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つまらない、人間

 要するに、今月も金がない。それで、友人に紹介されたキャバクラ黒服の求人に申し込んだ。すぐに採用されたのだが、問題はここからであった。恋人が烈火の如く怒り始めた。

 裁判の結果、わたしには有罪判決が下り、キャバクラの黒服はやめた。

 その旨を性懲りも無くペラペラと友人相手に喋りまくっていたのだが、開口一番に言われたのが、「お前、つまんなくなったな。」という一言であった。

 確かにわたしは、つまらない人間になった。

 今までと今を比較してみる。今までは、SNSで人を誹謗中傷し、ひとり孤独に暮らしていた。今は、友人もある程度いて、恋する人もいる。書いていて笑ってしまった。これでは、比較にさえならない。わたしは、ほんとうに、つまらない、没個性的な、薄っぺらい人間になった。

 無論ここで、それに対して何か批評を加えてやろうという気はさらさらない。ただそういう事実があって、わたしはつまらなくなった。ただそれだけのことが言いたいのであった。

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