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冷やしMacBook Pro、はじめました

もう夏が近く、グングンと気温が上がってきましたね。ということで暑さに弱いうちのMacBook Pro、今年も頑張って冷やしていきますよ!!

なにゆえ???

今メインに使っているのは2019 Intel Core i9 32GBモデル。定格2.3GHzのこのCPUは4.80GHzまで動作周波数を上げられるIntel Core i9-9880Hで、つよつよじゃんって思ってこのカスタマイズモデルを注文しました。

ところがThunderbolt3ドックやモニタ、ストレージを拡張しているとすぐに熱を持つんです。YouTubeみたりとか開発用のソフトウェアやDAWを立ち上げるだけでぐっと熱が上がります。で、CPUはそれを検知して動作周波数を下げて熱の発生を抑えようとします。サーマルスロットリングと呼ばれる動作でこの動作自体は正常。この季節、夏に向けて室内の気温がちょっと高くなってくると頻繁にサーマルスロットリングが発生します。

何が問題かというと放熱が追いつかないと動作周波数が思い切り下がって800MHzくらいになってしまうんです。そうなると動作はほぼフリーズ、Macで動作しているオーディオサーバプロセスもストップ、その後Mac自体を再起動しなければ音楽さえ聴けない状態になります。前まではこのオーディオサーバプロセスのみ再起動すれば良かったんですが最近はマシンごと再起動が必要です。
Wikipediaで調べてみたら20年前のPower Mac G4という機種のCPUが800MHzくらいで動作していたみたいです。もちろんコア数は違いますけど・・・。

部屋の温度が特段高いってわけでもないですが、大体室温が24℃超えてくると頻繁に悩まされるようになります。

実際のCPUの放熱が設計時と違っていてMacBook Proの放熱限界を超えてしまっているのでしょうね。Appleが業を煮やして独自のCPUに切り替えたのもさもありなんという感じ。
このプロセッサを積んだノートPCは他にもあってサーマルスロットリングについてはそんなにひどい話を聞かないのでMacBook Proでは当初の設計の放熱マージンを全て使い尽くしてしまったのでしょう。そこへThunderboltやGPUからの放熱もあって耐えきれなくなっている様子。

辛いのはこのサーマルスロットリングがオンラインミーティング中に発生してしまうとそれがおさまってもオーディオが聞けない状態となって再起動が必要なため、すごく困ります。他の人の時間を無駄にしてしまうので。

「これうまくいかないんですけどどうすれば」なんてオンラインミーティングで言われて、あとで確認すればいいのに自分のマシンでコード書いてうっかりビルド走らせて再起動が必要になるパターンが多いです。

さあ冷やしてまいりましょう

とりあえずどうにか冷やしてこの状況を耐え忍ばなければいけません。いろいろ工夫しました。

最初トライしたのは普通のUSB扇風機。ただうまく風が当たらなかったりで使い勝手が悪すぎました。次に筒状のファンを購入。サランラップとかアルミホイルの箱みたいな形をしていてMacの後ろから冷やしてくれるタイプ。ある程度効果あります。ただめっちゃ重い作業をすると風量全開でも足りません。

ということでネットの海に漕ぎ出して情報を漁ってきました。

* 左側のThunderbolt3ポートを使うと排熱に良くないらしいのでケーブル類は右側のポートを使う
* GPUを外付けにする

とりあえずThunderbolt3ポート類は全部右側に移動しました。ある程度は効果あるかな。でもビミョー。

次にGPUを外付け。これやろうと思って今年の年明けくらいから画策していたんですが、注文していたグラフィクスカードはこの半導体不足によって届かず、あえなくキャンセルになってしまいました。RadeonのRX5000シリーズって今でも在庫ないんですよ。
そこへ直近のBig SurアップデートでAMDのRadeon RX6800, RX6900が外部GPUとして使えるようになったとの知らせを受けて早速調べてみました。こちらなら在庫もあります!ただ10万円台オーバー、6900は20万円台!!たっか!!!ゲームしないんですけど・・・。

外部ファンだけで冷却最適化!

いちおう普通の扇風機使ったら風量たくさんだしいいんだろうなっていろいろ調べました。でも扇風機とMacBookの配置を考えるとどうにもうまいやり方が思いつかず、手元のUSBファンを使っていろいろ試してみてようやく冷却の最適化に成功した気がします。

* 自立する程度にMacbookを閉じて伏せる形で置く(クラムシェルモードだと排熱が良くないので全部閉じずに隙間を開ける)
* ディスプレイの初期設定で本体側ディスプレイを一番暗い設定に
* 本体の裏面とキーボード側に風が当たるように横の開口部からファンを当てる

このやり方が一番冷えます。本体裏面とキーボード側を同時に冷却できるのが良いんじゃないかと思ってます。ヤホウ!

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見た目はこんな感じです。
これでスルスル動いてます!あ、本体天面はポストイットとか貼るスペースとして活用できますよ。

外部のファンがなければ内蔵ファンは5900rpm程度で回転していたところ、このやり方だと2100rpm程度まで下がっています。

冷やせたものの

やってやったぜって思ったんですけどねー、カメラ使えないんですよねー、これだと笑
キーボードやマウス類は外付けのものを使っているのでカメラも外付けにしちゃえばいいんですけど。とりあえず今はオンラインミーティングの時だけ普通の姿に戻してファンを回しつつ使ってます。Zoomのノイズサプレッサーはそれなりに外部ファンのノイズを抑えてくれるので助かります。

抜本的に解決するには

この状態を脱却すべく外付けGPUに10万円半ばをかけるくらいなら大人しく新しくMacを買うのが良さそうです。別にPCでもいいんですけどXCodeが動いて欲しいので。

現状、Mac miniやMacbook Air、Macbook Pro、そしてiMacでは電力効率が高く大仰な放熱の必要がないM1チップが採用されたものがリリースされています。悩ましいのはもっと高機能なチップを積んだ機種も噂されている段階でもうちょっと待ったほうがいいのかもなというところです。

でも現行のM1 Mac miniで十分じゃないかとも思っています。
Appleが開発しているMac用の作曲用ソフトウェアにLogic Proというのがあって、ベンチマークを見るとMac miniもかなりいいとこ行ってるんです。

今使っているMacBook Proは「MacBook Pro 15 i9-9980h 8-core」と表示されている行ですね。スコア90。それに対してMac Mini 2020 M1 8-coreはスコア109と上を行ってます。MacBook Proはもちろんサーマルスロットリング起きてない状態のベンチでしょうから圧倒的。

ベンチマークに使われている音源など気になるところはありますが、これだけできてメモリを16GB、ストレージを1TBにしても15万円くらいと外付けGPUのグラフィクスカード買うのとそれほど変わらないんですよね笑
これならDTMでオケ音源などでメモリが足りない時だけVienna Ensemble Pro使ってMacbook Pro上の音源を扇風機回しつつ動かしてあげればいいかなと。

Mac miniにはカメラがついていませんが、既存のMacbook Proをオンラインミーティングの時だけ使うようにすればいいかなって思ってます(さすがにこれぐらい耐えてくれるはず)
もちろんカメラのついてるMacBook系を買うという選択肢もありますが、今は持ち出すことはほぼないし、いざとなればiPadもあるので必要ないかな。

次期OSになればUniversal Controlという機能で複数のデバイスを便利に使えるようになるとのことです。これができるようになるとiPadも含め、キーボードとマウスが一組で良くなるので使い勝手がかなり良くなりそうです。

気になるのはDTMで使う音源等のM1チップ対応。これについてはそのうちなんとかなるかなって。ぼくは曲作りが仕事というわけじゃないので現状でどうにかなります。ただSpitfireの音源とU-heのZebraというシンセは大好きなので早く対応してくれるとありがたいなー。

まとめ

MacBook Proは内臓ディスプレイの設定を一番暗い状態にするとなかなかいい感じに(いっそオフにできればいいのに)。さらにファンのあてかたを変えることで結構冷え冷えとなって巨大なプロジェクトのコンパイル&ビルド&オンラインミーティングにも耐えられるようになります。

もしなんらかの理由でこれからインテルCPU搭載のMacBook Proを買おうとしている人で外部モニタやストレージなどを利用してガシガシ拡張して使おうとしている場合には放熱についていろいろ下調べすることをお勧めします。外部ファンつけなきゃならないって相当ストレスだし、うっせーうっせーって感じ。
強い理由がなければすでに次のOSからインテルCPUでは動かない機能も入ってきそうなのでM1搭載モデルがオススメです!