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【2024年6月17日】(岩手県八幡平市)第3回 東北変態会議~岩手のワーケーションを活性化させるには?~ 振り返り

こんにちは、日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ(岩手県八幡平市)岩村和哉です。

今回、地域を巻き込んで「岩手のワーケーションを活性化させるには?」という東北変態会議を開催したので、その様子や内容の簡単なご紹介したいと思います。

本題に入る前に、イベント開催の経緯についてもまとめておきます。

イベント開催の経緯

最初のところからの紹介になりますが、我ら岩村夫妻が八幡平に関わったのは2020年の11月、岩手県の八幡平の安比ロッキーインや周辺地域の宿、団体、キーマンの方々と協力しながら「八幡平ワーケーションウィーク」を開催し続けてきました。

2023年度より(一社)日本ワーケーション協会に法人として会員になりつつ、僕自身は八幡平ワーケーションの実績を元に、「地域の魅力訴求者」のカテゴリーで公認ワーケーションコンシェルジュという肩書を頂いておりました。

ちなみに2024年6月時点で、同カテゴリーの東北のコンシェルジュは4名おります。

その後、東北地域のコンシェルジュで交流したいねという話があがり、このメンバーが主体となって、協会メンバーや地域の事業者、自治体、住民、その地域にワーケーションに来た方々が、その地域らしいワーケーションについて語り合う場として「東北変態会議」なるものがスタートしました。

メンバーの持ち回り開催で、第1回は秋田県にかほ市、第2回は福島県南相馬市で開催、そして今回、第3回を岩手県八幡平市で開催させていただきました。

第3回東北変態会議の概要

今回は2泊3日で企画させていただき、1日目のトークイベントと懇親会、2日目のディスカッションをメインに、「岩手/八幡平のワーケーションを活性化させるには?」というテーマで交流しました。

同時開催として、安比ロッキーインを会場に第15回八幡平ワーケーションウィークが開催されていたので、実際のワーケーション参加者も混ざりつつ過ごしました。

せっかくなので、3日間の様子を簡単にダイジェストで紹介します。

1日目

東北変態会議① トークイベント @安比ロッキーイン

今回の会場は、いつも八幡平ワーケーションでお世話になっている安比ロッキーインで開催しました。安比高原スキー場の麓のペンション村にあります。

イベントには(一社)日本ワーケーション協会の会員を始め、岩手県庁、地域おこし協力隊、地域の施設運営者、ワーケーションの企画者、民間企業の方、地域で活躍しているキーマン、ワーケーション参加者、近隣ペンションオーナーも来ていただき、合計24名(登壇者含む)で進行しました。

日本ワーケーション協会理事の古地さんのお話、ワーケーションってどんなもの?最新の動向などを、クイズも交えながら分かりやすく解説いただきました。

ワーケーションの本質は「場所を変えて豊かに暮らし働く手段」

https://workcation.or.jp/
パーソル総合研究所「第8回・テレワークに関する調査」より引用
パーソル総合研究所「第8回・テレワークに関する調査」より引用
パーソル総合研究所「ワーケーションに関する定量調査」より引用

※プレゼンの資料の一部抜粋。無断利用・無断転載禁止。(©一般社団法人日本ワーケーション協会)

あわせて、古地さんのお話は下記の記事を読んでいただけると、参加していなかった方もイメージがつくかと思います。


岩村からは、ワーケーションしている時の過ごし方を例示したり、東北でのワーケーション事例を通じて、岩手のワーケーションを活性化させるためのアイデアを紹介させていただきました。

①人が集まる場の紹介
「また来たいという理由と、予想外の繋がりをもたらせすセレンディピティ」

②理想的なライフスタイルの提案
「滞在地の日常が、滞在者の非日常になる」

※プレゼンの資料の一部抜粋。無断利用・無断転載禁止。(©合同会社WACO CREATE)

1時間という短い時間でしたが、岩手のワーケーションをみんなで考える場を作ることができたことに感謝しています。

参加者からは「ワーケーションについてあまり分からず参加したけど、丁寧に教えてもらって勉強になった」「実際の過ごし方を知って、楽しそうだと思った。自分もワーケーションに参加してみたくなった」など感想や質問がたくさんでてきました。

懇親会はロッキーイン名物のBBQスタイルで。
地元の食材で作られた料理や八幡平のクラフトビールを楽しみつつ交流しました。焚き火&鉄板のアウトドアな感じが、より自然な空気感を演出し、会話や交流が加速した気がしました。

思い出してまたお腹が空いてきました(笑)


2日目

1日目はトークイベントと懇親会を中心に企画しましたが、2日目は八幡平ワーケーションの自然体験とスナックごはんを体験してもらいました。

そして2つ目の東北変態会議として新安比温泉清流閣の取り組み事例を勉強させてもらいつつ、「八幡平のワーケーションを活性化させるためには?」について、参加者からアイデアをいただきました。

安比高原中のまきばモーニングとブナの二次林散策

朝6時出発、案内人の文明さんに連れられて、ブナの二次林を散策。植物の名前を覚えるとか、そういうものだけでなく、自然の生態系から人間社会のエコシステムを学んだり、「枝が折られて丸く組まれている、なぜだと思う?誰が何を目的に?」など疑問を持つことを学んだりしました。

ただ目的地に向かって歩いているときは気づかないけど、ふと下を見て、アリがいて、注目し始めると更に多くのアリが見えるようになる。注意してみないと見逃してしまう。普段の生活でもそう。大事なことを見逃さないようにね!

戻る道の途中で、こんな感じのニュアンスの話をしていたのですが、それが自分にとっては面白い気づきでした。


二次林散策の後は、特別な許可を得て入れる場所にあるウッドデッキへ。こちらは2020年頃に、この地域でワーケーションが推進され始めたタイミングで新設されたようです。

高原で食べるモーニングは美味しい!景色きれい!気持ちがいい!!

じゃあこの高原をこれからも守り続けるために何が必要なんだろう? 元々馬の文化があり、馬が芝をたべて高原を維持して1000年以上!すごい。

現在は馬が少なくなり、人の手を入れているけど、どう続けていくか課題があるようです。

東北変態会議②「八幡平のワーケーションの活性化を考える」

朝の自然散策とモーニングから戻ってきて各々仕事し、その後は新安比温泉清流閣にて東北変態会議を開催。

ディスカッションの前に、まずは宿を知ってもらおうという企画を実施。13時から16時の時間帯のうち、1時間はディスカッション、それ以外の時間はコワーキングスペース「結」でワーク&岩手県内唯一の強塩泉の温泉「金の湯」でリラックスという設定にしました。

https://www.sinappi.jp/workation/

温泉付きの宿では、ワーク→温泉→ワーク→疲れたら温泉という、温泉ワーケーションができるのでオススメです。

そして清流閣の事例紹介。
コロナ禍で補助金等を活用し、ワーケーションルームやコワーキングスペースを作ったという話と、実際のお部屋を見させていただきました。

シンプルな和室を改装したもので、通常の宿泊部屋より2,000円ほど高いようですが、ワーケーションルームを選択する人は多いらしく、客単価があがったという話も伺いました。

実はこのワーケーションルームをつくる際に、僕ら夫婦を含めた何人かのワーケターが意見出しをしたのですが、その意見も採用いただいています。

コンセントの数だったり、2人部屋でデスクの椅子が2個欲しいとか。

「八幡平のワーケーションを活性化させるためには?」清流閣の女将と、安比ロッキーインのオーナー、八幡平市の地域おこし協力隊、日本ワーケーション協会メンバー、フリーランスワーケターでアイデア出しをしました。

プラス料金(500円とか)でチェックアウトを12時に遅らせるオプションをつけられる宿がある。ミーティングが10時前後にある人もいるので便利。

今までやってきたことをまとめるのもそうだけど、ターゲットを明確にしても良い段階かと考える(企業と個人では必要な要素が変わってくる)

親子ワーケーションの可能性もあると思う。夏の稼働に余裕があるのなら、子供は夏の自由研究、大人はワーク。その場合、できれば「あとは提出するだけ」の状態まで完成させられるコンテンツが良い。

古地さん(日本ワーケーション協会 理事)

静流閣でいうと、塩の温泉が面白いと感じた。塩の温泉で訴求していくことでリピート利用される理由になりそう。温泉に入っている間に、塩の温泉で温泉卵を作れるサービスとか。特色を活かして、子供の自由研究とかになるようなプログラムなどがつくれそう。

金子さん(日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ(秋田県にかほ市))

ワーケーターの要望を取り入れることが、一般客の満足度につながる事例も(ex:枕元にコンセントが欲しい、など)

今後は施設間の連携? 来たくなるようなソフト面は? 協力隊の方などにコーディネーター的立ち位置で動いてもらうとか?地域おこし協力隊の力でファンやリピーターを作っていくというのが良さそう。

八幡平ワーケーションウィークが15回続いている現状で、「15回続いている理由を学ぶ」、というコンテンツを今後どこかでやっていきたい。

ワーケーションをやっている中心の人が話をすることで「学び」を提供

大滝さん(安比ロッキーイン オーナー)

ワーケーターとして自分の視点で考えると、参加基準が「コミュニティ」だった。何が体験できるかより、誰がいるか。参加者の口コミ、どういう行為をしてどんな人がどんな人とつながっていったのか、という情報が見えることが大切かと考える。

伊東さん(八幡平ワーケーション参加者)

世間の現状として、転勤型の会社が人気がなくなっている。イベントを通じて考えると、ワーケーションは効果的だし効率が良いと感じ、今後求められてくるやりかただと思った。意見交換しながらより発展させていきたい。

瀬川さん(八幡平市地域おこし協力隊)

親子ワーケーションの可能性を感じた。子供は遊ぶばかりでなく、自由研究など持ち帰れる学びがあるプログラムとか。

「まずはこの人のところへ」というような、案内人のような立場の人がいて、そこから偶然の繋がりが生まれていったら面白いと感じる。地域おこし協力隊の力を借りるのが良いと考える。

岩村優香(日本ワーケーション協会 会員)

現状、八幡平ワーケーションウィークは個人向けに実施している。自分の周囲の人という小さい輪から始まり、だんだんと友人が友人を呼んでくれたりして少し輪が広くなっていっている形。

日本ワーケーション協会のコンシェルジュという立場から考えると八幡平市全体を見るべきだが、実態としてはロッキーインでしかやれていないので、他の宿や地域と協力し合って進めていけたらおもしろいだろうと感じる。

また地域の情報や、自分たちのワーケーションのスタイル、楽しみ方を記事化して、もっと発信していく必要性を感じる。日中の過ごし方など、ネットにあるようでないので。

岩村和哉(日本ワーケーション協会公認ワーケーションコンシェルジュ(岩手県八幡平市))

コロナ5類となり、出社する形が戻るのかと思っていたが、実は変わらずに在宅ワークなどをする人が多いということを最近知った。ワーケーションはまだ盛り上がりをみせていると感じるので、引き続き進めていきたい。

橋本さん(新安比温泉清流閣 女将)

ざっくりですがまとめさせていただきました。

より良い意見交換の場になった気がします。
ご協力いただいた皆さんありがとうございました。

そして夜ご飯は地元のスナックへ

いろんな選択肢がありましたが、「人が集まる場」であり、人と人をつなぐマスターが居る場所がいいなあと思い、スナックシャトルへ。毎度お世話になっております。

最初は自分たちだけで飲んでいましたが、マスターの計らいでお隣さんとも少しお話したり。こういう広がりから刺激や、予想外の繋がり、セレンディピティが生まれるんじゃないかなあって思っています。


3日目

みなさん仕事をしたいということだったので、特にどこにも行かず宿で各々ワークして過ごしました。

同じ場にいても、ずっと関わり合う必要はなく、各々がやりたいことを、やりたい場所でするというのが良いですね。

ここに旅程であったり、コンテンツ詰め込みであったり、団体行動絶対主義の人が入ってくると多分合わなくなっちゃうんですよね〜。

なんてことを思いつつ、それぞれが仕事に集中し、ときに会話したりで時間が過ぎていき、東北変態会議 in 八幡平 は無事に終了しました!

日本ワーケーション協会のメンバーが来てくれたことで、今回関わった地域の方々も具体的なことが知れて、協力できるつながりができ、何かしらが進んでいきそうな予感があります。

今回を節目に、今後どのように展開してくか??楽しみです。ご協力いただいた皆様、参加いただいた皆様に改めて感謝です。

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