ゆきだるまのおんがえし - 手のひらサイズの物語
私はひとり、家路を急ぐ。
いつの間にか降り出した雪の中、傘もささずに。手にはくしゃくしゃになったを包みをひっつかむように持って。
本当にあの人、最低だ。
クリスマスデートをすっぽかした挙げ句、他に好きな人が出来たから別れようなんて私ほんとにただの都合のいい女だったって事だよね。
悪態をついてみるけれど、むなしい気持ちになるだけでなんだか泣けてきた。分かれ道の先に見えた眩い街並みから逃げるように、街灯の少ない道へと進む。
「……あ」
ふと、視線の先に少し丸い人影のよう