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鈴蘭

君のこと、初めは「いい人なんだろうな。」

そんなくらいにしか思わなかった。

よくある、周りのあの人たちと、何も違わない綺麗な部分を見ているんだろうなと。


ある時私は何故か気分が良くて、他の人にはしないことを君にしたんだよね。

大きな鈴蘭のカラータトゥーを足に付けている写真を送った。

もちろんそれは擦ると消えるようなもの。だけど馴染みがない人から見れば、「意外と遊んでそうな女」そう見えてもおかしくなかったよね。


君は自分がなんて言ったか、覚えてる?


「足首にタトゥー入れてるんですか?」

怖いですよね、すみません。

「全然怖くないですよ!
オシャレでさりげなくセクシーでいいと思います。
鎖骨あたりのタトゥーシールもとてもいいですね!」


あぁ、この人は目に見えるものにとらわれないのか。

この人には何が見えるのだろう。

見えない私を見てくれるだろうか。


「何に」心を動かされたのだろう。

ざわめきが吹き抜けた10月4日だった。

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