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麦酒

いつまでたっても、酷く子供な自分が久々に嫌になった。


取引先の企業の担当者からの、まさに「ポンコツ」なメールと電話がここ数日続いている。

ただのポンコツなら、まだいいのだ。自分もポンコツな場面はある為、「この分野に関しては無知なんだな。」そう思う以外何も感じないからだ。

だが、この「ポンコツ」は一味違う。ポンコツなことを認識していないどころか、自分の無知さを相手のせいにするタイプのポンコツだ。

ポンコツの上司に事情を電話で話した時に、上司は一言「……あいつは何をやっているんだか…すぐに直させます。」

この企業がポンコツな訳ではなく、このポンコツが本当にどうしようもなくポンコツだったようだ。


ポンコツは半月続いている訳で。

上司と話したことが気に食わなかったポンコツから、意味の分からない内容で、怒りを顕にした電話を長時間受けた。

こちらも暇じゃない。むしろポンコツのせいで仕事は増え、スケジュールを間に合わせるためにカツカツだ。


私は気が付かない間に、勢いや語気が強くなっていたようで。

私の優しい上司が「話が通じない相手なのだから、俺が変わるよ」と電話を変わってくれた。

(後に上司たちからは、喧嘩を仲裁したのだと聞く。)


相手がポンコツ中のポンコツなことを百も承知で、上司は丁寧な説明を永遠と続け、最後には「申し訳ございませんでした。」と付け加えた。

相手が悪いことなど百も承知だで、だ。

上手く立ち回れなかった私のせいで、上司を謝らせてしまった。


酷く酷く、落ち込んだ。

こんな些細なことをどうして上手く出来なかったんだろう。

上司に対して申し訳ない気持ちで胸が溢れている。


そんな罪悪感に苛まれる今日こそが、慣れないビールを飲む日なのかもしれない。

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