初女むすびの会 想い出した父との時間
2021.2.1 etsuko☆sunの台所 Series:8 初女むすびの会
~いま、初女さんに逢いたい~初女さんとおむすびを通してむすばれる時間
お越しくださったみなさま、ありがとうございました
2020年3月3日にサスティナブルカフェ&サロンHALUMでスタートした「えつこさんの台所」1年かけて、series8まで成長しました
そして今回、私にとってあまりにも大きな存在である佐藤初女さんのおむすびをseries最終章に加えることができました
HALUMのオーナーmasakoさんのあたたかな包容力と「えつこさんの台所」に集まってくださるみなさまの後押しのおかげです
「えつこさんの台所」series1から8は季節に合わせ その時々のテーマで 組み合わせをたのしみながら これからも発展していきます
「えつこさんの台所」seriesについて詳しくはこちらからどうぞhttps://soratoteshigoto.com/oshigoto/
今回の初女むすびの会の前に初女さんの御命日である2月1日をはさんで神保町のBOOK SHOP無用之用さんで行われていた~初女さんといのちをむすぶ~2021春 に行くことができました。主催は、ほほこれ文庫・編集者でもいらっしゃる武田和子さんです
その展示会で私が手にしているポストカードの写真を撮られたオザキマサキさんの写真集「佐藤初女 森のイスキア ただただ いまを 生きつづけるということ」を手にすることができました 写真集には90歳を超えられた初女さんの姿がモノクロで映し出されています
そのポストカードは弘前の友人から贈られてからずっと大事にしていました 初女さんがまとっている空気感がとても美しく感じられたからです 森のイスキアにいらっしゃる、私がお逢いした12年前より、はるかに透明感のある初女さんの姿 どの写真にも思わず手を合わせてしまうような崇高な気持ちになる御姿です
写真集をみながら、2020年の春にソラへともどっていった父の姿を思い出しました
父は余命がわかってからたった半月でソラに還っていきました
自宅で家族に囲まれて 肉体から魂がはなれていく様を わたしたちにしっかりみせて旅たちました
わたしが知らせをきいて急いで実家に戻ったときは初女むすびはもう食べることができませんでしたが、たくさん話しをしました 目がギラギラしていて、余命を感じさせなかった
それから1週間のうちに父がやり残したと思っていたことをやり終えたとたんに 父のカラダはちからが抜けたようになり、眼差しの光も一気にやわらかくなりました
それからは 父がどんどん透明になっていくのを感じました そしてどんどん楽にあたらしい幸福にむかっていっているのがわかりました
みんなで「ありがとう」といって 次の旅へ送りだせたことは 父からもらった最大のギフトだったと思っています
そんな父の姿を目の当たりにしてから
この一年私はずっと そのときを自分が迎えるときの心持ちのことを
無意識に考え続けていました
何か困ったとき、初女さんだったら、どうだろうどうしただろうと考えるのは 私のなかでは常になってしまっています
今回、初女むすびの会を開くにあたって、初女さんについての御本をたくさん読みました。そのなかで、あんずゆきさんの「おむすびに心をこめて 佐藤初女物語」のなかに、私が知りたかった初女さんの生き方が書かれていました。ご本のなかには、前述の武田和子さんも、オザキマサキさんも登場していて、お二方の言葉と初女さんとのエピソードも私の心を揺さぶりました。武田和子さんが編集された書籍や、オザキマサキさんが撮られる写真にあんなにも自分が感動した理由がわかったからです。
そして、初女さんの最期の一日のことも綴られていて、私は「初女さんだったら…」と想像するしかできなかったことが、あんずゆきさんのご本とオザキマサキさんの写真を拝見したことで、自分があるべき姿がわかったような気持ちになりました 答えは完全ではなくてこれからも考え続けていくことだろうけれども、安堵感を感じました
佐藤初女さんは、私にとって台所に立つときだけでなく
人生の場面場面で、こたえを問うてしまう心のなかの大切な存在です
初女むすびは、消化力が弱くなった父には難しかったけれど
父を支える家族のために 私はたくさんむすびました
もちろん、自分にも
父がしあわせな次へのトビラに向かっているとアタマではわかっていても
心はおいつかなくて そんな アタマとこころの隙間も
初女むすびは 埋めてくれたように思います
初女さんの生きる姿に 写真集をひらけば いつでも 逢うことができる
あたらしい 強さを得た気持ちで
これからも 私が感じた初女さんのスピリットを 初女むすびや台所にたつ姿、料理、生き方そのものであらわしていきたいと思います
初女さん、ありがとうございます
初女さんの精神を受け取りつなげてくださった すべてのみなさんにも感謝です
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