最近の記事

夏の終わりと秋の始まりの間に

『金星の声』のリリースから1ヶ月が経った。 小淵沢でレコーディングをした日が随分遠くに感じる。 昨年『PIANO』をリリースしてから、すぐに構想とタイトルが浮かんで、『金星の声』というタイトルとそれに纏わるイメージに呼ばれるように、制作は一直線に進んでいった。 そして、とても良い作品がリリースできたとおもう。 砂丘での撮影も楽しかった。 音楽制作でのチームはもちろん、 アートワークで協力してくれた仲間たちへの感謝の気持ちも書ききれない。 だまさんは、紙のドレスに、遠くの人へ

    • 春へ

      ここ何ヶ月かのこと 2月末、小淵沢のスタジオで新作のレコーディングをした。 雪や木々に囲まれた、ロッジのような雰囲気のスタジオ。 泊まり込みでのレコーディングなので、容子さんとみずきちゃんがごはんをつくりにきてくれた。 おいしいごはんの力ってすごい。 アンサンブルのメンバーとせーので楽曲を録った。 窓から見える冬の森景色を眺めながらピアノを弾いた。曲の中にある景色だった。 良いものが録れてるとおもう。 3月、藤原季節さんとの『季節と朗読』公演。 題材は星の王子さま。 季節

      • 20230715 水 時間

        最近おもうこと あとから気づくことの多さ そのときに気づけない不甲斐なさ いつもちゃんとその時を実感していたい そうしていれば、その時しか伝えられない言葉も、もっとちゃんと生まれるだろうに。 このまえ川に遊びに行って、全身川に浸かりながら、 水はなにに似ているんだろう、 なににも似てないけど、きっと水は時間に似ているとおもった。 形なく流れていくもの。 (海をみたときの気持ちは、広大な時間の可視化のような、そんな感覚に近いようなきがする。) いつだって今が特別で、目の

        • 20230519 星と種

          大切な曲の、ピアノのレコーディングをした。 家を出たときに、たんぽぽの綿毛がどこからかいっせいに舞ってきて、良いのが録れそうだ、と思った。 何百年も前の星の光が、今この瞬間に届いていたり、そしてそれが歩くための目印になっていたり、 巡る季節の中で咲いた花は種を生んで、いつもあたらしい風がそれを運び、また根を張って育ったり、 そういう自然界の成り立ちは、文化や人の想いの継承に通ずるものがあるような気がしてしまう。 もちろん、星がみえない時も風が吹かない時もある。それでこそ、なの

        夏の終わりと秋の始まりの間に

          20230421 わたしのしらないわたし

          20年近く、ノートに日記を書いている。 日記といっても、気が向いたときだけに書く、その時、瞬間の記録ノート。 直筆の言葉の記録は威力がつよくて、読み返しているといつも感覚がすこしタイムスリップしてしまう。 活動10周年&リリースツアーも半分を越えたので、この10年を振り返ってみようと思って、先日久しぶりに過去のノートを開いてみた。 目線が変わる、というのは、とてもおもしろいことだとおもう。 今までも何回か読み返していたけど、ようやく当時の状況を俯瞰して捉えられることや、過去

          20230421 わたしのしらないわたし

          20230415 きろく

          さいきんのことの記録。 1週間ほど前、友人の写真家の女の子と 公園でいろんなことを話していた。 なんの会話の流れか忘れてしまったけど、 『手放そうと思っているうちは手放せていないんですよね』と彼女が言った。 その言葉がすーっと入って、ずっと残っている。 たしかにそうなのかもしれない。 手放す、ということができたときは、きっと気づいてすらいないんだろう。 ミュージシャンの友人とは、 最近は新しい風が吹いてるよね、という話をよくする。 季節が変わったからか、時が新しい色に光り始

          20230415 きろく

          抱き合う

          良いライブや演奏を目の前にするとふとした気づきがある。 友人のライブを観に行ったとき、共演者のとあるギタリストの方のギターの音が深く、やわらかく、包容力のある音ってなんて安堵感があるんだろうと思った。 わたしもそんな音や歌を放ちたい。 『抱きしめる』という日本語は、少し息苦しい。 抱きしめたい、というのは、本当は抱き合いたい、ということなのかもしれない。 ‘’抱きしめたい‘’と思うとき、‘’身を委ねてほしい‘’と思う。 ‘’抱きしめられたい‘’と思うときも、‘’身を委ねたい

          抱き合う

          さいきんのいろいろをぽつぽつ

          2022年、12月。 最近の色々をぽつぽつと書いてみる。 / 先週、熊本にいる母方の祖母が亡くなった。 94歳。 知らせを受けた朝、そういえば変な夢を見たなと、その日見た夢のことを思い出した。 幼い私と妹と、おそらくらまだ若い頃の父と母がプールに入っていた。 旅行先なのだとおもう。 広くて大きいプールの底、水の中で わたしと妹は何種類ものパンをばくばくと食べていた。 どれもとても美味しくて、中でも、クリームパンがとても美味しかった。 いままで食べたクリームパンでいちばん

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