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契約不適合責任の免責に対してインスペクションを実施すべき

漫画『正直不動産』は不動産屋の裏側を描く。

不動産取引のからくりや不動産業界の悪習を知ることができる。


今回のテーマは『契約不適合責任』。


中古マンションを購入予定の葛西が契約書のある部分を確認したいと言う。

それは『付帯設備部分について契約不適合責任を負わない』という部分。

嘘をつけない永瀬はまたもや…

この契約書に署名捺印してしまった場合、トイレの修理費は、買い主の葛西さんの負担になるんです。

正直不動産

この物件は水圧が弱くてトイレの水が流れにくいという問題がある。

売主はその問題を知るからこそ先の免責条項を入れてきたのだ。


契約不適合責任とは…

契約不適合責任とは、契約により引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものである場合に、引き渡した側に生じる責任をいいます。

たとえば、100個の傷のないリンゴを引き渡すとの契約であったにもかかわらず、これに反してリンゴが90個しか納品されなかった場合や、納品されたリンゴに傷がついていた場合に登場するのが契約不適合責任です。

同様に、雨漏りがしない中古住宅を購入する契約をしたにもかかわらず、引き渡された中古住宅が雨漏りしている場合にも、同様に売主に契約不適合責任が生じます。

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契約の内容に適さない不具合が生じた場合、売主が負う責任のこと。


例えば、契約書に設備の不具合について記載されていない。

にもかかわらず、不具合が生じた場合、買主は修理や交換を請求できる。

対して、契約書に設備の不具合について記載されている。

なおかつ、契約不適合責任の免責条項が入っている。

この場合、不具合が生じても買主は修理や交換を請求できない。


契約不適合責任の免責は売主に有利、買主に不利。

買主によっては免責に同意しないことも考えられます。

買主と交渉するためには不具合の内容把握と通知が重要です。(中略)

不動産の不具合を確認するためには、インスペクションの実施が有効です。

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だからこそ、売主と買主が認識を共有することが大事。

そのための手段としてインスペクションの実施が有効。

正直不動産の本編でも…

話し合いの結果、買い主の葛西さんが費用を支払って建物状況調査を行い、不備が発見された場合は、売り主の栗山さんが費用を支払い、修繕…

契約書には常識的な免責条項のみを入れて売買を行うことが決まった。

正直不動産

解決手段としてインスペクションを用いている。


しかし、売主の負担でインスペクションを実施する場合には注意が必要。

売主や不動産屋と検査業者が癒着している可能性がある。

買主の負担でインスペクションを実施したほうがいい。

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