eurekha@医学生

オーストラリアの看護師から医学生。急性内科病棟勤務、国際公衆衛生学修士課程中退。

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オーストラリアの看護師から医学生。急性内科病棟勤務、国際公衆衛生学修士課程中退。

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最近の記事

セリエ博士の”雑多”な実験

ハンス・ セリエ博士の「生命とストレス」を読んだ。この本には、ストレスの生命に与える影響だけが論述されているわけではない。現在、当然のように医学部で教えられている内分泌物質がどのように発見されたかがわかる。セリエ博士によって、内分泌物質とその機能、そして分泌器官の推定が、難解な実験手法を用いずとも、なんともシンプルで、ある種、時代背景も絡んだ”雑多”な実験(文中では、雑多な実験というタイトルで翻訳されている)により、証明されていた。それらの雑多な実験をいくつか紹介する。 副

    • Ms Brownとマリアーン

      あれは、私が3日目の夜勤の日だったと思う。60歳の小柄な、オーストラリア人女性、Ms Brownは、ベッド13のシングルルームに入室して長い。特発性肺線維症という病気で、NFR(Not For Resuscitaion)オーダーが出ている、つまり、心肺停止が起きたならば、蘇生はしてはいけない。彼女は、この病棟に入院して長いので、お部屋は彼女の好きな編み物や、家族との写真だったり、ブランケットがもう用意されていて、自分の小部屋さながらだった。夜勤の日、真夜中零時に、ヴァイタルチ

      • 30代からの医学部生活-課題と可能性-

        医学部2年次に入学してから早くも1年を過ぎ、無事3年生に進級した。成人になってから医学部に入ることの課題と可能性を綴る。 課題1  記憶力 医学部に入学して一番苦労すること、それは暗記量の多さではないか。2年次は、生化学、薬理学、解剖学、生理学、病理学、微生物学、解剖実習といった基礎医学を修める。解剖は一番大変で、筋肉の走行、どの筋肉がどの神経と伴走するか、位置と名称を大量にインプットしていく必要がある。特に、弊学は解剖実習中に口頭試問があり、解剖学の先生が詰問に答えられ

        • 豪州看護記録:Cの発音

          救命病棟から患者さんが上がってくる。 この患者さん嘔吐と下痢が続いて不整脈も出ているため、 CTabdomen(腹部CT)をとってから循環器内科病棟に上がってきた。 病棟到着後すぐまた吐き気と嘔吐を催していた。 バイタルは正常だが、吐き気がずっと続いているらしい。 CTabdomenの結果が気になるな、こりゃ。と思い、 担当の内科研修医 ルイーズにアプローチした。 私:「すみません、ルイーズちょっといい?」 ルイーズ:「うん、どうした?」 私:「救命から搬送

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        • 医療英語
          3本
        • 医学部学士編入
          4本
        • 豪州看護記録
          2本

        記事

          豪州看護記録:CCUの悲惨な夜

          豪州で7年くらい看護師してたが、CCUでの初めての夜勤は忘れられない。 CCU( Coronary Care Unit) 循環器内科集中治療室に看護師3年目で入職し、初めて4日連続で夜勤をすることになった。 病床は6床、二人の看護師で看護するが、一緒に働く先輩看護師は二次蘇生資格取得済でICU転職予定の優秀な看護師だ。初めての夜勤ではあるが安心していた。 それがこんな事態になると知らず。 私の担当した患者さんは、 ・50代女性  ・腹腔鏡補助手術中に心肺停止 ・

          豪州看護記録:CCUの悲惨な夜

          TOEFL・IELTS以外にOETという道があった。

          こんにちは。この記事ではOET(Occupational English Test)という 「海外で働きたい医療従事者向けの英語試験 」 についてOET運営サイトを調べた上で紹介しようかと思います。 OETとはどのような内容の試験なのか?以上のリンクで調査してもらえると詳細が分かると思いますが 「英語圏で医療専門職として登録、就職するために求められる英語能力」 を測る試験です。外国人医療職者は規定の英語試験をパスしないと、オーストラリアといった英語圏の病院において就

          TOEFL・IELTS以外にOETという道があった。

          医学部学士編入試験の準備で反省すること

          こんにちは、ここでは医学部学士編入試験の1年目の経験から、いくつか反省点を挙げたいと思い、書き記すことととしました。私は、オーストラリアで看護師として働きながら医学部受験を決意し、しかも日本の国公立医学部を目指すことにしました。「なぜ日本なのか」という点については割愛して、この記事では一年目の体験から失敗したことを振り返ることにします。 ① KALSの総合コースは受講すべきでなかった。日本に帰国して、医学部再受験、医学部受験、社会人受験というようなワードでネット検索し始めた

          医学部学士編入試験の準備で反省すること

          TOEFLやった方がいいよという話

          こんにちは、ゆうれか    です。  別に海外留学目指しているわけでもないし、  ビジネス英語だけできればいいやと思っている人にも 「TOEIC頑張んない方がいい」 と言い切ります。その理由を三つに分けて書いていこうと思います。 ①TOEICを頑張っては効率が良くない。私が受けてきた英語外部試験の難易度の実感なのですが、 TOEFL>>>IELTS>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>TOEICです。 TOEICってそもそもリスニングとリ

          TOEFLやった方がいいよという話

          オーストラリアの看護師がなぜ医学部へ?

          こんにちは、Eurekhaです。日本の医学部に合格し、来春の新生活までアパート探しなどの準備をしております。 私はオーストラリアの病院でずっと看護師としてやりがいを感じ、永住権も取れたし、収入も安定しており、充実した生活を送っておりました。それなのに、、、、 そんなYouは何しに日本へ?ですね。まず、日本の医学部ということより先にとにかく 『医学部に行きたい!!』と思ったきっかけがあり、それは オーストラリアの病院で働き始めてからの 先輩看護師の言葉、そして一緒に働

          オーストラリアの看護師がなぜ医学部へ?

          「面接体験記」〜滋賀医科大学〜

          こんにちは、ゆうれか です。今回は、2019年に実施された医学部学士編入試験、滋賀医科大学〜冬編〜をシェアさせて頂きたいと思います。 実際に面接で訊かれた質問を含みます。 滋賀医科大学はこの年に2度も編入試験を行って、私は年末に行われた試験に臨みましたが、なんと一次試験突破しておりまして正直びつくり。 生命科学は7割、物理化学は2割、英語は9.5割という所感。どうやって一次突破できたか本当に不明です。英語がTOEFL式だから英語で点が取れたのでしょうか。そうとしか考えら

          「面接体験記」〜滋賀医科大学〜

          医学部学士編入試験「個人面接」対策

          こんにちは、今回は私が医学部学士編入試験で行った 「面接対策」についてシェアしていきたいと思います。まだ最終合格して間もないので、大学側のことも考えて、合格した大学の名前は伏せさせて頂きます。※分かる人にはわかるでしょうが、、、、。 私の面接対策ですが、あくまで 「個人面接」を受けるためのものであり、集団面接や研究プレゼンが必須な大学の対策ではありませんので、ご了承ください。私は、 KALSが提供する別途の面接対策講座を一度も利用していません。 これらを受講できれば

          医学部学士編入試験「個人面接」対策

          英語苦手の低学歴ニートの私がTOEFL CBT213を取るまでに行った勉強。

          こんにちは、元オーストラリア看護師のEurekhaです。ここでは私が行った英語の勉強について話していこうかと思います。かれこれ、自分は20歳の時にTOEFL CBT213を取って海外大学に留学し、多種類の外部英語試験を受けてきてました。直近の外部英語試験ですと TOEFL 101   My Best Score 107(R:27 L: 28 S: 26 W:26)IELTS academic 7.0 (R:7.0 L:7.5 S: 7.0 W:7.0) TOEIC 960で

          英語苦手の低学歴ニートの私がTOEFL CBT213を取るまでに行った勉強。

          オーストラリアの看護師が日本の医学部に合格する話。

          みなさん、初めましてEurekhaです。 オーストラリアで看護師として働きながら猛勉強の末、 日本の国公立大学医学部に合格することができました。この記事ではざっくり私の医学部受験に至るまでの経緯を辿って行こうかと思います。すんごいざっくり言いますと、 都立高校卒業→アルバイトしながら英語勉強→オーストラリアの専門学校留学→看護学部に編入→シドニー郊外の病院入職→看護師としてキャリアを積む→日本にいったん帰国→医学部行きたくなる→豪州で非常勤看護師として働きながら1年勉強

          オーストラリアの看護師が日本の医学部に合格する話。