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失業の救済など知らねど

 ゴールドは1オンス2,200ドル超え、シルバーも26ドルを超えるようになってきている。国内価格もグラム当たり12,000円を突破して、今日は銀も140円台に到達した。もうしばらくすると、ドル建てだの円建てだのの価格表示自体が無意味になるという状況が到来するのだろう。貴金属価格が上がっているとは言っても、それは不換紙幣経済の崩壊と表裏一体で、素直には喜べないだろう。仮に10億とか100億とかの資産を持っていたとしても、今度は取られる苦痛・減る苦痛ばかりが続いて心身をすり減らし、生きることを却って楽しめなくなってしまうだけだろう。詐欺・瞞着・偽善の輩がワラワラと湧いて出てくるということもある。寸借詐欺だらけの現代経済では、カネはあってもなくても悲劇の原因にしかならない。

 インターネット上には山のように現代社会の欺瞞を暴く事実が転がっており、少し検索すればいくらでも詐欺・瞞着の証拠が出てくるというのに、ほとんどの人間は与えられた権威と体制とシステムの無謬性を疑いもしない。電子や観念の世界はあまりにも情報量が膨大になりすぎて、きちんとした批判精神と、疑念を抱く健全な精神を持ち合わせていなければ、なにも情報がなかった石器時代に生きているのと大差ない状況になっている。石器時代の人間のほうが、変な教育やスマホに脳をやられていない分マシだったかもしれない。少し経済について調べたかと思えば、やれ新NISAだ外貨建て投資信託だ、金融なんぞ「約束はしたが守るとは言っていない」世界だというのによくもまあのんきに60歳を過ぎないと引き出せないような泥沼にカネを突っ込もうとするもんだ。

 FRBを作るためにタイタニックを沈めたとか、プラザ合意のために飛行機を落としたとかいう話を、すべて陰謀論とあざ笑うアホから焼き殺されていく。住宅ローン利用者の7割が変動金利で組むというから、それ以前の話だろう。

 失業の救済はどうするか知らないが個人の救済は勉強だ、とはドイツ語界の泰斗・関口存男せきぐちつぎおの言葉だ。トぶサルどもは救えない。人間は人間らしく勉強し続けるしかないのである。

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