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西側の壮大な虚構のおわり

 仙台市博物館で、「大航海時代へ マルコポーロが開いた世界」という展示を見てきた。 

 タイトルには「マルコポーロ」とあるが、アルサケス朝・ササン朝ペルシアの時代や唐代にシルクロードを通じて伝来した杯や短剣、椀や鏡なども展示されており、とても面白かった。

 中国史家の宮崎市定は、シリアやイランのあたりで発生した文明が東に伝播してきたとする説を主張している。たとえば火の使用一つとっても、世界各地で同時発生的にある使用法に到達するということは考えにくく、どこかで生まれたアイデアが広まっていくほうが自然なプロセスで、その発祥は西アジアであったとする考え方である。私も大枠ではこの考え方に共鳴するところがあり、メソポタミアと呼ばれるような西アジアの地域から文明と呼ばれるような高度な社会システムがはじまったのだろうと考えている。

 ロシア語で神を意味するБогボークという単語は、もともとはペルシア語から入ったと言われているし、イランを中心とする地域で発生したゾロアスター教は一神教の最初のものと言われており、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教にも大きな影響を与えた。

 アメリカは票集めのためだろうとはいえ、カマラ・ハリスが株式の含み益に課税するというバカ話をまた持ち出してきている。もう末期も末期なのだろう。モルガン・スタンレーの会長もヨットで沈んだらしい。逆タイタニックといったところだろう。

 いよいよ本格的に西側の体制の虚構が終わろうとしている感じがする。とはいえ庶民としては、ふつうに目の前の仕事をするほかあるまい。というか、目の前の仕事や日常のことではなく世界情勢やらメディアを通じて配信される情報やらのほうが重要なように思わされていること自体が虚構なのだ。神は天にいまし、世はなべてこともなし。そういう古代や中世の生活に回帰していくのだろう。


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