ヒマワリ/キク科
2020年夏の作品。
お花屋さんで買った小さなヒマワリを描きました。
がっしりとした巨大なヒマワリは元気一杯で良いものですが、お店で売られているヒマワリは小ぶりで可愛らしく、細密画のモチーフにするにはこちらの方が都合が良いです。
ヒマワリを描く時には、後ろ姿も一緒に描こうと以前から思っていました。
大きな花を支えるのにふさわしい太い茎には硬い毛がビッシリ生えていて、萼の形の連なりも規則性があって面白く、観察していて飽きることがありません。
花の真ん中の茶色い部分と周囲の黄色い部分はそれぞれ形の違う小さな花(筒状花と舌状花)が密集したもので、黄色い部分(舌状花)は虫を引きつけるマークの役割を果たしています。
花が終わりかけた頃に、ちょっとかわいそうなのですがピンセットで数本づつ引き抜いて観察すると、筒状花(真ん中の茶色い部分)には雄蕊と雌蕊があるのに対し、舌状花には本来あるはずの雄蕊と雌蕊が見当たらず、不思議に思いました。
植物園の中にある質問コーナーで尋ねると、マークの役割に専念するため退化してしまった可能性があるとの事でした。
無駄を省き効率良く生き抜くためにヒマワリも試行錯誤を重ねているのでしょう…見習いたいと思います。
このヒマワリの絵をとても気に入って下さった方がおられて、見ていると元気が出て来る、励まされると言って下さり、とても嬉しかったです。