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忘年会の備忘録

学生の頃、卒業後は就職せずに面白クリエーターとして生きていくのだと豪語していた友人がいた。
彼は今年、700人以上ものファンを動員するオフラインイベントを開催し、見事成功させた。
数百という数の人間から生み出される強大な熱気を会場で全身に食らった僕は、彼はもう遠くの人になってしまったのだという現実に若干の寂しさと、それを木っ端の如く吹き飛ばす大いなる感動に打ち震えていた。
学生の頃の彼はこんなにも多くの人を動員できるほどのカリスマ性も話術も人脈も持ち合わせていなかった。
しかしながら彼がここまでの人物にまで登り詰めたことはある種当然であると思っている。彼はくるべくしてここまで歩み進めてきたのだと。

友人の名は、堀元見。文筆家であり、登録者数17万人を超える人気YouTuberである。

先日12月28日。ベルサール飯田橋ファーストにて、ゆる言語学ラジオ初の大規模オフラインイベント、"ゆる言語学ラジオ大忘年会2022"が行われた。9月に告知されると、現地参加チケットは翌日には完売し、水野堀元両名を一目見ようと大勢の用例たちが集結した。
そこでは様々な催しが盛りだくさんだったが、なんといってもファンとしてはパーソナリティ2名のトークセッションという公開いちゃつきが一番の目玉イベントだったのではないだろうか。今年の振り返りから始まり、お互いの解釈を言い合うトークセッションは非常に面白く時にエモい話を現地で聞くことができたのはとても良い体験であり、まさにイビピーオの意味を理解することができた。水野さんは”堀元さんを嘘つきである”という切り口で思いを語っていた。それに倣ってムトウも少しエモい話をしようと思う。

堀元見は人並外れたナルシストである

堀元見は人並外れたナルシストである。といっても、ナルキッソスのようにヘリコン山の泉の水面にうつる自身の姿に陶酔しているのではない。インターネットの海に垂れ流される自身のコンテンツに陶酔しているのである。
どういうことかを語るためには、彼がゆる言語学ラジオを始めるまでの流れを知ってもらう必要がある。
ゆる言語学ラジオから彼を知った人からは想像できないかもしれないが、彼もまた初めから立て板に水の如く話ができたわけでも、当意即妙に豊富な知識から知的な脱線を繰り広げられたわけでもない。
ゆる言語学ラジオを始めるまでに彼がやってきたことをざっくり書き上げると、
・学生団体「ムダ祭りの会」
・単発イベント「性格悪い人限定飲み会」等
・ブログ記事 (落合陽一氏にブロックされたやつなど)
・個人YouTube 「衒学チャンネル」
・月額会員制村づくりサービス「あの村」
・インテリ理屈ラジオ
・謎のあそびを投稿するサイト「あそびカタン」
・ヒモマッチングサイト「kamiyui」
・有料note「堀元見の、炎上するから有料で書く話
全てを羅列できてはいないが、これらが堀元を語るうえで必要であろう彼のコンテンツたちである。あなたはいくつ知っていただろうか。これだけの作品がありながら、
現在も続いているものは有料noteぐらいである。堀元はこれまで数々のコンテンツを生み出してはやめ、そのたびに反省し何度も立ちあがり堀元というコンテンツを鍛え上げてきたのだ。
たとえクラウドファンディングで200万を集めた事業を売却せざるをえなくなっても、行けると踏んで全力でリソースをつぎ込んだwebサービスが上手くいかなくとも企業に就職してクリエイター業を降りるということはしなかった。
それはなぜか。堀元見が人並外れたナルシストだったからである。
彼の過去の失敗のいくつかは彼自身が経緯をブログで書いているので読むことができる。
ゆる言語学ラジオでもたびたび過去の黒歴史として堀元の過去のコンテンツが水野さんに弄られているが、彼は過去のコンテンツを基本的に消さずに残している。
彼は自分の過去のコンテンツを振り返ってダメ出しをする様子を公開しコンテンツにするという狂気の自傷行為にも見える記事やYoutube動画を上げている。その中で自身のコンテンツを面白いとほめている場面がよくある。彼は自分のコンテンツが大好きなのだ。
なぜこれほどまでに自分大好き人間なのか。これは堀元の創作の原点を自分が面白いものを作るという一点に定めているからだ。彼は突き詰めると本質的に自分のためにコンテンツを作っている。だからこそ彼がコンテンツを作るときは血を吐くほどの努力の上で狂気と情熱をもって作りこみ世に出している。全てが堀元史上最高傑作であり、その時の堀元の持てる全てをもって作品を出している。だからこそ自分のコンテンツは消さないし、炎上しても筆を折ることはない。
どんなに失敗したとしても堀元は堀元としてコンテンツを作り続ける修羅なのだ。サイヤ人のように何度倒れてもそのたびに強くなって立ち上がってきた結果が今の堀元であり、ゆる言語学ラジオである。登録者17万超を超えるYouTubeまで成長できたことは、決して不思議なことではない。もちろん水野さんという最強の相棒を見つけられたということもゆる言語学ラジオがここまで伸びたことの大きな要因ではあるが、彼もまた堀元の作品に惚れこんだ堀元の熱狂的なファンであり、堀元なしにゆる言語学ラジオは発生しえなかった。

ゆる言語学ラジオは、堀元見は、まだまだ進化していくだろう。
それは登録者数という結果として現れるかもしれないし、全く別の形として現れるのかもしれない。
ただ一つ間違いなく言えることは、堀元見はこれからも自分のコンテンツを愛し、それ故に妥協を許さず常に最高のコンテンツを作り続ける。
それこそが人並外れたナルシスト、堀元見なのだから。


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