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「環境に甘えない、真の個人の力をつける。」若くして執行役員を担うオープンエイト原沢 悠 氏の挑戦と難易度のアップデートとは

5Gの急速な発展により、世界では情報発信は紙からデジタルへ、静止画から動画へと変化してきている中、日本企業の動画活用率は約2割にとどまり、内製化率では米国の8割に比べて1割と遅れをとっている。その課題に対して、ビジネス動画編集クラウドVideo BRAIN、動画配信結果分析・効果検証サービスInsight BRAINでアプローチする株式会社オープンエイト。同社の執行役員として活躍する原沢 悠(Yu Harasawa)氏のキャリア形成および企業選択の軸に迫ります。

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“ニューエリートをスタートアップへ誘うメディア” EVANGEをご覧の皆さん、こんにちは。フォースタートアップスのEVANGE編集チームです。

私たちが所属するfor Startups, Inc.では累計650名以上のCXOを含むハイレイヤーや経営幹部クラスのご支援を始めとして、多種多様なエリートをスタートアップへご支援した実績がございます。

EVANGEは、私たちがご支援させていただき、スタートアップで大活躍されている方に取材し、仕事の根源(軸と呼びます)をインタビューによって明らかにしていくメディアです。

原沢 悠(Yu Harasawa)
獨協大学経済学部卒業後、2014年にサイバーエージェントに新卒入社し、インターネット広告事業本部に配属。Google/Yahoo!のコンサルタントとして、最優秀新人賞を受賞。2年目はマネージャーに昇格。3年目は国内最大手のアパレルEC企業などのコンペをリードして勝利に導いた後、20代でサイバーエージェント営業局長に就任。2018年1月に株式会社オープンエイトへ入社し、2018年10月に執行役員に就任。


「AI×SaaSであらゆる企業の情報流通戦略の成長ドライバーとなる」オープンエイトの事業内容とは

-- 本日はよろしくお願いいたします。まずは、オープンエイトの事業内容と原沢さんの役割について教えていただけますか?

オープンエイトは、自然言語処理とコンピュータービジョンを中心とする独自のAI技術を開発し、アルゴリズム・ソフトウェアモジュール群からなる "OPEN8 CORE TECHNOLOGY" を保有するコンテンツテクノロジーカンパニーです。

「AI×SaaSであらゆる企業の情報流通戦略の成長ドライバーとなる」ことをコンセプトとし、SaaS事業およびAPI/MLaaS(Machine Learning as a Service)事業を展開。タクシーCMなどでお馴染みの、ビジネス動画編集クラウド『Video BRAIN(ビデオブレイン)』を提供し、企業活動における動画活用のDX推進をサポートしています。

Video BRAINは未経験者のために作りこまれた操作画面で、まるでパワーポイントを使う感覚で動画を簡単に作成することができ、業界問わず多くの企業に導入いただいています。また、SNSの成果を可視化する企業向け配信分析ツール『Insight BRAIN(インサイト・ブレイン)』とあわせて活用いただくことで、動画コンテンツの企画・制作・配信・分析をワンストップで実行することができます。

私は執行役員として、Video BRAINの事業拡大における施策推進のため、プロダクトの立ち上げ当初からセールスマーケティング領域、カスタマーサクセス領域などと多くの領域を牽引してきました。現在は、カスタマーサクセスの管掌役員として主にCS領域を担っています。

実力不足を痛感。絶えない挑戦のトリガーが生まれる

-- 若くして執行役員としてご活躍されていますが、今の原沢さんを形づくっている過去のご経験などを教えていただけますか?

高校時代の部活の経験が大きかったかもしれません。当時、インターハイで優勝するほどの強豪校であった前橋育英高校のサッカー部に所属していましたが、私は日本代表に選ばれる同年代に埋もれて試合に出場することすらできずにいました。そこで自分の実力不足を痛感した悔しさがバネになっています。

そして、この経験から自分の視座が一気に引き上がりました。どれだけ優れたコミュニティに居ても、自分の実力が伴っていないとチャレンジの機会すらない。優秀な人との差分が見えたことで、もっと上を目指さなければと感じましたし、上にいくためには挑戦を繰り返すしかないと強く思いました。

-- 視座が一気に引き上がり、挑戦の重要性を強く感じたということですね。

はい。新卒の就職活動でも「挑戦」は1つのテーマで、若いうちから挑戦ができる環境があるかを重要視していました。

若いうちから挑戦ができるためには、業界そのものにイノベーションが起きようとしているタイミングで、その中でも新しいルールを創る企業かどうかが大事だと考えています。そのような環境では、年齢関係なく挑戦をすることが求められるためです。そのため、就職活動でも新しいルールを創るインターネット産業に注目をしていました。

狙っていたサイバーエージェントへ。「仕事ができない」挫折を味わう

-- そのような中、新卒でサイバーエージェントを選ばれていますよね。

はい。インターネット産業で新しいルール創りをしていくこと、その中で若手にも挑戦機会を渡してくれること、私が大事にしていたこの2つの軸をとてもわかりやすく満たしていたので、サイバーエージェントに惹かれました。

ただ、それまでサッカー一筋で大学も指定校推薦で入学し、いわゆる一般教養を学んでいないことから、学歴フィルターでストレートにサイバーエージェントを受けられるとは思っていませんでした。

しかし、どうしてもサイバーエージェントで挑戦したいと思い立ち、少なからずキャンセルが出て空きがあるだろうと、ダメ元で説明会に足を運んでみたことが功を奏して、選考に進み内定をもらいました。

-- 大きな挑戦権を得た就職活動だったと思いますが、実際に入社されてみていかがでしたか?

最初は全く仕事ができませんでした。当時、サイバーエージェントで1番小さい案件を担当していたのですが、「この案件でクレームをもらうなら、任せられる仕事はない」と言われたことを鮮明に覚えています。

-- 1年目に新人賞を受賞されていますが、「仕事ができない」という苦労をどのように乗り越えられたのでしょうか?

意識していたのは2つです。1つは、仕事ができないうちは、自分の考え方にこだわらないことです。前提として、人間に明確な能力の差はないと思っています。ということは、できていない時は自分の思考のプロセスが間違っているだけと気づき、「できる人は何を考えているのか」を徹底的に模倣し、実践していきました。

もう1つは、全体の構造を理解し、一つ一つ実行していくことです。例えばサッカーにおいても、まず試合に出る前にルールを理解します。理解した上で、まずはパスすることを習得し、その次にシュートを習得していく。仕事においても同じように、ビジネスの構造を理解して、とにかく一つ一つ愚直に実行していきました。

新人賞をいただくことはできたのですが、今の「結果」よりも、その結果を出すための「過程を構築すること」の方が大事だと学びました。もちろん、最初は結果は出せなかったですが、「この時間の使い方をすれば、必ず結果が出る」と、自分で自信を持てる過ごし方ができるかが大事だと思います。

若くしてマネージャーへ。その辛酸をなめる

-- その後、2年目からマネージャーに昇格されていますよね。振り返ってみて、いかがでしたか?

正直、辛かったですね。マネージャーに昇格してはじめて、人がどうやったらモチベートされるのか、マネージャーとしてどのようにあるべきか、何もかもが分かりませんでした。その上、「原沢さんと働きたくない」「原沢さんが上司なら、辞めます」と言われたこともありました。

-- 今のご活躍からは全く想像できませんが、どのように乗り越えたのでしょうか?

はじめは、内発的動機付けと外発的動機付け、エニアグラムとストレングスファインダーなど、人をモチベートするための基本的な考え方や手法を徹底的に調べました。ただ、結局一番重要なのは「その人自身の人生と、会社の方向性を寄り添わせる」ことだと気付き、そこから大きく変わりました。

その人自身が何を大事にしていて、どういう人生を描きたいか。それらはこの会社であればどう実現できるのか。ここに徹底的に向き合ったことで徐々に乗り越えることができました。

-- マネジメント力を高めるためにロールモデルとなった方はいらっしゃたのでしょうか?

現在のサイバーエージェントでインターネット広告事業本部の統括をしている蜷川さんが私が新卒で入社してから退社するまでずっと上司でしたので、影響を受けています。

組織の方針を示しながら、一方でとにかく人に真摯に向き合うという部分がとても参考になっています。そこから、若いメンバーが多いサイバーエージェントという組織で業績が出るのは個の力ではなく、蜷川さんのようなリーダーが創る組織の力が大きいと学びました。

「このままだと、環境に甘んじるのではないか」評価されたことから生まれた強烈な危機感

-- たくさん壁を乗り越えたサイバーエージェントが原沢さんのビジネスマンとしての土台になっていると思いますが、振り返ると、どのような経験でしたか?

非常に良い経験を得られました。お客さんにはそもそも何を期待されていて、より大きな期待に応えるためには、自分の能力を上げながら組織づくりにもこだわらないといけない。色々な関わりの中でビジネスが成り立っていることを学び、ビジネスの面白さを追求したいと思えるような経験でした。

-- そんな良い経験をされていた、サイバーエージェントを離れようと考え始められたのは、どのようなきっかけからだったのですか?

「このままだと、環境に甘んじるのではないか」という強烈な危機感を感じたことがきっかけです。

サイバーエージェントには、若いうちから抜擢され、挑戦機会を与えてくれる文化があるのですが、私はありがたいことに抜擢していただいている実感もあったので、居心地はよかったです。

ただ逆にいうと、「会社に擁護されているな」という感覚がすごくありました。サイバーエージェントという冠もあり、ビジネスマンとして「本当に個人としての力はあるのだろうか」と危機感を感じたのです。

本当に力のある人材は、環境やその中での仕事を変えても活躍すると思います。サッカーのリオネル・メッシはどのチームでも活躍する。そういうビジネスマンになりたいと朧げながらに思ったことが、サイバーエージェントを離れようと思ったきっかけでした。

スタートアップに飛び込んだことで実感。「会社の生命線を支えるからこそ、真の自分の力が磨かれる」

-- 弊社代表の志水雄一郎よりご転職の支援をさせていただきましたが、当時の印象はいかがでしたか?

僕自身の話も聞いてくださったのはもちろんなのですが、それ以上に主語が「日本」だったのがすごく印象的でした。日本の未来を支えるには成長産業を支援しなければならない。個人としても、成長産業やスタートアップで活躍しなければならないとの話に、強く共感しました。私も、これから伸びていく産業の中で、新しく事業を興せるような人材になりたいと考えていたからです。

-- そんな中、オープンエイトを選ばれた決め手はどのようなものだったのでしょうか?

2つあります。1つは「これから伸びる市場かどうか」です。代表の高松(株式会社オープンエイト 代表取締役社長兼CEO)が、当時新規事業を「SaaS×動画×AI」で戦っていくと決めていて、まさにこれから伸びる市場だと感じました。サイバーエージェントで広告の業界の中にいながら、「動画」という手段がどんどん使われ始めていたことに気付いていたからです。

もう1つは「人」です。代表の高松を含め、オープンエイトには多くの魅力的なメンバーが集まっていて、共に掲げるビジョンに挑戦し、会社の柱を作りたいなと思えたのです。

-- 実際に入社されてみて、いかがでしたか?

常に一寸先は闇という状態の中で、自分が関わる事業が会社存続の生命線となるスタートアップでしかできない経験に面白さを感じています。

その過程においても、事業のグロースのために開発サイドと密に連携したり、ファイナンスの知識を身につけたり、サービスのプライシングに関わることが必要で、とにかく幅広い経験を積むことに充実感を覚えています。

また、携わることができる範囲が広がったことで、問いのサイズや抽象度が圧倒的に変わりました。例えば、「ビジネス動画編集クラウドをどう売ればいいのか」ではなく、「ビジネス動画編集クラウドでどうすれば売上No.1を獲ることができるのか」という問いです。ものすごく難易度が高いことですが、ものすごく楽しいです。

-- 執行役員としてご活躍されている今も、「挑戦が楽しい」という感覚は変わっていないですか?

もちろんです。仕事にゴールはないと思っていて、執行役員になったことも決してゴールではなく、通過点にしか過ぎない。まだまだやるべきこと、挑戦したいことで溢れています。

-- 大企業にいる方にスタートアップで働くメリットを教えてください。

大企業だと、なかなか「事業を作る経験」は得られないと思います。そして、事業を作るためには部分最適ではなく、全体最適にならなければならない。全体の構造を理解しなければならない環境にいることで、結果的にさまざまな人の視点で物事を考えられるようになり、個人として実力がついていきます。

大きな旗を掲げられる仲間と共に。これからの展望とは

-- 今後原沢さんが取り組まれたいことについて教えてください。

事業をグロースさせる、その最前線に居つづけたいです。今の事業がより幅広いユーザに使われていくことで、「もっとこれがあった方がいい」にたくさん出会うと思います。それらを新しい事業として立ち上げ、グロースさせていく。シンプルですが、これが僕が今後やっていきたいことです。

-- 最後に、原沢さんが今後どのような人と一緒に働きたいか、教えてください。

大きな旗を掲げて、挑戦する人と一緒に働きたいです。オープンエイトは、既存の業務をシステムに代替して効率化するよりも、新しい価値を日本に閉じることなく海外も含めて届けていくチームです。ただそれは、僕たち次第で実現できるかどうかの振り幅が大きく変わるので、今あるものに限定せず、もっと大きい旗を掲げて挑戦をする人と働きたいと思っています。

EVANGE - Director : Koki Azuma / Creative Director : Munechika Ishibashi / Writer : Takumi Kubota / Editor : Tomotsune Amuro, Koki Azuma, Yukiko Ishii / PR : Megumi Miyamoto / Photographer : Takumi Yano

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