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長編小説『エンドウォーカー・ワン』

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遠い未来。ここではない星の物語。 世界は違えど、人は慈しみ合いながらも争うことは避けられない。 戦争をテーマにしたヒューマンドラマ。 週1~2回連載予定です。
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2024年4月の記事一覧

『エンドウォーカー・ワン』第27話

 ノインの意識はどれだけ飛んでいたのだろうか。  彼の目の前にはたわわに実った小麦の穂の…

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1か月前
5

『エンドウォーカー・ワン』第26話

「んふー。ベェ~ルぅ?」  銀髪の女性が甘ったるい猫撫で声を発し、熱っぽい視線を送る。 …

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1か月前
7

『エンドウォーカー・ワン』第25話

「平気か? ベータ」  ベルハルトはメインカメラに映し出された微動だにしない敵を見、後部…

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2か月前
8

『エンドウォーカー・ワン』第24話

 厚い雲が空を支配する中、数百年ほど昔に植樹された自然保護地域でその衝突は起きていた。 …

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2か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第23話

「……」  コクピット後部の兵装担当席に乗り込んだイリアだが、すぐに機体とリンクしようと…

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2か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第22話

「――通信は以上だ。状況開始」  ハンドラーがそう告げるとほぼ同時に休止状態だった機体の…

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2か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第21話

「探しましたよ、アルファ。いえ、サウストリア第2特殊作戦群中尉イリア・トリトニア」  レックスらがその村を訪れた数か月後、肌を陽が照り焦がす季節。  動き出した復興作業は順調そのもので、平和というものを村人が実感し始めていた頃。  その望まれぬ来訪者たちは地響きと共にこの村へやって来た。 ――魔法探知に引っかからなかった。よほど制御するのが上手いのか、それともただの一般兵か。  「アルファ」は村役場を訪れた見知らぬ男性と対峙していた最中、相手が何者か分からずに警戒の色を