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アニョーパスカル。アルザスの復活祭のお菓子について

アニョー・パスカル。アルザス地方で復活祭に作られるお菓子です。信者数22億5000万人。世界最大と言われるキリスト教が普及した国では、1年に一度、キリストの復活を祝う復活祭(フランス語でパークPâques 、英語でイースター Easter)の日が定められています。

ベツレヘムで生まれ、ナザレで育ったイエス・キリストは、やがて使徒と呼ばれる弟子たちを伴い、各地を周って自らの教えを広めました。そんなイエスに反感を持つようになったユダヤ教徒たちは、イエスを十字架にかけ死刑にしてしまいます。墓に葬られたイエスですが、3日後天使に導かれてイエスは復活し、弟子たちの前に現れました。そして、彼らに自分の教えを広めるように指示したのです。 


復活祭は、このキリストの復活を祝うお祭りです。しかし日にちは定められておらず、「春分の日の後の最初の満月の次に来る日曜日」という移動祝日で、だいたい3月から4月にかけてということになっています。


この時期、フランスのパティスリーやショコラチエでは、主力商品をはずしてもカラフルなリボンをまとった卵やうさぎの形をしたショコラを並べます。が、アルザス地方では、羊型のこのお菓子を食べます。アニョーとは仔羊という意味。パスカルは復活祭を表します。なぜ仔羊なのか。

それには、ユダヤ教におけるアブラハムの犠牲の話があります。神がユダヤ人族アブラハムに神への犠牲として自分の息子を差し出すように試したとき、アブラハムはそれに従ったのです。しかし、結局神の慈悲を受け、、代わりに仔羊を殺させたという話です。

陶器の仔羊型、使い古された黒いものは、アルザスのクグロフ名人、エルムシュテッターさんにいただいたもの。家業のブーランジェで100年使われていました。

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