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おもちゃの対象年齢について考える

おそらく多くの親、もしくは祖父母の皆様が参考にしているであろうものが、玩具の箱に書かれたる「対象年齢」。

対象年齢の基本的な考え方

これはその玩具が「どの年齢の子どもに適しているか?」をメーカーが推奨年齢として示しているものです。これにはメーカーにもよるでしょうが、いくつかの考え方があります。

安全性

1つは安全性。これは考え方というよりも規格です。その年齢未満の子どもが扱うと危険を伴うという目安。例えば、LEGOの中でもおそらくスタンダートな、CLASSICと呼ばれるシリーズの対象年齢は4歳〜となっています。

同時に外箱をよく見るとこういったマークを見つけることができます。

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これは3歳未満のお子様のご使用は控えて(禁止)くださいという意味のマーク。LEGOの場合は誤飲の可能性がある小さなパーツを含むために、このマークが付与されているのでしょう。このマークはとてもよく見かけます。

国によっても異なる

安全性という意味では、どの国の安全基準に準拠しているか?という点も大きな違いです。日本の玩具の安全基準に準拠しているものにはSTマークというものが付与されています。

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ではSTマークが無いと危険かというとそうではありません。日本の安全基準ですから、輸入玩具にはこのSTマークがついていないことも少なくありません。

ヨーロッパのものであれば、EU加盟国による安全基準に準拠していることを意味する、CEマークがついています。アメリカのものであれば、ASTMという基準のものが多いです。調べればどれもたくさんの記事が出てきますから、気になる方は調べてみてください。

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適した年齢の目安

そして玩具の対象年齢にはもう一つの側面があるでしょう。それは遊ぶのに適した年齢の目安という点です。選ぶ側としてもこちらの方が難しい。

ビー玉を飲み込むと危ないから3歳未満の子どもには与えない、というのはわかりやすい基準の一つですが、例えば"友人の子どもの5歳の誕生日に何をあげようか?"と悩む方は少なくないと思います。また、自分の子どもが5歳になったとして、玩具の箱に「6歳〜」と書かれていると「まだ早い?」と思うでしょうし、反対に「4歳〜」と書かれていると「もう簡単すぎる?」と思うかもしれません。対象年齢の難しいところは、安全性の表示よりもこちらの適した目安の方だと思います。

対象年齢は遊び始めの目安である

さて、ここからが本題(やっと!)です。
まず、ポイントだと思うことの一つには、対象年齢の表記は「遊び始めの年齢の目安」は書いてあっても「遊び終わり」は書いてないという点です。そもそも○歳になったら遊ぶのをやめましょう、という考え方が存在しません。

LEGOの場合は4歳〜とありましたが、では6歳には退屈かというと、当然そんなことはありません。10歳になっても楽しい玩具です。その意味で「終わり」は存在しないのです。実際にはLEGOの対象年齢表記は4〜99となっています。これは対象年齢を超えた「何歳になっても楽しいよ」というメーカー側のメッセージでもあります。

つまり玩具の中には、対象年齢の表記以上の年齢になっても、楽しめる玩具がたくさん存在しているということです。3歳の子どもにLEGOを使ってもらうと想定してみます。すると年齢とともに遊びはこのような発展を遂げることでしょう。

3歳頃:とにかくブロックをはめるのが楽しい
4歳頃:簡単な造形を楽しむようになり、作ったものでごっこ遊びなどもする
5歳頃:作ったものに執着も生まれる「壊さないで!」なんて言ったり
6歳以上:どんどん複雑な造形が可能になっていき、細かいパーツも楽しめる

どの年齢でも楽しめる玩具であれば、対象年齢はあまり気にする必要は無いと思います。

対象年齢より幼い場合は遊んではいけないの?

では逆に対象年齢表示よりも下の年齢の子どもが、使うとどうなるでしょうか?5歳〜と表示されている玩具を3歳、4歳の子どもが使うと言った場合です。この場合は子どもの発達によるところが大きいのですが、僕は対象年齢と実年齢の1歳程度の差異はあまり気にしていません。1歳というのは、3~6歳くらいの子どもたちに対してです。10歳の子どもに対してであれば、2〜3歳くらいの歳も問題ないでしょう。つまり、12歳が対象でもきっと楽しめる。逆に3歳以下を対象とした玩具であれば、もう少しシビアに対象年齢も見ていきます。

ただし、学齢期の子どもたちの場合には、学校教育の進み具合と連動して、対象年齢とする場合もありますから、その場合には対象年齢は分かり易い目安になります。

また、未就学児に関しては、正しい使い方にはあまり縛られすぎないのがおすすめです。(※危険な使い方はもちろんやめましょう)

LEGOの場合、先ほどのCLASSICは4歳〜という表示でしたが、3歳でも楽しめると思います。また、誤飲の心配さえなければ2歳程度でも十分に遊べると思います。この場合には、「何か具体的なモチーフを作るための道具である」ということは忘れてしまうくらいでちょうど良いのかもしれません。

2〜3歳の子どもであれば、ブロック同士をつなげる。あるいは外す。という繰り返し遊びが楽しい時期かもしれません。あるいはブロック同士のジャラジャラと擦れる音や、ブロックの突起のテクスチャを手で楽しんだりしています。

「早くから対象年齢以上の玩具で遊ぶと飽きるのも早いのではないか?」というご意見もあるかもしれません。そんな時はしばらくしまっておけば良いと思います。そのうちまた遊びたくなる時期がくるでしょうし、その時にはその時ならではの遊び方に変わっていることと思います。

ちょっと難しいがちょうど良い

ただし、焦って対象年齢以上の玩具で遊ばせよう、などと考える必要もありません。プラモデルのような精巧な手指の動きを要するもの、作り方の手順が複雑なものを3歳児に与えても、あまりにも難解すぎて作り上げる(遊ぶ)ことは困難でしょう。そうなるとどんなに良い玩具だとしても、苦手意識やつまらないと言った記憶だけが残ってしまいます。

このくらいならできるかな〜、くらいの感触のものがちょうど良いとも言えるかもしれません。願わくば最初は大人が一緒に遊べると良いですね。その玩具にもなれるでしょうし、楽しい!という経験につながります。

対象年齢に応じた玩具選びのポイント

結局のところ、その子どもをよく見て、その子が何に興味を持っていて、どのくらいのことができるのか?ということに則っるのが、一番間違いのない玩具の選び方のだろうと思います。それでも強いていうのであれば、ポイントは…

①対象年齢表示は「遊び終わりの年齢」書いていない
②表示年齢より実年齢が上でも、楽しめる玩具はたくさんある
③表示年齢より実際の年齢が下でも楽しめるけど、その子どもの発達による
④あまり無理して実年齢より上の表示のものは選ばない
⑤正い遊び方にとらわれすぎない

という感じでしょうか。余計に選ぶのが難しい感じもしてきました(笑)。玩具選びってある意味では親のエゴがあっても良いと思います。「これで遊んで欲しいな〜」みたいな。それも一つの愛だと思います。

しかしこうなると、同居していない子どもへの玩具選びはどうすれば良いんだ?という気持ちになってきましたから、それはまた今度考えてみようと思います。



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