもう一度聴きたいと思わせる様な、人の感動の琴線に触れる様なレベルではなく、印象に残りにくい歌詞だろう。
ポルカドットスティングレイとしてのブランディング戦略的には、楽曲は勿論だが、ビジュアル面での売り出し方も強く打ち出している様であり、それは確かに成功している。ポルカドットスティングレイと言えば、ボーカル零のキュートでどこか憂いげなルックスを支える男性メンバー。トータルとしてもバランスの取れたバンドグループだ。ただ、商業的な印象が強いのも事実だ。
今後、ポルカドットスティングレイと言えば、この曲。感動せざるにはいられない。という楽曲を聴きたいところだ。
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