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ホニャララLIVE #028 長砂ヒロ(コンセプトアーティスト)

ある意味「神回」です

yujiさんからかなり序盤のタイミングで「神回」認定された回。これは確かに神回なんです。なぜならば、アニメーション制作の現場の最先端でかつ、ユニークな存在感を放つスタジオの中で、アートディレクターまで務めた長砂ヒロさんが、そのノウハウや思考、あるいは制作のリアリティを交えて、ほぼフルプレゼンテーションじゃん!というような内容を語ってくれているのです。

アニメーションの勉強をしている方や、興味関心がある方にも心からお勧めできる内容かと思います。あるいはストーリーや絵本を作るような方、感動とか感情に触れるお仕事の方、もちろん絵に携わる方にもおすすめ。というか概ね皆様におすすめ。

風の時代の作家

ご自身の経験に基づいた圧倒的な知見を、フリーで公開してくださるヒロさんは、いかにも風の時代の作家なのだろうと感じます。ちなみに、「風の時代ってなんだ!?」という問いをヒロさん自らyujiさんにしています。後半部分でその問いにyujiさんが答えてくださってますから、ご存知の内容かもしれませんが、そっちの関心もこの回のホニャララLIVEで満たすことができます。まぁ便利。

そもそもヒロさんは、実に風っぽい思考と行動の持ち主です。日本のアニメーション制作の現場で働いていた頃に、当時ピクサーで監督をしていた堤大介さんを訪ねて、何のアテもコネもない中アメリカに行くのです。堤大介さんといえば、『トイ・ストーリー3』など世界中で公開される作品を手がける方ですから、超多忙だろうと思います。ところがたまたま堤さんのtwitterで見かけた、「インターン募集」(僕の記憶が確かなら)の投稿を見てコンタクトをとり、見事会うことができたとか。すごい。

しかも、ヒロさんから聞いた記憶では、インターンの件も確か明確な募集ではなく、「インターンとか募集しようかな〜」くらいの緩い投稿だったような。しかもその時点でヒロさんは英語が得意な訳でもなく、状況的には不利だったに違いない。にも関わらずその半年後には一緒に働いてるというのだから驚きです。

石段は歩いて超えずに、飛んで超える

そこからヒロさんのご活躍は凄まじい。アートディレクターというと、ある分野の責任を担う立場でもあります。つまりは「あなたに任せた!」ということになるわけです。「やりたい!」という情動に従ってここまで動き、実現してしまうエネルギーには尊敬の念を抱きます。

ヒロさんの視点は常に軽やかです。ある人が「こうでなければならない」という観念を持っている事象があるとすると、それとは真逆のアプローチで軽やかにその事象を超えていくような印象があります。いつだってそう。

堤大介さんが、その後設立をしたトンコハウスというアニメーションスタジオで、ヒロさんは仕事をするわけですが、憧れた現場に入ったかと思ったら、ホニャララLIVEご出演時にはすでに独立をされた直後でした。(※すぐに辞めたという意味ではありません)

大切なのは、ヒロさんはやりたいことを実現するために、どんどん動いている、ということなのだと思います。そして、そのポジティブなエネルギーは周囲の人に不安を与えることはないのでしょう。

これは想像ですが、独立をしたとしても、きっとヒロさんはトンコハウスから声をかけられて、ともに仕事をする仲間なのではないだろうか。こういう関係は本当に素晴らしいと思います。僕の勝手な想像ですけど。

経験から生まれた強い言葉たち

そんなヒロさんは、ホニャララLIVEで、いくつもの名言を残しています。僕のような、凝り固まった価値観を持っているとカウンターのように、ガツンとくる考え方です。そのカウンターはダメージを与えるものでなく、風穴をあけてくれるものばかりでした。

「好きなことはコロコロ変わって良い」
「やりたいことを見つけるまでが一番大変。それまではいろいろ変えてみる。」
「良い絵は存在しない。良いと思っている人が存在する絵である。」

これらの意味するところは、ぜひアーカイブをご視聴ください。必見の価値があるものだと思ってます。堤大介さんと一緒に仕事をすることを憧れた、若きヒロさんのように、僕はヒロさんといつか一緒に仕事をしてみたいですね。

2020年10月31日


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