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モジュラーシンセをはじめたいっ(7) 増えるモジュールと増える出力

故障してしまったMOTUのM4、本国へ返送処理完了しました。お金はかからなかったけどいろいろ疲れました。でもMOTUのテックサポートチームはまじでイケてます。普通ならサポートチケットを切ると責任の所在を確かにするために引き継ぎなんかがあってもたいてい担当者は同時には一人なんですけど、ここはチームでチケットをガンガン消化していくスタイルなのか複数のサポートメンバーからガシガシ書き込みがあって、サポートされているこちらとしてはディズニーランドでミッキーやドナルドなどキャラクターが総出で順繰りに挨拶しにきてくれるみたいな特別な気分でした笑

モジュールが増えました

Mutable InstrumentsのMarbles、それにdisting EXです。

モジュラーシンセの初心者向けの記事を読んでると「バランスよく」ってのが目につくんです。Beadsだけだとバランスも何もあったもんじゃないですが、それでもただBeadsに音を通してつまみをひねるだけでも楽しめるというのは他になかなかない特徴かもしれませんね。そこへMiniBrute 2sが来たことでシンセとしてのバランスは辛うじて保てるように。
LFO(電圧変化の波)やPitchCV(音程)やゲート(キーが押されている間スイッチON)をBeadsに送れるようになってグラニュラーのサイズ、再生ポジション、音程なんかも変えられるようになって、さらにBeadsから帰ってくる音をMiniBruteのENVに通せるようになったりとグッと表現力は上がってようやくシンセやってる感が出てきました。

次の一手ではCV出力をもっと自在にこなしてみたいっていうのがありまして、要するにもうちょっとCVを利用してモジュールをコントロールしてみたいというか。

それでMutable InstrumentsのBeadsに白羽の矢が立ったんです。
Beadsって何かというと、いい感じにCV/Gateを出力してくれる嬉しいモジュール(多分)です。Random Samplerっていう説明があって、これってBeadsみたいなやつでは?って最初思ってたんですが入力にオーディオ信号がなくて、何これさっぱりわからないやといろいろYouTube動画を見まくった結果、こいつはいい感じのCVとゲートを出力してくれるやつらしいと。
僕の浅い理解だとクロックかSyncの入力があってオーディオの入力がないモジュールって大体シーケンサーっぽい振る舞いをしてくれるんです。Marblesもクロック入力があってシーケンサーっぽいことができるみたいですが、本業はそういった規則正しいリズムから羽目を外しちゃうことで、このモジュールでいうところのサンプラーっていうのはCVやゲートの出力をサンプリングしてくれることみたいです。ともあれ、このモジュールと音が出るモジュールがあれば楽しめそうということでMarblesを選択。

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で、もう一つのdisting EXについては初心者のうちは必要なものがよくわからないからとりあえず思いっきり多機能なやつを買って試してみようと思った次第です(あとSpitfireの音源ついてるっていうのもありました笑)。ただ、いろんなことができすぎてまだ自分が使えるのはまだほんの一部。ひとまずはMarbleのGate入力を受けてドラムを出力してもらいます。

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こうして音が出てくるモジュールはBeads、disting EX、そしてセミモジュラーのMiniBruteという3つになりました。

さて、これらの音、どうしよう。

モジュールのオーディオ出力はどうまとめるのか

みなさんラックの中でミキシングして2MIXの状態に持っていってるのかそれとも外部のミキサーで仕上げているのか気になって、いろいろと muffwiggler を調べてみると単体のミキサーを使う人もいればラック内のミキシングモジュールを使う人もいるようです。ラック内のミキシングモジュールは大きく、ぼくが使っているラックは88HPで残りHPが半分になってしまったので外部のミキサーを使おうかなーと思ってます。

できればDAWにマルチトラックで取り込めるようにしてEQその他で整えたい。それでさらにいろいろと調べているうちに素敵な資料を見つけました。

この資料の中では

* モジュールからのオーディオ出力をそれぞれ直接外部へ送る
* 一旦出力をまとめてdb25という端子から専用ケーブルを介して外部へオーディオ信号を送れるモジュールを使う
* パラアウトできるミキサーモジュールをラックに配置してそれぞれのオーディオ信号を外部へ送る
* オーディオインターフェースモジュールをラックに配置してUSB経由で外部へ送る
* ADAT変換モジュールをラックに配置してADAT経由でオーディオ信号を外部へ送る
* マルチトラックレコーダーモジュールを使う

といった方法が紹介されていて、一番小さく始められるのはもちろん最初の「モジュールからのオーディオ出力をそれぞれ直接外部へ送る」という方法です。マルチトラックで録音するには入力端子がたくさんついたオーディオインターフェースが必要になりますね。ミキサーのなかにはオーディオインターフェースの機能がついていて、各トラックをパラでDAWに送れるものもあるようです。

自分もこの方法でオーディオ出力をまとめてみたいなと。

ところでモジュラーシンセのオーディオ出力はかなり大きくて、通常は+13dBuくらい、ピークで+20dBu弱ほどになるみたいなんです。
なのでこの+20dBuを入力可能なものを探す必要があります。もちろん各出力をアッテネート(減衰)することでこの問題をクリアすることも可能ですけど・・・ちょっと面倒。とりあえず各社の8ch以上入力可能なオーディオインターフェースをかいつまんで調べてみました。

Presonus Studio 1824c
+21 dBu (balanced, min gain)

Focusrite Clarett 8pre USB
+26dBu at minimum gain

Focusrite Scarlett 18i20
+22dBu (at minimum gain)

Zoom UAC-8
+21dBu (@0dBFS: TRS)

Zoom Livetrak L-12
+26 dBu (@ 0 dBFS)

MOTU Ultralite AVB
+24 dBu (digitally adjustable -96 to +22)

Tascam Model 12
+22dBu

Mackie Onyx12(発売前)
+22dBu

なんだ、調べてみたら案外大丈夫そうなんですね。この中で言うとTascamのModel 12が気になります。ただ、今度は机の物理拡張も必要に・・・

補足ですがDB25というのはTASCAMが作った規格で、この端子一つにつきオーディオチャンネルを8つまで伝送可能になっています。nw2sのIOモジュールでは出力特化型だと1つのモジュールから合計16ch分のオーディオ信号を2つのDB25端子を介して外部に送ることができます。ちなみに外部への出力はアッテネートしてくれる親切仕様。

フォーン端子用のブレイクアウトケーブルはこんな感じ

ミキサーの中にはDB25端子を持っているものもあって、そういったものを使うと両端がDB25のケーブルで直接接続できます。ただ数が少なくてSSLのSixやPlayDifferentlyのModel1やModel1.4など高額なものに限られます。オーディオインターフェースだとLynx、Apogee、MOTUの一部製品などもこのDB25端子を装備できるようですね。

ちなみにこのPlayDifferentlyのミキサーはRichie Hawtinも開発に携わっていたらしく、彼のYouTubeチャンネルによく出てきます。

あとなんか良さげだと思ったのがBastl InstrumentsのDudeというちっちゃなモノラルオンリーのミキサー。あいにくモジュラーシンセからの出力はアッテネートさせないと使えないみたいで残念でしたが、ちっちゃくてかわいい。

これRickyさんのチャンネルで紹介されていて、クラブはあんまりステレオ音響のこと考えて作られてなかったりするし、何より誰もステレオかどうか気にしてないよって言っててそうだよねと思ったり。

それにしても、どんどん考えることが増えていきますね。次回はモジュールをDIYする回です。たぶん。