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直接取引をするにしてもプロのサポートが必要

漫画『正直不動産』は不動産屋の裏側を描く。

不動産取引のからくりや不動産業界の悪習を知ることができる。


今回のテーマは『直接取引』。


中古戸建てを売りたいという売主が登坂不動産に訪れた。

黒須から仲介手数料が200万円を超えると聞いて売主は難色を示す。

売主は自分で買主を探して直接取引ができないか尋ねる。

法的には問題ありません。

正直不動産

売主はネットで調べればなんとかなるだろうとたかをくくる。

住宅ローンの申請には宅建士が作成した、売買契約書・重要事項説明書が求められることが一般的です。

宅建士以外が作成した書類では住宅ローン申請ができないことがあるんです。

正直不動産

黒須は直接取引のリスクを説明するが…


世の中ではフリマアプリが普及している。

若者を中心に直接取引への抵抗が薄れている。

それに乗じて不動産の個人売買サイトが出てきた。


執筆時点、主な個人売買サイトに掲載されている物件数はこんな感じ。

ジモティーは賃貸を除く売買の物件数をカウント。

一見、ジモティーの物件数が飛び抜けているが不動産屋の利用が多い。

その他のサイトは個人の利用に限定している。

全てのサイトを合算しても個人の利用は数千件だろう。

某不動産情報サイトに掲載されている売買物件数は500,000件。

個人間の直接取引が可能な物件数はその1%にも満たない。


ジモティーを除くと家いちばの物件数が多い。

その特徴を確認してみよう。

価格帯別の物件数はこんな感じ。

  • 0円〜100万円未満          136件

  • 100万〜200万円未満   104件

  • 200万〜1000万円未満 398件

  • 1000万〜1億円未満     230件

  • 1億円以上                   6件

大半が1000万円未満の物件。

廃墟のような物件も散見される。

手数料は成果報酬型。

基本料(8万円)と媒介報酬(400万円超の場合、1.5%+3万円)がかかる。

媒介報酬は通常の仲介手数料の半額。

掲載と商談はセルフサービスだがスッタフのサポートを受けられる。

商談成立後は物件調査、契約書作成、重要事項説明に対応してもらえる。

ちなみに、他の個人売買サイトは掲載の場を提供するだけ。

それゆえ手数料は0円から数万円。


個人売買サイトの物件数は少なく普及しているとは言い難い。

しかし、不動産屋に頼んでも断られるような物件の駆け込み寺にはなる。

特殊な物件を狙っている買主にとっては掘り出し物があるかもしれない。


直接取引は掲載、商談、契約を自力で進めなければならない。

上手く進めるためには知識と経験が必要だ。

特に契約を自力で進めるのは難しい。

契約書に不備があればトラブルが発生するリスクがある。

重要事項説明書がなければ住宅ローンの審査さえしてもらえない。

結局、プロのサポートが必要になる。

実際、多くの人が手厚いサポートを提供する個人売買サイトを選ぶ。


私なら直接取引をしないで信頼のおける不動産屋を探す。

仲介手数料をケチって大きなリスクを負いたくない。

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