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アーマードコアプレイ日記 惑星ルビコン航海誌 0

カスタムロボの話をします。

カスタムロボは自分のロボットを組み立てて対戦を行う、ニンテンドー64で遊ぶアクションRPGゲームでした。
プレイヤーは「コマンダー」となり、自分のロボットを組み立てて冒険に繰り出すことになります。ロボットは「本体」「ガン」「ボム」「ポッド」「レッグ」の5つのパーツから構成され、数ある候補の中からそれぞれ選んで設定します。
パーツはそこそこの数があったと思いますが、「本体」パーツの特徴づけが結構強いため、それに合わせるように選んでいけばある程度形にすることができるようになっていました。

小学生高学年ごろにこのゲームに出会い、ものすごく熱中して遊んでしたことを憶えています。

当時ロボット物が好きだったのかというと、そんなこともなかったと思います。
ただ、ガジェットのようなものは好きだったので、ビーダマンだったりベイブレードだったりミニ四駆だったり、「自分でカスタマイズする」といった要素のある遊びに惹かれる気持ちが何となくありました。
それでも手先の器用な子どもではなく、工作やプラモデルなどは苦手。水鉄砲の水タンクに穴をあけてペットボトルをくっつけて増設したりするのが限界で、それも穴が大きすぎて水が駄々洩れになって使い物にならなくなる始末でした。

漠然とした憧れと、能力不足による限界に何となくもやもやとした気持ちを抱えながら、学年が上がり遊びとしてテレビゲームを選択することが増えていった頃、カスタムロボに出会ったのです。

「射程の短い高威力の武器を当てたいから、動きが速い本体とレッグパーツを選ぶ」
「空を飛びまわりながらポッドでかく乱し、足を止めたところを狙い撃ちする」
「耐久力の高いロボで間合いを詰めながら打ち合いを制する」

憧れていた「カスタマイズ」の実現がそこにありました。
自由度という面ではそこまで高くないものの、選んだパーツが自分の思い通りに動いた気持ちよさ。なんか違うなと思って繰り返した試行錯誤。そして何通りも試してついにお気に入りの構成(虚無僧、スナイパーガン、アクロバットボム、シーカーポッド、ハイジャンプレッグ)にたどり着いた時の愛着はまだ心に残っています。

時代は進んで、高校生の時です。
友人の家で遊ぶゲームを漁っていた時、「ARMORED CORE Ⅲ」を勧められました。
どういうゲームかと尋ねると、彼はちょっと考えた後「カスタムロボがもっと凄くなったようなやつ?」と答えました。
彼の言葉に誤りはありませんでした。組み上げる機体は頭、腕、導体、脚部にまで細分化され、アセンブル(組み立て)画面には細かいステータスがびっしりと並び、コントローラのボタンほぼ全てに操作が割り当てられているのを見て思わず笑ってしまいました。
最低限の操作方法やステータスを教えてもらい対戦モードで遊び、ついぞ満足に操作できたとは思えませんでしたが、それでも「これは絶対に好きなゲームだ」という確信がありました。

その後AC4、ACfa、ACV、ACVDとシリーズが出るたびにプレイを重ねました。
正直なところ、カスタマイズも操作方法も上達していったとは言えません。対戦コンテンツがメインだったVシリーズでも、一人プレイをしている時間が長かったような気がします。
それでも世界観やBGM、なにより自分自身の手で組み上げた機体を繰って戦う感覚は変わらず刺激的で唯一無二のものでした。
特にACVDのUNACシステム(行動パターンを自分で組み立て、自立した機体を組み立てて戦うシステム)は、操作の上手い下手を取り払った純粋な知識と理論の実践を実現してくれ、「カスタマイズ」によって戦うことをより強く意識できるものでした。

さて。

昔話はここまで。
これから約1週間後、C4-621として惑星ルビコンへ降り立ちます。
「アナトリアの傭兵」「首輪付き」「黒い鳥」あるいは「コマンダー」。
どれもが10年以上前の過去の呼び名ですが、それぞれに抱いていた高揚はいまだに心の中に燻り残っています。

「火をつけろ、燃え残ったもの全てに」

その標榜通り、今までの経験を薪としてプレイすることが今から楽しみでなりません。
10年ぶりの新作を遊び終わった後、全てが燃え尽き灰となって満たされるのでしょうか。それとも新たな燻りがまたひとつ生まれるのでしょうか。
いずれにしても気の早い話です。今はただただ、遊べることを楽しみにしています。


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