私は母と同居している。
彼女は旦那aka私の父に全ての人生を捧げていた。
父が亡くなって4年が経つが彼女の精神状態は安定してきた。
父の死後彼女は旅行に行けてない。行くとしたら彼女の実家でそれも母の父aka私の祖父の面倒を見るだけの用事である。
そもそも父の生前も父が精神病や白血病を発病してからほとんど旅行に行ってないのではないだろうか。
父の生前に遺された最後の日記には、奥さんaka私の母への心配の言葉のみが遺されていた。

内容は、彼女が心配であるということ。これまで一度も自己主張をしていない。自己主張しないと、精神病になる。私がいなくなって、精神を病まないだろうか。もっと感情を出してほしかった。わがままにならなければいけない場面でも他人に合わせていた。
といったような内容。

父が亡くなった後、父の母aka私の祖母の養子に母はなった。
父の姉や妹と正式に?姉妹になったわけだが、夏休みは親戚たちは夫婦で旅行にいくなか、彼女は田舎にしか帰らない。

冷蔵庫に貼られたカレンダーにそう書いてある。

母が子どもの頃の写真を見たことがある。
家の前で姉aka私の叔母さんと2人並んで笑っている写真。
その30年後、まだ5歳の私にこう告げる。
私は自分を殺して生きてきた。

あなたは今でも自分を殺して生きている。
自分を解放する方法を知らない。

知らぬ間に死んでいく。
お母さん、もう自由に生きて死んでいったら?と提案したことがある。

お父さんにもそう言われたんだけど、それってすごく面倒くさいことなのよ。と返された。

そうか。確かに自由ってすごく面倒くさい。

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