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循環する場所をつくるはじめの1歩

千葉県富津市にてワークショップを開催しました。
ここはこれから人と自然が共に豊かになる暮らしを探究するための場所です。

この日お迎えしたのは地球用務員の鈴木張司さん、通称ちょうさんです。

この土地でたくさんの生き物と共存し楽しく暮らすための循環する場所をつくる記念すべきはじめの1歩です。この日1日の事を記録しておきます。。

この土地を知る

まずこの土地を知るという事から始まったワークショップ。
土地を知るという事は場所を決めてしまう前にやっておいたほうがいい。
土地を購入してしまった後でしまった!と後悔しないためにも・・・。

昔は谷川だった場所を埋め立てて家を建てている場所で、土砂災害に合ってしまい家が流されてしまったということも起こっているが、事前にそういう場所だとわかっていれば、そこに住むことはなかったのではないか。
地球上には人間が住んでいい場所とそうでない場所があって昔の人たちはそれをちゃんと分かっていたのでしょう。

ちょうさんのワークショップはまず土地への挨拶からはじまる。
祠に塩をまき、手をあわせる。
「これからこの土地をよりよくするために
今日ワークショップを行います。よろしくお願い致します。」と心の中でご挨拶。
この場所を取得させていただいているけれど、決してここは私の土地ではなく、地球からお借りしている土地であると思っていて、その気持ちはずっと忘れないでいたい。

方位を知る。

まずは方位を知ることから。スマホのアプリで方位を調べてみる。
方位がわかるとおのずと家の場所、向きが決まってくる。
南向きの家が良いといわれていますが、玄関も南側が良いそうです。
なるべく日の光を家の中に取り込みたい。

1年を通してどのほうから風が吹くことが多いのかもわかる。
気象庁の過去のデータでそれを見ることができる。

内房では冬は北のほうからの風、夏は南南西からの風が吹くことが多いとわかる。建物を風から守るために木を植えるということをしているそう。確かに南南西の位置には大きな木がいくつか植わっている。

気象庁のデータで気温も見ることができる。やはり房総は暖かい。
雪が積もることはほとんどないようだ。寒さが苦手な私にはうれしい。

地域を知る

グーグルマップでこの土地を見てみる。この土地の周りにあるものを確認。
山があって、すぐ横に用水路があって、田んぼ、に囲まれている。
熊野神社が2社ある。地元の神主さんにお祓いをしていただいたときに聞いた話ではもう1社あって3社の熊野神社に囲まれている場所である。
熊野神社は農業の神様なのだそう。昔からこの辺りでは農業をしていた場所で水が豊富な場所であるだろうとのこと。地元の人からもそう聞いている。

昔のマップも観てみる。「スーパー地形」というアプリで50年前の航空写真も見ることができる。


前を通る道はずっと昔からあったとわかる。この辺りの歴史を見てみるとここは宿場町だったようだ。
すぐ横にある用水路は今はまっすぐになっているが、昔は蛇行した川だった。神主さんの話によると小さいけれど「紀の川」と呼ばれていたという。
和歌山に「紀の川」があるけれど、何か関連があるのか?

自治体のホームページにもいろんな情報がある。
市の花、市の樹木を知っておいたほうが良いとのこと。やはりその土地にあうものだから。
富津市の花はツツジ、樹木は桜だそうだ。この場所にもツツジと桜は植わっている。桜の木をもう1本植えたいな。

ここに住む人たちの苗字を知ることでわかることもある。ネットで調べてみると富津市で一番多いのは鈴木さん。
鈴木という苗字は和歌山に由来する苗字のようだ。

鈴木という名字の由来については、和歌山県にある熊野の新宮から始まったとされています。
熊野では昔、稲刈りの後に刈り取った稲を積み上げてそれを「穂積(ほづみ)」と呼んでいました。そしてその穂積の上に一本の棒を立てて翌年の豊作を祈願します。するとそこに神が下りてきて、寝ている稲穂に稲魂を植えるというわけなのですが、この棒のことを「すすき」と呼んでいました。
http://zatugaku1128.com/suzuki/

この土地には熊野神社があったり、紀の川と和歌山県にある川の名前がついていたり、和歌山が由来の鈴木さんが多かったり。
神主さんのお話によると、昔からここの町名に住んでいる人は皆「神子さん」という苗字なのだそうだ。神に仕える仕事をしていた人たちが移り住んだからだそうで、、、和歌山から来た人たちなんだろうか?

ハザードマップは必ずしておこう。地震の時、津波が来た時、大雨の時、この場所はどうなるおそれがあるのかを知っておこう。
幸いこの場所は、比較的安全な土地のようです。
これから土地を取得する人は、ファザードマップのチェックは必須!

自然界の四元素を知る

光と風と水と土

自然界では「光、風、水、空気」が環境を作っている。
この4つがどのように循環するのかをイメージして場所をつくろう。
例えば、家の中で光が通る窓があれば、風が通る。風が通ると家の中の湿気(水)を飛ばしてくれる。
焚火をしたときには、木の中の水分が飛ぶときにぱちぱちと音を立てる。
音を立てて水分が煙となって空に上がる。燃えた後の木は灰になって土に戻る。

この場所での光がどう入るか、風はどう吹くのか、水はどこに流れるのか、
土の中に水や空気が入ることができているのか?それらを観察することがとても大切。

風を見るために、竹や草を全部短く刈ってしまうのではなく少し残しておくといい。葉っぱの揺れで風の動きを見ることができるから。

草ぼうぼうでどこから手をつけていいかわからないけれど・・・

フィールドワーク

光、風、水、土のことを念頭に置いて、みんなで敷地をぐるりと回ってみた。さて何を感じるのか?
光を通せば、風がとおる。どの場所を整えてやればいいのかが見えてくる。
この日は晴れていたけれど、地面が少しぬかるんでいるところがある。
土の中に水が浸透していかないのだろう。土中環境を間然する必要がある。

井戸をしらべる。

ここには、井戸がある。主に牛舎で使っていたようだ。
今はポンプが壊れていて使うことができませんが交換すればまた使えるようになりそう。井戸は復活させたい。

井戸の深さをしらべてみた。ロープに重りを付けてたらして測ってみた。
深さは2mくらい、井戸の直径は80㎝ 「πr²×高さ」で体積を計算してみると(小学校で習うこの公式をすっかり忘れていたなぁ)井戸の中には1000リットルくらいの水があることが分かった。
一日に1人が使う水の量は300Lくらい(トイレ、お風呂、洗い物など)
3人くらいが1日使える分があるということ。
使った後どのくらいで水が元の水位に戻るのか?を調べてみる必要がある。
それによってどのくらいの雨水タンクを備えるかを決める目安にもなる。

周辺の環境をみる。

電柱がどこにあるかを見てみよう。できるなら高圧線がある電柱が近く似ないほうが良い。やはり身体に影響がないわけではないので・・・
でもどうしようもない時もある。そんな時は炭をまいたり、樹を植えることで電磁波の影響を軽減することができるらしい。ソテツも電磁波を軽減してくれるそうだ。(敷地の入り口に植わっている)

御神木であったであろうヒノキ。

建物を守ってきてくれていたであろうヒノキが、切られて倒れている。
この木は建物の北側にられている。
その向こうには田園が広がっていて遮るものはない。
冬には北からの風が良く吹くので、風から建物を守るために植えられたのではないかとのこと。

解体の際に切られたヒノキ


根っこはまだ土の中。といっても地面が固すぎて下に根っこを伸ばせなかったようで、横に横にと伸びて、所々根っこが地面から顔を出している。
このヒノキが横たわったままではあまりよくないという事で、このヒノキをみんなで撤去することがワークショップ後半のメイン作業。

一人ではびくともせず、動かせる気がしなかったヒノキ。
チェーンブロックが必要かもと、近くにお住いの西野さん(「小屋大全」の著者でもあり自然暮らしを満喫していらっしゃる先輩)にチェーンソーと共にもってきていただいた。

根っこをチェーンソーで切り、掘り出す


まだ地面に潜っている根っこをチェーンソーで切断しながら数人で剣先スコップを使い、てこの原理で動かしてみるとどうやらチェーンブロックなしでも動かすことができそうだ。
こんな時男性が来てくださっているととても助かります!!

ほどなくヒノキの撤去に成功。根っこを見てみると、下へは全く伸びておらず横へ横へと伸びて踏ん張っていたようだ。
「がんばってくれていたんだね。これ見ただけで泣けてきちゃうよ」というちょうさんの言葉に、もっと自然に対する尊敬の念が必要だなと気づく。

撤去したヒノキを置くための台座を竹で簡単につくり、そこで休んでもらうことにした。
「今まで建物を守ってくださってありがとうございました。」

おつかれさまでした。

場を整える。

ヒノキの根っこが下に伸びることができないくらい硬かった土。
掘ってみると粘土質で硬い。掘っても掘っても硬く、しばらくすると
赤いカチカチの土にあたり、その層を抜けると、少し砂っぽい土に変わった。そこまで1mくらいだろうか。

掘って出てきた土

そこに竹炭をいれ、節を抜いた竹を入れ枝を入れ、落ち葉入れ、牛舎にあった藁を入れ、それを繰り返した。土の中に空気を入れ、有機物をいれ、そこに菌が繁殖しくれて
そこから地中に菌糸が伸びていくことによって、土の中に水がしみ込める空間をつくられることを意図している。
また開口部の前で人が良く通る場所になりそうなので、上層部には以前あった母屋の瓦を砕いて入れた。

掘った土は、枝などで「しがらみ」をつくり枠にしてその中に落ち葉や藁を重ねて「マウント(花壇のようなもの)」をつくる。ここにこれから何を植えようか、考えるのも楽しみだ。

もう1か所、屋根ができたらちょうど雨水が落ちるであろう場所も、掘っておいた。そこは元トイレの浄化槽のある場所の横で、土の中は、湿ってべちょべちょしている。水が浸透していけるようにここにも、竹炭、竹、枝、藁などを詰めておく。

ヒノキの横から、いくつかのマンリョウが出てきていた。
マンリョウの花言葉は「徳のある人、寿ぎ(祝いの言葉)金満家、財産」とても縁起がいい。

マンリョウ

大切に育てなくては、草刈りで切ってしまわぬように、竹を支柱にしてわかりやすくした。

ヒノキの根っこが残っている場所からは、若い枝が出てきていた。
「まだ生きているんだね」それも大きくなっていけばいいなと願う。

ヒノキの根っこから生えてきていた

こうして整えた場所は、以前とは全く違ったすがすがしさがあった。

広い場所であったとしても家の周りから、小さくはじめていく。
パーマカルチャーデザイナーの四井さんもそうおっしゃっていた。
こうやって自分ができる範囲で小さな場所を少しずつやっていけばいいんだなと思うと少し気が楽になった。

ここまででワークショップは終了。

参加してくださった方々と一緒にこの土地を感じた1日。
これがはじめの1歩になりました。

次回 「循環する場所をつくる 2歩目」を開催します。

【開催日 】 1回目 2022年11月26日(土)9時半集合 10時~16時     
【場所】  千葉県富津市(お申込み下さった方に詳細お知らせします)
【伝え人】地球🌏用務員ちょうさん
プロフィール
本名は鈴木張司(ちょうさん と呼んでください)。元マクドナルド店長。東京下町生まれ、千葉鴨川在中。
・日本にフォレストガーデンを広めたディオン·オークマン(ヘイミュ・マフィ)に師事。「食べられる森作り」について学ぶ。
・パーマカルチャーデザイナー故きを大切にしつつ、新しきに対しても反目することなく、温かいまなざしを向ける。
・パーマカルチャー要素に加え、大地再生と自然界の4元素(風・水・火(光)・大地)取り入れることで、地球や人に負担を掛けない仕組みを実現中。→大地の呼吸
・4元素をテーマに地球🌏用務員と名乗り全国でワークショップしています。
・土地の紐解きをして過去と現在を知り、未来につなげていく。

【ワークショップの内容 】
前回整えた場所はどうなっているか見てみよう!
大地の再生:ちょうさんと一緒に光、風、水、土を感じながら
この土地が望むように、人も自然も豊かになるように場所を整えます。

【参加費 】
3000縁からのドネーション(ちょうさんにお渡しします。)
参加価値があれば+してお願いします。保存出来るオーガニックフードやマッサージなどでも、ありがとうと笑顔とお伝えするだけでも、SNS発信だけでもOKです。
循環Lifeプロジェクトを応援してくださる方は別途募金箱に入れて下さると嬉しいです。(植樹する苗代にします。)
※ワークショップ当日に集めるので、現金でのご用意をお願いします。
【持ち物 】
汚れてもいい服、長靴雨具、飲み物、お弁当
あれば、移植コテ剪定バサミノコギリ剣先スコップ
【定員】
15名くらいまで。お子さん連れOK 表示を縮小

お申し込みはこちらから

これから自然と豊かに暮らす場所を作りたい方には、参考になるワークショップです。お待ちしています!



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