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精霊探しという遊び

一人でちょっとした精霊ブーム。「精霊を探す」というテーマでしばらく遊んでみたいと思っています。

精霊は遊びのテーマとしてはとても良いものです。精霊というものは…
・どこにでもいる
・見えない
・怖くない

この要素を使うと子どもの視点に変化を生み出し、かつ創造性を発揮してもらうような遊びがたくさんできそうです。

精霊はどこにでもいる

日本人にとっては八百万の神様というくらいで、目に見えない存在はそこいらじゅうにいる(在る)と考えた方がしっくりきます。スタジオジブリのアニメーション作品には精霊(のようなもの)がたくさん登場します。『となりのトトロ』には"まっくろくろすけ"がいますし、『もののけ姫』には"木霊(こだま)"が登場します。そもそもトトロって精霊か?どこにでも、しかもたくさんいるのが日本の精霊の特徴かもしれません。ちなみに現代で一番有名な精霊はおそらく"ふなっしー"でしょう。あれは梨の精霊です。妖怪も含めると本当にたくさんの見えない存在とともに生きているという感じが僕たちの日常です。

アイヌの人たちはあらゆるものにカムイが宿っているとし、例えそれが廃棄するようなものであったとしても、感謝することを怠りませんでした。現代でも日本人の信仰の一部には「針供養」のように不要になったものでも、捨てる際にはしっかりと祀る習慣が残っています。

精霊は見えない

精霊は通常、目では見えません。ならばどうするか、見えるようにしてあげます。竹倉史人さんは土偶研究において、精霊はめで見えない存在だから、仮面をつけることで可視化している。ということを提唱されています。仮面もそうですが、衣を纏わせてあげることで精霊が見えると設定して、様々な手法を用いて精霊の顔や体を表現してもらうことで、想像的な遊びになります。

先日、株式会社チャイルド・フィルム社主催の『Song of the Sea』のオンライン上映会に併せて、映画体験を深めるワークショップを実施しました。この映画はケルト神話をモチーフにしており、ケルトの精霊たちが登場するのですが、それにちなんでここでも精霊探しのワークショップにしています。僕は目に見えない精霊の表し方として、
①輪郭をなぞる
②擦り出す
③写しとる
という手法を用いました。これはもちろん遊びの一部。前述の通り、どこにでもいる精霊は「ゴミ」にもいるということで捨てる予定のものに潜む精霊を探します。この時点ですでに楽しい。

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ワークショップではこの後、衣を纏わせて各自思い思いの表現を楽しみます。なかなかに差が生まれるから見ていても楽しいところです。ちなみにこの時のワークショップの様子は公開されています。

家に潜む精霊を探そう!

今度はファシリテーターがいなくとも楽しめるようにと、あらかじめ精霊が描かれたカードにフロッタージュすること(つまり衣を着せるという意味)で、精霊を表すという遊びを実験中です。フロッタージュする前から精霊見えているじゃん。と言われそうだけど。

他にもいろいろ。精霊というテーマで考えると遊びの幅が生まれそうです。あらかじめ隠しておいた精霊を探すという探検的な遊びもできそうだし。

精霊は怖くない

精霊ってなんか良いイメージがあります。妖怪は人にいたずらしそうだけどね。だから怖くありません。なので見えないにも関わらずなんか親近感を抱きやすいのだと思います。精霊ブームはしばらく続きそうです。外で拾ってきたものに顔を描くのも同じ切り口で楽しくやれそうです。


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