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日記

5/20

致死量のカロリーメイトを貪った夜が明けて月曜、体と心の重量は重力崩壊の臨界点に近くなり、自宅から職場への距離は無限に近似を取る。
この段階に進んでしまうと気を紛らわすための歩きスマホは意味を失くし、ただ過思考の頭を引きずりながら無意識に職場へと向かう哀れな死体となる。
職場へ着くと休みを前にして浮かれ切った自分の、クソみたいなやりかけの仕事がまず目に入る。いったん落ち着いてペンをとりデスクを片付ける。そうこうしてるうちに朝礼が始まる。
朝礼中であろうが昼休憩だろうが何だろうが電話の対応は新入りの仕事である。0コールで受話器を取り、前口上をよどみなく唱えるスキルがぐんぐんと培われていく。それ以外はてんで伸びない。ポケモンのLv99からLv100ぐらい伸びない。1回で1ドット伸びれば御の字である。
そして進んでるんだか進んでないんだかわからない仕事に取り掛かる悪魔の時間がスタートする。
ここからお昼の休憩までの記憶はない。
お昼の休憩、私は近くのコンビニで昼食を買うと決めている。理由は簡単、電話番から解放のためである。そうはいっても10分程度で終わってしまう束の間の平穏なのだが。配属当時は弁当を作っていたりしたものだが、あらゆる面で不利益を被ることを実感してからやめてしまった。こうしてかつて培った自炊力は落ちてゆく。麺を茹でたら拍手をください。鍋を持ってる方は鍋をガチャガチャ鳴らしてください。
この徒歩5分の間に聞く音楽はその日一日の色を決定するファクターになるので真剣に選ばねばならない。今日選ばれたのはエアロスミスのangelでございました。your my angel  私の天使は唐揚げ弁当になった。
午後からは小さめの古墳ぐらいある石臼を回す労働に従事していました。
粉にするものはランダムだが最近は小麦が多い、夏に近づくとそばが増える。どうでもいいけど小麦粉もそば粉もおいしそうな匂いしないよね。どうでもいいけど。
5時40分が定時ですが誰も定時に帰ろうとしません。助けてください。
いつも皆1時間ぐらい残業して帰る。先輩が残ってると若手が帰りづらいのはどこも似たようなものだと思う。
肉体的な疲労はたいしたことないのだが心の重さが夕方になると臨界点を越え、重力崩壊を起こす。
こうなるともう動けない。一握りだけ残った理性が家に帰ってやることの3本柱である食事、入浴、睡眠のうちまず入浴から済まそうと働きかける。
そして2時間半が経つ。
すっかりアクが抜けた私はようやく食事の用意を始め、諸々済んだころには23時である。
なぜか私は常人の1.5倍の睡眠が必要なのでこの時間になると睡眠の支度を始めなければならない。安易に夜更かしをすると翌日が悲惨なことになる。何せ私の睡眠は深く、多少の音では揺るがない。姉に引きずられながら寝続けた逸話が残っているほどである。
そしてまた明日の朝には意識を失くしながら職場に向かう。
日記書くの楽しいね。多分すぐ忘れて書かなくなるのだろうが。

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